――‘16年、映画やドラマでひと際輝きを放ち、見ない日はなかった二人。才能がひしめく若手俳優の中でも第一線を走る“今年の顔”・松坂桃李さんと菅田将暉さん。揃ってアンアンに登場するのは今回が初めて!
松坂:僕と菅田は、事務所の先輩と後輩なんだよね。でも、僕としては同級生みたいな感じだなって思ってるんだけど。
菅田:いやいや、先輩ですよ! 僕の目の前に桃李くんの背中があるという感覚。年上という意味でも先輩ですし、身長も大きいし。
松坂:183cmあるからね。
菅田:(笑)。そして、僕の自由行動に付き合ってくれる優しい人です。僕は実際は長男だけど、家の外では違うキャラになりたくて、末っ子っぽく振る舞うのかも。
松坂:実は、プライベートでは会ったことがないんだよね。でも、小さい頃の幼なじみのように、久しぶりに会っても仲良く話せるという感じです。もし、菅田とプライベートで会うとしたら、何をするかな。家でゲームとか?
菅田:いいっすね! それ、ありっすね! ゲーム好きなんですね。
松坂:大好き。でも、格闘ゲームのソフトを買っても、いかんせん一人だから、すぐ飽きるんだよね。勝っても喜びを分かち合えないし。
菅田:わかります。あ、オンラインで対戦をするのでもいいですね。
松坂:結局、会わないんだ(笑)。
――そんな二人が、‘17年公開される『キセキ-あの日のソビト-』で兄弟を演じることに。
松坂:兄弟役って、空気感とか、やりとりとか、なじむまでに時間がかかるものなのに、今回に関しては、そういうことが一切ありませんでした。“飲んだりカラオケに行ってコミュニケーションとったほうがいいかな…”とか、演じるうえで“何かしなきゃ”という考えが一切なかった。それは相手が菅田だったからこそ。
菅田:僕は男3人兄弟なんですけど、普段から一緒にいるわけでも、連絡を頻繁に取り合うわけでもないんだけど、会うと“やっぱり家族なんだよな”という薫りが漂う。そんな曖昧な関係が兄弟だと思うんです。だから演じるとなると難しいけど、桃李くんのことは無意識に兄ちゃんって呼んでいたというか。事務所の先輩としてずっと見ていたからこそ、自然と空気が作れたのかもしれません。
松坂:現場での距離感も本当の兄弟っぽいところがあったかもね。会話はしているけど、全然覚えていないし。そうそう、家のシーンを撮影してるときの空き時間に、菅田が寝てる姿を写真に撮ったよ。お尻だけが写ってるやつ(笑)。
菅田:え! なにそれ、やばいやつじゃないですか(笑)。
松坂:“寝てるな~、お尻が小さいな〜”と思って。
菅田:変な噂が出ちゃいますね、これ。もう、いっそ、付き合っちゃいましょうか。スクランブル交差点でチューとかして(笑)。
松坂:それで、事務所の人が大慌て、みたいになってね(笑)。
菅田:そう、桃李くんは、グリーンボーイズと絡むシーンでは一歩引いて、僕たちがはしゃぐスペースを空けてくれるけど、兄弟2人のシーンでは距離が近くなる。ケンカのシーンで胸ぐらをつかまれたときのパワーはハンパなくて、それで僕はスイッチが入りました。キャラの使い分けのおかげで、ヒデが演じやすかったんです。そこに、ありがとうと言いたいです。
松坂:それは、菅田が場面でキャラを演じ分けてくれたからこそ。こちらこそ、ありがとうですね。
――作中では、共に歌声を披露している松坂さんと菅田さん。
菅田:今回はバンドの音楽だったので、メンバー4人の調和を意識しました。音楽を通じてのつながりが、将来の道へと変わっていく物語は面白かったですし、いいなと思いましたね。そういえば、桃李くんはずっと、“歌NG”みたいな空気がありましたよね?
松坂:今もそうだよ。
菅田 え、そうなの!?
松坂:今回は特別。
菅田:でも、僕もずっと音楽が苦手でしたよ。声変わりをしてからハイトーンが出なくなり、落ち込んでしまったんです。でも、『共喰い』という映画でフジファブリックさんの「茜色の夕日」という曲を知ってから、また好きになりました。ピアノで弾こうと譜面を買ったら、ご本人によるアドバイスが書かれていたんですが、この曲のところには“好きなように”とだけ。それを見て、“音楽は自分の思うがままにやっていいんだ”と楽しくなった。
――菅田さん演じるヒデは、2つの夢の間で揺れ動く。もし、手にしたいものが2つあったら…?
松坂:性格的に一本しぼりでいくと思います、器用じゃないので。どちらを選ぶかでは悩むけど、一度決めたら後悔は…しない!
菅田:僕はやりたいことは全部やりますね。2兎とはいわず、時間が許す限り、12兎くらい追いたい(笑)。あ、今度、桃李くんと共演できるとしたら、海外で撮影したいですね。ハワイとかで。
松坂:弾丸じゃなく、ゆっくりね。
菅田:ひとりで自分を追い込んでいくようなシビアな作品もいいけど、桃李くんとは、あったかい映画をやりたいんですよ。
松坂:それ賛成。ビーチでゆっくりと寝転がりながらとか、理想。