職場を異動したら、新部署に馴染めません。
会社で異動がありました。これまでいた部署は和気あいあいとした雰囲気が自分に合っていて、成果も上げてきました。一方、今の部署は超ビジネスライク。ほぼ私語はなく、数字に対してもすごくシビアです。全然馴染めません。前の部署に戻りたくて仕方ないです。
新たな武器を手に入れるチャンス到来です!
よく「ピンチはチャンス」といいますが、占いをしていて、本当にそういう場面にたくさん出合ってきました。今回の相談は、無理に楽観するのではなく、「チャンス到来」と僕は捉えました。環境がどうしようもなく合わないのであれば、違う道を模索するのも手だけど、合わないと感じるものは自分が持っていないものでもあるから、それを鍛えるチャンスともいえますよね。今までとは違うビジネスライクな部署で成果を出して周りからの信頼を集められたら、新たな武器を手に入れることができる。たとえば、前の部署で培ったのが雑談やコミュニケーションのスキルだとしたら、今度はスピード感とか正確性とか、全く種類の違う武器です。大きな自信になると思います。
それに、前の部署で成果を上げたあなたを会社が認めているからこその異動なはず。上昇気流に乗った人たちって、「え、それ私に言ってます?」と一見適材適所ではないような機会をもらうことが多い気がします。チャンスって、他人が自分の引き出しを開けてくれるものでもあるので、こじつけでもいいから「違うスキルを磨くためにこの部署に来たのかも!」と思ってみては。新しい自分が目覚めるかもしれませんよ。
仕事に追われすぎています!
毎日忙しすぎて、生活のすべてを仕事に捧げている状態です。やりがいはあるけど、しんどい。この状態がいつまで続くのか、体はもつのか、心配です。でもチームリーダーということもあって、軽々と休めないし休みたくない。気合で乗り切るしかないのでしょうか。
限界前にギブアップを。“負けて勝つ”意識を持って。
優秀な人たちが抱えがちな決定的な弱点は、ギブアップができないことです。目の前の仕事や課題を乗り越えていく力はすさまじいけど、「できません」が言えなくて壊れるまで頑張り続けてしまう。「自分を大事にしなきゃ」と頭では理解していても、いざ仕事の現場に立ったら「ここで引いたら負け」という強迫観念に近い負けず嫌いが発動してしまうというか。目の前の勝ち負けでいえば、ギブアップは負けかもしれないけど、いわゆる「負けて勝つ」ことは多くあります。今後の人生も考えて、勇気をもって休む、引くという選択ができたら、それは一生役立つ力になるし、弱っている人の気持ちに寄り添えるようにもなる。長い目で見た時、自分にとっての勝ちは何か、考えてみてください。仕事って、できる人のところに死ぬほど押し寄せてくるものです。その扉の開け閉めを担当するのは自分自身。きっかけを作って転職するなり「もう無理だ」と思ったらすぐ申告するなり、調整が必要です。自己申告のギブアップは再起可能だけど、追い詰められて壊れた結果のギブアップは再起まで何年もかかる可能性がある。そうならないためにも、早めに白旗を揚げる訓練をして“負け”に慣れていってほしいです。
転職しようか迷っています。
新卒で入社して8年目。仕事環境に大きな不満はないものの、転職しようか悩んでいます。というのも、友達や彼氏が転職してキャリアアップしているのに、自分はなにも成長できていないから焦ってしまうんです。今どき、1社しか経験がないのも後々ビハインドになりそうで…。
最後にモノをいうのは人柄。職場の空気作りを実践して。
「なにも成長できていない」という言葉が気になりました。「今の環境では成長できない」という転職理由は割と聞くし理解もできるけど、成長ってなんだろうとも思うんです。仕事のスキルや成果は成長の結果と結びつけやすいけど、仕事ができる人たちが100%評価されているわけではない。一方で「絶対に職場に必要」とか「また一緒に仕事をしたい」と熱烈に思われる人たちがいる。その多くは誰かのミスをそっとフォローしたり、雑談で緊張感を和らげたり、場の空気をまるくする人柄の持ち主です。成長はもちろん大切だけど、僕は最後にモノをいうのは人柄だと思っていて。だから転職という前に、一度今の職場で、みんなに貢献できる空気作りを考えてみてはどうでしょう。「大きな声で返事をする」とかなんでもいいと思います。ちなみに僕の事務所のコンセプトは「おじいちゃんのおうち」。取材などで来た人がサンドイッチを食べながら長々雑談をしたりするのだけど(笑)、この緩い空気作りがいい仕事をするために必要だと信じています。足元にある養分を吸って自分だけ成長しようとするのでなく、みんなで成長するための畑を耕す。そういう人が真の意味で成長できる人なのかもしれません。
しいたけ.さん 作家、占い師。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究するかたわら、占いを学問として勉強する。『しいたけ.の小さな開運BOOK』『しいたけ.のやさしいお守りBOOK』(共に小社刊)が好評発売中。公式note https://shiitakeofficial.com/ しいたけ占い公式サイトhttps://shiitakeuranai.jp/
※『anan』2023年11月29日号より。イラスト・100%ORANGE 取材、文・熊坂麻美
(by anan編集部)