【いい人】心をほっこりさせる、こんな人になりたい!
謎の理由をつけて多く払ってくれる人
誰が支払いをするのか論争になった時、これを言ってくれる人がいたらそれはかなりの“いい人”。おばちゃんたちの奢り合い合戦を平定するイメージで、まさに猛者。こう言われて多めに払ってくれたら、悪い気はしない。
【なりたいポイント!】
「割り勘のタイミングで多めに出してくれる理由が、“会えて嬉しかったから”って言われると、この人、いい人だな~って思いません? 楽しい思い出になるし、謎な理由だからこそ、素直に甘えちゃおうって思える。ただ奢るだけでなく、『遅刻しちゃったから、多めに払うね』など、1個理由をつけるだけで、相手に気を使わせないテクニシャンな“いい人”に」
優しすぎて語尾が「に」になる人
職場や学校で疲れている人に対し、何か優しい言葉をかけてあげようと気遣いした結果、語尾がなんだか柔らかい響きになってしまう人。優しくしようとしすぎて無意識に「に」になってしまう、相当な“いい人”の可能性大。
【なりたいポイント!】
「『元気かにぃ~』など、語尾が「に」になっている言葉を言われたら心がちょっと和みますよね。不思議だけど、嫌な感じはしない。実際にやれば、癒し系のマスコット的存在になれると思います。言葉のニュアンスや響きに気を使う人は、人の心の痛みを理解できる人。緊張している人に対してや、空気がギスギスしている場でマネしてみては?」
遅れてきた友達に何の話をしてたか教えてくれる人
集まりに遅れて参加する人に対して、親切にこれまでの話の内容を説明して輪に入れてくれる“いい人”。後から「何の話をしているの?」と聞くのは場の空気を壊しそうで言えない…。そんな時の救世主となってくれそう。
【なりたいポイント!】
「何も聞かれないのに何の話をしていたのか要約して教えてくれる人は、めちゃくちゃ優しい人。グループで過ごす時間を、みんなで楽しく共有しようと立ち振る舞えるのは素晴らしいですよね。何の話か分からないまま、時間が流れていくのをやり過ごすのは仲間外れ感半端ないですから。自分もこんなふうに振る舞えたら理想的だなと思います」
敬語とタメ口のバランスが上手すぎる後輩
先輩に対して基本は敬語を話しつつ、絶妙な匙加減でタメ口を差し込んでくるフレンドリーな後輩。世間話をしている時のさりげないタメ口は場の空気を明るくし、先輩の懐にも入りやすく、スムーズな人間関係を築ける。
【なりたいポイント!】
「テクニックでやると“あざとい”と思われるかもしれないですが(笑)。いじってほしい先輩や、ツッコんでほしい先輩には『なんでやねん』とタメ口でツッコミを入れると仲良くなれることが。敬語で話してほしい人でなければ『えっ、マジ?』『スゴイ!』など、フランクな相槌を打つことで距離感は縮まります。もちろん先輩へのリスペクトを忘れずに!」
嫌みをポジティブで返す人
職場で派手なネイルアートをしている人が「なに、その爪?」と聞かれた時に返せたら無敵なセリフ。“とにかくポジティブなギャル”のイメージを持って、嫌みを明るく返せるようになればあなたはもう凄腕の“いい人”。
【なりたいポイント!】
「ネイルは本人が楽しんでやっているんだなということが伝われば、“じゃあ、まっ、いいか…”という気持ちになりますから、とにかくポジティブに返すこと。確実に嫌みを言われているなと感じた時に卑屈になると相手の思うツボ。ネイルを楽しむ余裕があって、返す言葉も上手い。そんな“いい人”になれたらかっこいい」
会話の間を埋めるために2回言ってくれる人
会話の相槌に2回同じことを言う人は、相手と話す時に変な間を作りたくなくて2回言ってくれている気遣いマスター。同じことを繰り返し言うことで、その場にいる人が次の話題を考える時間が生まれるという効果も。
【なりたいポイント!】
「相手に『コイツ、同じことを2回言うな~』と癖がバレてしまう可能性もありますが(笑)。話の内容をよく分かってない人に対して2回言ってあげる優しさもありますし、大人数で集まった時の会話で『こんなに大勢いるのに誰も喋んないの?』っていう静寂が訪れたら、感情を込めて2回目を言うと、ちょっとだけ場の空気が和みますよ」
いい人に近づくための、たつろうアドバイス
「僕が思う優しい人は、人の気持ちを考えて発言できる人。誰かの言葉で傷ついた経験があるからこそ、相手にも優しくできるのだと思います。特に、繊細な人は、表情や喋り口調など、細かいところまで敏感。同じ言葉を放っても、状況によって優しく聞こえる時もあれば、キツく届くこともあるので、自分自身は普段どんな表情でどんな話し方をしているのか。どんな言葉をよく言っているのか。客観的に自分を見つめ直すと、“いい人”に近づけるはず!」
モノマネは人間関係を救う!? なりたい自分で起こすアクション。
十八番のあるあるネタは、実体験が元になっているという芸人のたつろうさん。
「ネタを作ることは、自分と向き合うこと。“嫌な男”のネタを考えるうちに、反省すべき自分が見えてきて、人の気持ちが以前より分かるようになりました」
元々は、自分自身が傷つきやすく繊細な性格だったという。
「芸人仲間など普段の人間関係では割り切って、なるべく気心知れた相手との関係を大事にするようにしています」
では、避けられない“面倒な人”の言葉に傷ついた気持ちを励ますには?
「友達に話すなど、“ネタ”に昇華すること。言葉は、言った本人の感情とは違う場合もあるから、それだけを重く受け止めないで。モノマネとか、笑いに変えれば、傷ついた思い出じゃなくなります」
対人関係が苦手な人は、今回の“いい人あるある”のような、なりたい! と思う人の言動をマネするといいのだそう。
「僕も、苦手な人との仕事や、知り合いがいない初めての場でどうしてもコミュニケーションが必要な場合は、人と関わるのが上手い誰かのモノマネをします」
モノマネが得意な芸人ならではの対人関係の攻略法。そこには、かつての自分のような繊細な人に届けたい想いも。
「自分はこうだから…と暗いままでいると何もできない。まずはマネでもいいから、理想の“なりたい自分”を演じると、コミュニケーション上手な“いい人”に近づけます。ただし、マネばっかりしてると自分を見失うので気をつけて(笑)」
たつろうさん 吉本興業所属のお笑い芸人、YouTuber。1984年、富山県生まれ。日常を切り取ったあるあるネタとモノマネが得意。ヨシモトブックスから、これまでのあるあるネタを集めた『嫌な男あるある じわじわムカつく言葉200』が好評発売中。
※『anan』2024年3月6日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・別府麻衣 取材、文・福田恵子
(by anan編集部)