Who's Hot?

〈WHO’S HOT〉草川拓弥「僕の出演作をきっかけに超特急のファンになってもらえるような役割でいたい」

エンタメ
2025.02.12

9人組のメインダンサー&バックボーカルグループ・超特急のメンバー、タクヤであり、俳優としても幅広い役柄で活躍中の草川拓弥さん。ともに大きなモチベーションとなっている思いとは?

SHARE

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

超特急のメンバーとしてデビューしてから、今年で13年。俳優としては、実はそれ以上のキャリアを持つ草川拓弥さん。主演や重要な役柄に抜擢されることも多く、2月7日に公開の映画『サラリーマン金太郎【魁】編』では、物語のカギを握る人物役で出演。撮影時のエピソードを伺うとともに、俳優、そしてグループ活動との両立などについても語ってもらいました。

――映画『サラリーマン金太郎【魁】編』がまもなく公開です。

草川拓弥さん(以下、草川):今作は、原作の漫画もそうですけど、過去にはテレビドラマ化もされているので、知名度が高く歴史もあります。出演情報が解禁された時は、普段あまりリアクションのないメンバーからも「サラリーマン金太郎に出るんだ!」と反応があって。そういう作品に携われるのは、純粋に嬉しいです。

――草川さんは、金太郎(鈴木伸之さん)と対立する温泉街の組合長・徳永公平を演じています。

草川:徳永は、地元の温泉街に地熱発電所を建設しようとする金太郎たちのプロジェクトに対して、それができると温泉が出なくなってしまうのではと、建設に強く反対するんです。その気持ちには、共感できるなと思いました。自分に置き換えてみると、俳優や、グループ活動もそうですけど、長く続けるほどに愛がどんどん大きくなって、大切にしたくなる。徳永の温泉を守りたい思いは、自分にも通じるところがありました。

――今作の金太郎と徳永のように、例えばグループ活動で意見が割れた時は、草川さんならどんなふうに解決しようとしますか?

草川:とにかくコミュニケーションをとることですね。きちんと話す。しかも、なるべく全員でっていうことを大切にしています。僕はグループ活動を13年やっていますが、メンバー9人それぞれの意見があるなかで、それを一つに絞って同じ方向を向いて走っていくって、ネガティブな意味ではなく、やっぱり大変なんですよね。一つひとつしっかり話し合って、修正するために、「話そうか」って集まることは、たくさんあります。

――元々その意見ではなかったとしても、話し合ううちに落としどころが見えてくるとか?

草川:そうですね。あとはここまでくると、メンバーへの信頼っていうのも大きいと思います。仮に自分に「こうしたい」という思いがあっても、ほかのメンバーから「どうしても」って違う希望が出てきたら、それに委ねたいというか。その道を信じて、乗ってみたいと思うんです。だから、自分の気持ちを押し殺すとかではなく、お互いの信頼関係のうえで成り立っているのかなって思います。

――そういえば先ほど、草川さんの出演作について「普段あまりリアクションのないメンバーからも今回はあった」と言っていましたが、それは誰ですか?

草川:ユーキです。歴も長いので、普段は「あれ観たよ」みたいに言うのはたぶん恥ずかしいんですかね。僕も含めてですけど。でも、今回は原作を知っていたから、言ってくれたのかも。あと、自分で言うのもなんですが、タカシは僕のことが大好きすぎて、感想とか言えないみたいです(笑)。

――逆に、よくリアクションをくれるメンバーは?

草川:うーん。毎回ではないですけど、カイかな。ストレートに感想を伝えてくれるというよりは、楽屋とかでメンバーがいる時に僕のセリフを言って、みんなでいじるとか(笑)。でも、観てくれているということなので嬉しいですよね。

――今作は、どんな人に観てもらいたいと思いますか?

草川:金太郎はエネルギッシュなキャラクターで、どんな状況でも諦めない姿勢とセリフには本当に勇気をもらえると思います。演じられている鈴木さんは、強さと芯がしっかりとあって、金太郎のイメージにピッタリ。スカッとしたい人におすすめです!

俳優もグループ活動も最初は軽い気持ちでした。

――草川さんは、現在、俳優業とグループ活動を並行していますが、キャリアのスタートは俳優のほうが早かったんですよね?

草川:はい。きっかけは中学1年の時のスカウトでした。サッカーの格好をして学校に行く途中に。その時、芸能活動にはまったく興味がなかったんですけど、芸能関係の仕事をしていた親戚に「大きい事務所だから行ってみたほうがいいよ」と言われて軽い気持ちで…。

――行ってみたら、楽しかったんですか?

草川:そんなにすぐに楽しいとは思えなかったですね。でも、少し意識が変わったのは『貧乏男子 ボンビーメン』っていう、初めていただいたドラマのお仕事の時。リフティングをしながらカメラ目線でニコッと笑う役だったんですけど、僕のシーンが終わってから小栗旬さんが現場に入られて…。テレビでしか見たことのなかった俳優さんとリアルに会えていることに、衝撃を受けたんです。自分の仕事の見え方が変わった瞬間でした。

――その約4年後の2012年に、メインダンサーとして超特急に加入します。その時、ダンスは未経験だったそうですが、戸惑いはありませんでしたか?

草川:なんで自分なんだろうと思いましたよ。断ろうかと思うぐらいに悩みました。でも、メンバーのなかに同級生(カイさん)がいたのと、あとは正直、面白そうっていう気持ちもあったんですよね。俳優とは別の世界だったので、どんなことをするのか気になりました。

――実際に入って、どうでした?

草川:大変でした(笑)。加入して数週間後にライブがあるからすぐに曲を覚えましょう、みたいな感じで2曲振り入れをしなきゃいけなかったんです。ついていくのに必死。

――それから、どれくらい活動してステージが楽しいと思えるようになりましたか? 

