――モノマネしたくなるのはどんな人ですか?
テレビで見て、“いいなあ”と思うところからかなあ。それが“この人になってみたい”になって。最初に興味があるのとないのでは全然違って、“この人をマネしたら美味しいぞ”という気持ちだけでは、なかなか、マネする気持ちになれないという。私のネタにとってのごちそうは、権力を持っている人。最近では小池百合子さん。ああいう人は、すぐになりたくなりますね。あとは、瀬戸内寂聴さんや美輪明宏さん、松任谷由実さんなど、“霊格が高い”と思える人物。やっていて気持ちがいい。たぶん、威厳とか知性がある一流っぽい人を芸人がマネすることで、急に身近に降りてくる感じが面白いんじゃないかな。
――ネタはどうやって作り上げていくのでしょうか。
なりたい人の、“あの人のあの言い方よかったな”というセリフを、歩いているときについつい口ずさんだりしていますね。それは子どものころから変わらないですね。その人の映像を繰り返し見たりはしない。それよりは、その人が持っているものを感じて、自分の中で発酵させるというか(笑)。本物とくらべると、そんなに似ているわけではないんですけど、その人の要素がギュッと凝縮して感じるんですよね。そして、マネージャーや家族に見せたり、その後でラジオで披露してウケたら、テレビにおろす。微妙な反応のネタはやめることもあります(笑)。
――清水さんのネタを見ていると、たまに、ブラックだと思うこともあります。
えー。自分のネタをブラックだと思ったことはないですよ。だいたい“辛口とかブラックにしよう”と思って作ると絶対スベりますよ。たぶん、“ブラックを目指した”とわかるとダメなんでしょうね。お客さんのボーダーラインは驚くほど繊細。結果、ブラックや辛口になったというのはアリでしょうけど。“言いすぎかな?”と迷ったら、私の場合、自分の中にいる、その人に聞いてみる。そして“ゴリラって言っても怒らないだろう、大丈夫”と判断します。矢沢永吉さんが決断をするときに、自分のなかのヤザワに聞く、という話がありますけど、そんな感じ。私はシミズに聞くの(笑)。