志波を演じる濱正悟さんは、ポーカーフェイスににじむ可笑しみがキャラクターにぴったりで、そのモノローグには度々クスッとさせられる。クセ強な志波が決して憎めないキャラになっているのは、濱さん自身が持つどこかとぼけたユーモアゆえ、かもしれない。ハルトを演じる兵頭功海さんは、物言いたげな瞳がなんとも印象的。黙っていると怖いほどの端正さ、しかしその笑顔は見る者をとろけさせる魅力に溢れており、とらえどころのないハルトそのもの。
二人の関係はこの先どうなるのか。ハルトが怪しいと知りつつ深みにハマっていく志波、志波が担当する事件の行方、ハルトの正体…サスペンスの要素も相まって最後までハラハラさせられっぱなしになりそうだ。
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写真上・濱正悟さん、下・兵頭功海さん
見ているだけで麗しい、最強パートナーに注目必至。
――お二人は今回が3度目の共演だそうですね。
兵頭:はい。前回共演した『ブルーバースデー』の時は、よく一緒にごはんに行っていました。二人で濱くんが好きなラム屋さんに行ったの、覚えてます?
濱:覚えてるよ。「クリーニング店に行くのに付き合ってくれたら行けます」って言われて…。
兵頭:そうだ。その時、僕が買ったばかりの白い服にコーヒーをこぼしちゃって、「このままシミ抜きに行きたいのでついてきてくれないですか」って待っててもらって。
濱:そうそう。あれはめんどくさかったなぁ(笑)。
兵頭:(笑)。戦隊の時も濱くんが「近くで飲んでるからおいで」と呼んでくれたりして。逆に、今回どこにもごはんに行ってないですね。ずっと現場でお昼一緒に食べてるから。
――そのお昼タイムにたくさんお話しされたりも?
濱:話す時もありますけど、兵頭くんはけっこう寝てるんですよ。
兵頭:どこでも寝られるんですよね。濱くんは絶対寝ないけど。
濱:俺の場合は集中が途切れそうな気がするんだよ。兵頭くんは『ブルーバースデー』の時も教室のど真ん中で、すごい体勢で寝ていて。こっそり写真を撮っておきました(笑)。
兵頭:盗撮されましたねぇ(笑)。
――今回、こういう近い間柄の役どころを演じられて改めて感じた役者としての魅力は?
兵頭:とてつもなくお芝居が上手だな、素敵だなと。以前から感じてはいたんですけど、今回ガッツリやってみて、改めて驚きました。同世代でこんなにすごい俳優さんがいるんだって。その場で生まれるものも出てくるし、作り込まれた動きも上手だし、役の追求の仕方も徹底されていますし…。僕も自分を見つめ直す機会になりました。
濱:兵頭くんがすごいのは、監督の細かいこだわりで撮り直しになった時でも、何回も同じ感情をやれるところ。あるシーンで一度、「涙を流すタイミングを変えて」って言われた時があったんですよ。
兵頭:今までで一番大変なところでしたね。「このセリフを聞いてから涙を流して、涙ながらにセリフを言うけど、最後は泣きながら言ってほしくない」っていう指示で(笑)。
濱:そう言われてすぐその通りにやれてたもんね。俺には絶対、無理だなと思った。
――お芝居についてお二人で話し合うことも?
兵頭:しょっちゅう話してますね。僕ら感覚が割と近くて、「ここってこうだよね、じゃあ監督に聞いてみる?」って、二人ですり合わせたことを監督に確認したりしています。
濱:役者と監督、他の部署の方も含めて、それぞれ考え方とか考える視点って違うのかなと思って。でもそれが絶妙に組み合わさったら絶対いいものができると思うので、話し合いを大事にしています。
――では今回、濱さん演じる志波が多肉植物を愛でていることにちなみ、お互いの“愛でたい”ポイントをお聞かせいただけますか?
兵頭:たまにめちゃくちゃ笑うところ。普段、結構スマートなんですけど、たまに悪ガキみたいに「カッカッカ」って笑う時があって、そこが可愛いですね。
濱:兵頭くんの愛でたいところは、いい匂いがするところ。
兵頭:えっ(笑)。
濱:今までの共演作ではあんまり距離が近い芝居ってなかったんですけど、今回近いから、「いい匂いするな」って。
兵頭:それはよかったです。
濱:大事じゃん、匂いって。
兵頭:うん。遺伝子的に合ってるのかもしれないですね。
――いい匂いだと思う人とは遺伝子レベルで相性がいいって言いますもんね。
兵頭:ですよね。僕、香水とか付けていないので。僕らベスト遺伝子なのかもしれないですね(笑)。
濱:よかった、よかった(笑)。
『毒恋 ~毒もすぎれば恋となる~』
濱正悟&兵頭功海のW主演でおくる、かつてないサスペンス&ボーイズラブコメディ。大手法律事務所に勤める弁護士・志波令真(濱)は、ある日詐欺師のハルト(兵頭)に出会い、他人になりすますその才能に目をつけ自宅で“飼う”ことに…。毎週火曜23:56~TBS系で放送中。「TVer」「TBS FREE」で1週間見逃し配信。「Netflix」では先行配信も。牧野圭祐による原作小説『毒恋 ~毒もすぎれば恋となる~上』(角川文庫)が発売中。
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上・はま・しょうご 1994年8月22日生まれ、東京都出身。主な出演作によるドラ『恋せぬふたり』カズくん役、連続テレビ小説『舞いあがれ!』、主演ドラマ『何かおかしい』など。10月18日に主演映画『恋愛終婚』が公開。
ジャケット¥55,000 パンツ¥41,800(共にCONFIANCE/JOYEUX TEL:03・4361・4464) シャツ¥37,400(BRU NA BOINNE/BRU NA BOINNE DAIKANYAMA TEL:03・5728・3766) その他はスタイリスト私物
下・ひょうどう・かつみ 1998年4月15日生まれ、福岡県出身。映画『五億円のじんせい』で俳優デビュー。主な出演作に、日曜劇場『下剋上球児』、『9ボーダー』など。現在は、出演映画『ブルーピリオド』が公開中。
ジャケット¥59,400 シャツ¥33,000 パンツ¥44,000(以上S'YTE/ヨウジヤマモトプレスルーム TEL:03・5463・1500) ネックレス¥7,260(Oyire_/JOYEUX) イヤカフ¥15,400(IVXLCDM/IVXLCDM 六本木ヒルズ TEL:03・6455・5965) その他はスタイリスト私物
※『anan』2024年10月2日号より。写真・須田卓馬 スタイリスト・徳永貴士(SOT/濱さん) 石橋修一(兵頭さん) ヘア&メイク・佐々木麻里子(濱さん) 牧野裕大(ヴィエルジュ/兵頭さん) インタビュー、文・野村 文
(by anan編集部)