
今年もめでたく(!?)4度目の50周年を迎える大物演歌歌手・水谷千重子さん。彼女が座長を務める『水谷千重子50周年記念公演』が東京・明治座、福岡・博多座、大阪・新歌舞伎座で上演される。千重子先生に作品への想いや共演者とのエピソード、そして恋愛観や仕事観、ライフスタイルなど、たっぷり語っていただきました。
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新作のお芝居は、笑いと涙、愛と感動に溢れる“ヒューマンハートウォーミングコメディーサスペンス”
全国のファンが心待ちにしていた水谷千重子の座長公演『水谷千重子50周年記念公演』。今年も、お芝居ステージと歌謡ステージの豪華二部構成。千重子先生のお芝居といえば、これまで日本の時代劇がおなじみだったが、今年はなんと舞台を1960年代のアメリカ・ブロードウェイに移し、伝説のダンサー“ミス・フローレンス”としてステージに立つ。共演陣には的場浩司さんや高橋ひとみさん、YOUさん、ハリセンボン、ガンバレルーヤといった豪華な顔ぶれ。気になる内容はというと、笑いと涙、愛と感動に溢れる“ヒューマンハートウォーミングコメディーサスペンス”なんだとか。
そしてこの作品、千重子先生の友人・友近さんと深く関わりがあるそう。
「昨年、友近ちゃんがミス・フローレンスという往年のダンサーを演じたネタを舞台で披露したんです。くだらないし、しょうもない、変なネタだったんですけどね、最後にはなぜかお客さんが感動して泣き、友近ちゃんも泣くという(笑)。それを観て、“千重子この人を演じたい!”って思っちゃったの。友近ちゃんは一人舞台だったけど、千重子は豪華な共演者の方と一緒にミス・フローレンスの人生を紐解いてみようと思っています」
伝説のダンサーという役柄上、千重子先生のダンスパフォーマンスも見どころの一つ。
「千重子は”越後前舞踊”(手の平に焼き豆富を乗せて踊る舞踊芸)が得意ですから、元々舞うのはすごく好きなんですけど、今回は舞うというよりもダンス、つまり”洋モノ”なので、どういった踊りが飛び出すかは見てのお楽しみね」
第二部の歌謡ショーでは、自身のヒットナンバーや数々の名曲を披露するほか、毎回豪華ゲストとの“ジョイン”も話題。今年は千重子先生が発掘した沖縄の大型新人、まさとし先輩が出演することが決定している。
「関東では、まさとし先輩のことを知らない方が多いんですけど、地元・沖縄では『沖縄の宝』と言われるぐらい伝統芸能に長けている人なんですよ。楽器も弾けますし、アドリブ力も高い。千重子公演でおなじみの、本番勝負が炸裂すると思います」

4度目の50周年記念公演に向けて、熱い思いを語ってくれた千重子さん。
そして、千重子さんと同じ、二葉(ふたば)一門である倉たけしさんが今年も出演。
「毎年、呼んでもないのに勝手に来ちゃうのよね(笑)。実はこれ、『anan』さんに初めて言う特ダネなんですけど、二葉先生が倉と千重子のために新曲を作ってくださったんです。韓流ドラマの主題歌になりそうな曲を、とお願いしたらまぁ、お見事! もうすごくいい曲が仕上がったので、披露するのが今から楽しみです」
また、千重子先生といえば、稲垣潤一さんや田原俊彦さん、川中美幸さんなど、これまで錚々たるアーティストとジョインを果たしてきた。今後、ジョインしてみたいアーティストを伺うと、アノ大物歌手の名前が。
「玉置浩二さん! 私、玉置さんの作る曲も大好きで、よくコンサートで歌うんですよ。いつかぜひジョインできたらうれしいです」と夢は膨らむ。
失恋しても、人生ケ・セラ・セラ! なるようになるさ!
