「岡崎体育 Zepp Tour 2024」が絶賛開催中です。全国を回っています! 今回、チケット完売を目指し、積極的に自分のSNSのアカウントを使って、販売を促進するためのセルフキャンペーンをツアーが始まる前に行いました。会場ごとのチケットの残数を記した僕のポストを見かけた方もいるのではないでしょうか。なんでそんなことをしたかといえば、当初の券売状況が非常に厳しかったからです。最初にチケット販売会社から送られてくる購入状況のデータでは、なんと全体の30%ほどしか売れてなかったんです。コロナ禍以降、生のライブを観に行くという行動が以前ほど戻らず、音楽業界全体としてチケットの売り上げが落ちているというのは聞いていましたが、自分ごととしてそれを受け取ったのは正直ショックでした。降りかかり方があまりにもどしゃぶりすぎました。
確かに、ここ数年の僕はより幅広い層に認知していただくために、TVドラマに出演したり、子ども向け番組に出たり、バラエティに出たりと、どちらかといえばミュージシャン以外の活動が多かった。それが、ひとりのミュージシャンとして、この人の曲で踊りたい、一緒に歌いたいと思ってもらえるような求心力・集客力に結びつきにくかったのではないか、と感じました。でも当然ですが、岡崎体育をドラマで、バラエティで、TVCMで知った人たちにひとりでも多く、ライブに行ってみたいと思ってほしい。それで、自分にできることは何だろうかと考えて、セルフキャンペーンを大々的に打つことにしたんです。
先にも言いましたが、今回は会場ごとに1階席の残り枚数も正直にポストしています。これは僕の哲学なのですが、ポジティブなことにしろネガティブなことにしろ、数値は正直に正確に出していきたいから。変な隠し事はしたくないし、僕にとって恥ずかしいのはチケットが売れてない現状を知られることではなく、売れずにそのままツアーが終わってしまうこと。かける汗はかいて後悔なくツアーを完遂したかった。結果、チケットの販売数は82%まできました(4月15日現在)。奈良のライブハウス「NEVERLAND」で初めてライブをしたときも、さいたまスーパーアリーナで夢のステージを実現したときも、SNSで僕は必死にビラを配って集客をしていた。そんな自分の原点を、久しぶりに思い出した気がします。
おかざきたいいく 自身初となるEP『Suplex』を引っ提げて開催中の「岡崎体育 Zepp Tour 2024」も残すところあと2か所。5/12大阪(ベイサイド)、6/2東京(ダイバーシティ)。
※『anan』2024年5月8日‐15日合併号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND) 文・梅原加奈
(by anan編集部)