パリ五輪金メダルへ、なでしこジャパンが早くも再出航。
狙うはパリ五輪での金メダル。その第一関門となるのが、今回のアジア2次予選だ。インド、ウズベキスタン、ベトナムとのリーグ戦を1位突破すると、本大会出場権を懸けた来年2月のアジア最終予選に進むことができる。ここをしっかり通過して未来への扉を開きたい。
近年は男子同様に海外でプレーする選手が急増。世界標準を日常とする意識が高まっている。チームは9月の国際親善試合でアルゼンチンに8‐0と圧勝し、10月には若手中心のメンバーでアジア競技大会連覇を達成するなど期待は高まるばかりだ。
だが、決して楽観視はできない。これまで引いて守りを固めるアジア勢には苦戦するケースも多く、選手たちは「アジアは2次予選から難しい戦いになる」と気を引き締める。
世界で味わった悔しさは世界でしか晴らせない…。パリで最も輝くメダルを手にするために、なでしこジャパンが新たな一歩を踏み出す。
アジアの激しさに対して球際では絶対に負けたくない。
長野風花(リヴァプールFCウィメン)
女子W杯で悔しい気持ちを味わって、もっともっと上にいきたいという気持ちが強くなったので、すぐに五輪を目指して戦える機会があるのは、個人的にはすごくうれしいです。
今のチームはバランスがすごく整っていますし、女子W杯では得点パターンも多くて、本当にいい戦いができたと思っています。ただ、スウェーデンに分析されたことで中盤で優位に立てなかったり、一対一の強さで課題が残ったのも事実。どれだけいいサッカーをしても、結果的に勝てなければ意味がないということを思い知らされました。
正直、アジアは世界で戦うより難しいと感じるところもあります。日本に対して守ってくる国が多いですし、球際もすごくガツガツくる。でも、そこで絶対に負けたくない。アジアの厳しい予選で勝負強さを得ることができたら、自分たちはもっと強くなれる可能性を持っていると思います。パリで最高の結果を残すためにも、今回の2次予選を絶対に勝ち抜いてきます。
ながの・ふうか 1999年3月9日生まれ、東京都出身。160cm、53kg。ピッチの中央で輝く攻守の要。韓国やなでしこ2部など、自らを厳しい環境に置くことで成長してきた向上心も魅力。
チームを勝たせるために“怖い選手”であり続けたい。
宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッドWFC)
女子W杯は本当に悔しかった。一丸となって戦えるいいチームでしたけど、優勝したスペインにグループステージで勝ちながら、準々決勝でスウェーデンに負けてしまった。でも、そこで勝ちきれないのが、今の実力だと思うんです。
すぐにパリ五輪のアジア2次予選がスタートしますが、あの悔しさが鮮明に残っているからこそ、もう一度世界の頂点に思いを馳せるところは大きいです。そのためには自分が成長しなきゃいけない。何が正解なのかは分からないですが、自分はもっと厳しい環境で戦いたいと考えて、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍を決めました。
アジア予選は決して簡単ではないです。体格や戦い方の似たチームが多い中での崩し方、勝つための最善策を試合中に見つけていく必要があります。個人的にはチームを勝たせるために“怖い選手”であり続けたい。しっかり自分自身と向き合って、成長して、パリ行きの第一関門を突破したいと思っています。
みやざわ・ひなた 1999年11月28日生まれ、神奈川県出身。160cm、48kg。抜群のスピードと鋭いドリブル突破でゴールを陥れるアタッカー。FIFA女子W杯では5ゴールで得点王に。
サッカー日本女子代表 パリ五輪アジア2次予選
10/26→19:00 vs インド
10/29→21:00 vs ウズベキスタン
11/1→19:00 vs ベトナム
開催場所:全試合、ウズベキスタン・タシケント。
※時間は日本時間
※『anan』2023年11月1日号より。写真・JFA 取材、文・青山知雄
(by anan編集部)