今回の『水谷千重子50周年記念公演』は東京、福岡、大阪の三都市を巡るロングラン公演。ハードな舞台に挑む千重子先生の体力づくりも気になるところ。
「こればっかりはね、気持ちでやるっきゃない! と思っています。下手に体を労りすぎると抵抗力が落ちて、ちょっとしたことで体調を崩すこともありますから。去年、明治座で一週間声がでないというお客様に大変ご迷惑をおかけした経験があるので、喉のケアだけはしっかりしないと。逆にメンタルケアはな〜んにもしてないんです! ありがたいことに今大好きな人たちと舞台を一緒にやらせてもらえているんで、毎日楽しくてしょうがないの!」
常に“キーポンシャイニング”している千重子先生。舞台の話だけでなく、気になる美容や恋愛事情、仕事観も教えてもらうことに。まずは、最近、ハマってる美の習慣を聞いてみると、
「肌が弱くて乾燥しがちなので、化粧水をつける前に導入美容液をつけるようにしています。あ! あとは『千重子水(ちえこすい)』(千重子さんが愛飲する特別な水)をたくさん飲む。いっけない、大事なことを最初にお伝えするのを忘れてました」
なるほど。肌も心のツヤも「千重子水」と導入美容液がカギになっているとのこと。では、「恋してますか? 」という質問には、満面の笑みでこんな答えが返ってきた。
「はい。いつだって! 現場で気になる人がいたら積極的におしゃべりします。するとね、ワクワクするんですよ。え? 私の理想のパートナー? そうですね、楽しいことを共有できる人。あと、倫理観が近い人がいいかな。それが違うとストレスになっちゃうから」

恋においても“キーポンシャイニング”な千重子さん。その姿勢を見習いたい!
恋も人生も“ときめき”重視の千重子さん。では、「もし、失恋したら?」 と聞くと、
「人生ケ・セラ・セラ! なるようになるさ! と思って常に生きています。今の恋愛がうまくいかない時は、“そういう運命だったのね”と気持ちを切り替える。失恋したら辛くて、悲しいけど、きっとこの先に前を向ける時がやってくる。そう思ってます」
ちなみに、二葉一門として苦楽を共にしてきた倉たけしさんとの掛け合いを見ていると、もしかして、お互いどこかで惹かれあっているのかも? と勝手に想像してしまうけれど…。
「あぁ、それはないです! 倉に対してはもう本当に“黙ってください!”って感じです(笑)。ただ、倉も八公太郎も二葉一門で苦労を共にした悪友でございますから、心配ではありますね。ご飯を食べられるぐらいの面倒は見てあげたいなと思いますけど」
と、愛情深い姉御肌の千重子さん。その包容力は後輩に対しても同じ。「千重子先生を目指して歌手になった」と公言する後輩芸人、いや、後輩アーティストも多く、若手に活躍の場を譲りたいという気持ちで毎年紅白歌合戦のオファーも辞退しているとか。そんな千重子先生を慕う後輩たちとのコミュニケーションを大切にしながら、今回の舞台も作り上げている。
「上から一方的に”こうやってください”とは絶対言わないわね。舞台はみんなで一緒に作り上げるモノだと思っているから。年齢もキャリアも関係なく、みんなが意見やアイデアを出し合える雰囲気づくりを心がけています」

演歌界の大御所として後輩のことを思う、姉御肌な一面も魅力。
この懐の深さと柔軟さ。まさに“座長の器”だ。そんな千重子先生だが、これまでの輝かしいキャリアの中で辛酸を舐めた時期もあったという。
「1980年代のアイドル全盛期の頃は、演歌歌手の出番が減って辛かったですね。どうにかしてテレビ出たいと思って、芸能人水泳大会で、”ポロリ要員で出してください!”って言ったりして。あれは情けなかったけれども…。“あぁ、ポロリの子だね”なんて言われた時もありました(バカ言ってる!)。それでも、“あの子、根性あるじゃない!”と周りの評価が変わり出して、歌を聴いてもらえるようになった。そこから這い上がっていったんです。だから、もし今、なかなか認められなくて辛いなと思う人がいても大丈夫。真面目にしていればきっと誰かが見てくれて、いつかその努力を認めてくれます」
