小嶋陽菜さんが「アイドルのままじゃいけないんだ」と思った瞬間

エンタメ
2017.03.16
12年もの在籍を経てAKB48卒業を目前に控えた小嶋陽菜さん。2月22日に国立代々木競技場第一体育館で行われた「こじまつり~小嶋陽菜感謝祭~」直前の、小嶋さんを直撃。
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卒業。今この2文字から連想する人物といえば、小嶋陽菜さんしかいないだろう。1期生として、国民的アイドルグループAKB48に在籍すること約12年。高校2年生だった小嶋さんは29歳の誕生日に、AKB48を卒業してアイドルから身を退く。そこで、2月22日に国立代々木競技場第一体育館で行われた「こじまつり~小嶋陽菜感謝祭~」直前の、小嶋さんを直撃!

――いよいよ卒業ですね。今、どういう気持ちですか?

小嶋:実感は全くありません。今は感謝祭前に開かれるポップアップショップ(編集部注:2月末で終了)の準備でいっぱいいっぱい。やることが多すぎて、卒業することを忘れちゃってるぐらい(笑)。

――でもファンにとっては、にゃんにゃん(小嶋さんがメンバーやファンから呼ばれている愛称)卒業って大事件ですよね。

小嶋:AKB48がすべてだと思ってくれているファンからすれば、常に私は全盛期のアイドルのままなんです。いい意味で、時を止めてくれている。でも私は、先に進まないといけないし、振り返って懐かしんだりもしない性格なので、寂しいという気持ちはありません。それにここ数年、AKB48の活動にどっぷりだったわけでもなくて、ファッションの仕事とかCMとか、すごくバランスよく自分の好きなことをやらせてもらってきました。だからアイドルという意識も最後のほうはなかったんです。周りの人は「アイドルって大変でしょ?」なんて、アイドル扱いをしてくれましたけど。だからこそ、卒業したらどういうふうに周りから見られるんだろうっていうのが、今から楽しみなんです。

――12年間の活動の中で、挫折や成長はありましたか?

小嶋:長かったから、思い返せば色々とあるんだけど…。私は子供の頃からアイドルになりたかったので、実際にアイドルとして歌ったり踊ったりできて楽しい、それだけだったんです。ありがたいことに、1期生を中心に、周りのメンバーにも恵まれていました。そのうち、あっちゃん(前田敦子)や(大島)優子は演技がしたいとか、ともちん(板野友美)は歌手になりたいとか、みんなものすごく強い心を持っていることがわかったんです。それを見ていたら、あぁアイドルのままじゃいけないんだ、私は何がしたいの? って思いました。何か1つ特技を見つけてステップアップしないと、ずっと止まっている人に見えるんだって、そこで初めて気づいたんです。時期は全盛期の直前かな。事務所はドラマの仕事をたくさん入れてくれたしユニットなんかも組んでみたりして、今となっては楽しかったと思うけど、どれも得意じゃなかったし、本当に好きかと聞かれれば、そうじゃなかった。

――それがここ数年では、好きなことをバランスよくやれるようになったわけですね。

小嶋:はい。2011年頃から、女性誌のお仕事が不思議とだんだん増えてきて、アンアンで初のカバーをやらせてもらったのもその頃。当時は、アイドル=ダサいみたいな流れがあったから、アイドルがファッション誌とか化粧品のCMに起用されるなんてありえなかったんです。だから資生堂のCMの話がきた時、あまりにも大きい話で、私なんて特別可愛いわけでもないし、イロモノ枠ならともかく、そうじゃなきゃ叩かれるだけじゃないか、って怖くて。でもプロのカメラマンや演出家の手によって、いざ撮ってみたらそれなりに見えたし、1つハードルを越えた気がしました。それまでは人目が気になるタイプだったから、何かに挑戦するのが苦手で、人は羨ましいけど、私はこのままでいいやって思っていたんです。でもこのCMをきっかけに、挑戦をするようになりました。AKB48って小さな村だけど、それまでのアイドルのあり方を変えられたことを、誇りに思っています。AKB48で過ごした12年間、私はずっとラッキーだった。

――小嶋さんには、弊誌にもエロティック特集や美乳の作り方特集などの人気企画の表紙と巻頭ページに出ていただきました。とくにSEX特集号は完売してしまって、編集部にもバックナンバーがないぐらいなんですよ。

小嶋:アンアンは他のどのお仕事よりも、毎回反響がすごいです。初のカバーをアンアンでやらせてもらった時は、やはり女性誌に出始めた2011年で、女性誌で下着になるなんてかなり衝撃的だったし、グラビアしか出たことなかったからポージングもわからなくて。本当に私でいいの? って。その後も斎藤工さんとベッドで絡んだり、美乳特集ではシャツ1枚羽織っただけで撮ったり、どれもよく覚えています。SEX特集号は私の人生の代表作! そういえば完売して社員の方にボーナスが出たって聞いたけど、本当ですか?(笑)

――いやいや、ボーナスは出ていないですが、完売パーティはやりました(笑)。

小嶋:嬉しい~。でも改めて考えると、この12年間は、ずっと運がよかったなって思います。だって、AKB48には他に可愛い子なんていっぱいいるのに、人気グループになったから私もファッション誌にも出られたし、それまでは痩せてるのがブームだったのに、ふっくらボディみたいな流行りにもハマれて、意外とじゃんけんも強くて(笑)、ずっとラッキーでした。

こじま・はるな 1988年4月19日生まれ。AKB48の1期生。歌手、グラビア、TV番組、CMなどで活動をする一方、女性ファッション誌ではモデルとしても人気。その女性らしいボディは、男女問わず支持を集めている。『PON!』(日テレ)の水曜レギュラー、『みんなのKEIBA』(CX)に不定期出演中。

※『anan』2017年3月22日号より。写真・森滝 進(まきうらオフィス) インタビュー、文・若山あや

(by anan編集部)


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