草川:徐々にだと思うんです。ライブで地方のショッピングモールとかのステージをお借りしていたんですけど、最初の頃は、お客さんが買い物ついでに立ち止まってくれた方だけっていう日もあって。それが、月日を経るごとに僕たちに会いに来てくれるお客さんがどんどん増えて、そういう方たちを見ているうちに、楽しいなと思うようになりました。僕がステージに立つ理由は、ファンの皆さんに喜んでもらえることが一番だし、それが全てです。

――2022年には、カイさん、リョウガさん、タクヤさん、ユーキさん、タカシさんという長年のメンバーに加えてシューヤさん、マサヒロさん、アロハさん、ハルさんが新たに加入しました。グループとして大きなターニングポイントだったのでは?

草川:この時はまさに、メンバー間での話し合いですよね。ユーキが新しいメンバーを入れたいって言ってくれていたんですけど、僕は正直あんまり考えていなかったし、なかには懐疑的なメンバーもいて、みんなバラバラだったんです。でも、そういう時間を経て、結果から先に言うと、今がすごく幸せで、続けてきてよかったなと思うし、新メンバーの4人と出会えて本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。昨年12月には、おかげさまで超特急が13周年を迎えましたが、みんな変わらず大切で、大好きな存在でもあります。

――とても素敵な関係性ですね。一方、俳優活動でのターニングポイントはありましたか?

草川:たくさんの方から反響があったという意味では「みなしょー(ドラマ『みなと商事コインランドリー』)」になりますかね。代表作…なのかな? もちろん原作が人気ということもありますが、想像以上にたくさんのコメントをいただいて、「2」までやらせてもらえるなんてなかなかないことですよね。僕にとって特別な作品になりました。続編の期待も多くて、いま、ドラマの役作りで髪を染めているんですけど、この色を解禁した時に「みなしょーくるの!?」と、ファンの皆さんをザワつかせてしまいました(笑)。

――現在はドラマ『晩餐ブルース』(テレ東)に出演中です。プロデューサーは本間かなみさんで、草川さんが本間さんのドラマに出演するのは『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』『SHUT UP』に続き今作で3作目。俳優としての信頼度が窺えます。

草川:僕は本間さんの企画する作品がとても好きなので、3作品もご一緒できるなんてすごく嬉しいです。本間さんの作品の魅力は圧倒的なリアル感。実際の日常を切り取っているようで、いい意味でお芝居をしていないような感覚になれる。『晩餐ブルース』も、会話と食と友情のリアルな物語。どうにかして役で応えたい気持ちになります。

――お芝居のやりがいや達成感は、どんなところに感じますか?

草川:僕はやっぱり、グループ活動と一緒になりますが、ファンの方々の反応ですかね。リアクションをもらえると、やりがいを感じますし、自分がやっていることが届いてよかったなと思います。僕はメンバーカラーにかけて超特急の「みどりの窓口」になれたらと思っていて、僕の出演作をきっかけに超特急のファンになってもらえるような役割でいたいんです。

――グループ活動と俳優業のバランスは、どうとっていますか?

草川:どうなんでしょう…。自分でもよくわからないですね(笑)。ただ、僕は明日のことも考えたくないレベルで先のことを考えられないタイプなので、グループにいる時はグループ、俳優の現場にいる時は俳優と、目の前のことだけに集中しているのかもしれません。

――とはいえ、先のことを聞いてしまいますが、10年後はどんな自分でいたいですか? グループ活動は続けていると思いますか?

草川:グループに関してはみんなの気持ちもあるので、僕1人では決められないけど…。10年後もできていたらいいですよね。でも、さすがに10年後はわからないか。どうなるかは、お楽しみに!

PROFILE プロフィール

草川拓弥

くさかわ・たくや 1994年11月24日生まれ、東京都出身。2008年、ドラマ『貧乏男子 ボンビーメン』で俳優デビュー。’12年、超特急に加入し、メインダンサーに。俳優としても活躍し、主演ドラマ『みなと商事コインランドリー』(’22年)など多数出演。現在、水ドラ25『晩餐ブルース』(テレ東・毎週水曜25:00~)に出演中。

INFORMATION インフォメーション

漫画『サラリーマン金太郎』を原作とした実写映画『サラリーマン金太郎【暁】編』(公開中)と『サラリーマン金太郎【魁】編』(2月7日公開)。草川さんは徳永役で【魁】編に出演。鈴木伸之さん扮する金太郎は地熱発電所建設のため、ある温泉地に赴くが、反対する地元温泉組合の徳永と対立。計画の行方とその裏にうごめく不穏な思惑とは。

ブルゾン¥83,600 パンツ¥36,300(共にCULLNI/CULLNI FLAGSHIP STORE TEL:03・6416・1056)

写真・横山創大 スタイリスト・竹上奈実 ヘア&メイク・小原梨奈 インタビュー、文・保手濱奈美

anan 2433号(2025年2月5日発売)より

MAGAZINE マガジン

No.2433掲載2025年02月05日発売

想いの伝え方。

仕事、家族、友人、恋愛…さまざまなシチュエーションで自分の気持ちや考えをきちんと相手に届けるための、コミュニケーションのヒントを集めた特集です。伝わる会話の基本のキ、TPOに応じた「ありがとう」の伝え方、三宅香帆さんに教わる“推し”の魅力を言葉にする方法、大人気の春とヒコーキに聞くコンビ間でのコミュニケーションなど、いま必要な伝える力を磨くためのトピックスをご紹介。

詳しくみる マガジン一覧

PICK UPおすすめの記事

MOVIEムービー