日々、楽しいことを考えて生きていくことが大事
常に前向きに、真面目に向き合い続けてきたからこその今がある、と千重子先生。最後に読者に向けてメッセージをもらった。
「若い頃は、40、50歳を過ぎるともうおばさんの仲間入りじゃんと思ってたんだけど、全然! 私なんて50歳を迎えても、20代の頃と気持ちは変わってないわけ。なんだったら、見た目も変わんないなんて言われるのよ。それはなぜかというと、好きなことをやり続けているからだと思うの。来年はこんな楽しいことをしよう、再来年はもっと…って考えているうちにいつの間にか歳を重ねていったのね。だから、皆さんも、歳取るのがいやだわなんて思わずに、1年後、5年後、10年後、こういうことしよう! と考えてみて。きっと、ワクワクして、見た目も心も衰えてこないと思うの。そんなふうに日々、楽しいことを考えて生きていくことが大事ね!」
毎日を楽しむこと。それが千重子流“キーポンシャイニング”の秘訣だそう。そんな千重子先生のパワーをぜひ劇場で体感してみてください。
Profile

水谷千重子
みずたに・ちえこ 福井県出身。幼少時に飛び入り出演した『歌まね生一本』でグランドチャンピオンとなり、番組の審査委員長でもあった二葉菖仁の目に留まり芸能界入りを果たす。以後、演歌とJ-POPの架け橋的存在として幅広く活動している。アルバム「ジョインがお好きでしょ」は岸谷香、二葉マッキー敬之、水野良樹(いきものがかり)という日本を代表するアーティスト達からの楽曲提供を受け話題となった。
2019年に初開催した明治座での『水谷千重子50周年記念公演』は完売が続き、約2万人を動員。以後2019年、2021年、2023年と5年に渡り、50周年記念公演を3回も開催している。また2024年に『水谷千重子の宴ジョインコンサート』を4都市で開催。さらに本年4月、自身のキャリア初となる世界遺産・奈良「春日大社」でのライブを開催した。
水谷千重子50周年記念公演
第一部 お芝居ステージ「CAKUGO (カクゴ)愛と憎しみと追憶と沈黙のミス・フローレンス」
原案:二葉菖仁 脚本:二葉森乃介 演出:二葉慶太郎
出演:
水谷千重子
生駒里奈 バッファロー吾郎 A
川西賢志郎 神里優希
ハリセンボン(近藤春菜・箕輪はるか、ダブルキャスト)/ガンバレルーヤ(よしこ・まひる、ダブルキャスト)
高橋ひとみ(ダブルキャスト、明治座・博多座出演)/YOU(ダブルキャスト、明治座・新歌舞伎座出演)
的場浩司
第二部 歌謡ステージ「千重子オンステージ」
出演:水谷千重子
日替わりジョインゲスト
- 御崎 進[出演:8月31日(日)11:00/17:00、9月6日(土)17:00]
- 萬みきお[出演:8月24日(日)11:00]
- 倉たけし[出演:8月22日(金)11:00、8月26日(火)11:00/17:00、9月4日(木)11:00/17:00]
- まさとし先輩[出演:9月1日(月)11:00、9月2日(火)17:00、9月4日(木)11:00/17:00]
※他にも豪華ゲストがジョイン予定! お楽しみに!
- 公演時期:2025年8月22日(金)~9月7日(日)/会場:東京・明治座/明治座ホームページ[一般販売: 7月12日(土)10:00~]
- 公演時期:2025年9月13日(土)~9月22日(月)/会場:福岡・博多座/博多座ホームページ[一般販売]8月2日(土)10:00~
- 公演時期:2025年9月27日(土)~10月5日(日)/会場:大阪・新歌舞伎座/新歌舞伎座ホームページ[一般販売]7月27日(日)10:00~