木村カエラ「いい引き寄せがあってできた曲ばかり」 楽しい気持ちが届く新アルバム

エンタメ
2022.12.11
約3年5か月ぶりの木村カエラさんのフルアルバム『MAGNETIC』が12月14日にリリースされる。タイトルは直訳すれば「磁気」。そのほかにも「人を惹きつける」という意味もある。
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「コロナ禍を経て、この3年ちょっとで人の意識ってすごく変わったなと思うんです。ニューノーマルじゃないですけど、『今までと違う視点で考え直さないと』と思うことがたくさんあって。みんな必要なものとそうじゃないもの、これは無駄だったよねとかやっぱりこれはいるよねって改めて考えたはずで。私自身もその取捨があって、たくさん引き離したり、逆に引き寄せたものがあった。なんかそれがすごく反発したりくっつき合ったりする磁石みたいだなって思ったんです」

その中でカエラさんがもっとも“引き寄せたい”と願った感情が“楽しむという気持ち”だったそう。

「だって全然ポジティブなニュースがなかったじゃないですか。だからこのアルバムでちゃんと励ましたいし、楽しい気持ちを届けたいと思ったんです。で、これはひとりではなかなかできないぞと思ってまず頭に浮かんだのがAIちゃん。AIちゃんと歌えば最強だ、と思いました」

タイトル曲の「MAGNETIC」はAIのラップがフックになったアフリカンビートとはじけるハンドクラップに踊りだしたくなるまさにマグネティックな一曲。

「二人でやることに意味があると説明して。そしたら“おチビに言われたらやるしかない!”ってAIちゃんがラップパートの歌詞を考えてくれて。私とAIちゃん、そんなに身長差ないんですけど、なぜか私おチビって呼ばれているんです(笑)」

カエラさんの“引き寄せパワー”はこの曲だけにとどまらない。ほかにも多様多彩なアーティストとの共作が目を引く。

「公園でいろんな人と遊んでいるみたいなアルバムにしたくて。近くにいる子や気になる子に“遊びに行こうよ”と声をかけた感じです」

以前から交流があったマヒトゥ・ザ・ピーポーやビルボード・ライブ・ツアーでサポートバンドを務めたSANABAGUN.のほか初タッグとなるiri、笹川真生(ささがわ・まお)、MONO NO AWAREの玉置周啓(たまおき・しゅうけい)など気鋭アーティストが参加する。オープンリール式テープレコーダーを「磁気民族楽器」と呼ぶOpen Reel Ensembleとの“磁気”つながりコラボも実現させた。

「それぞれいい引き寄せがあってできた曲ばかり。意識したわけではないけれどラップをやっている方が多くて。これまでの自分のスタイルとは違う歌い方や言葉選びがすごく勉強になりましたね。こういうのもありか! と思うことも多かった」

友達が変われば、遊び方も変わる。曲ごとに違う表情の変化を見せるカエラさんの歌声が新鮮で面白い。一方でアルバムの真ん中には、コラボではない自作曲がそっと2曲置かれているのも印象に残る。

「制作時期を考えると、やっぱり悲しみのあるところから生まれているから、ただただポジティブってことではないんですよね。それがちゃんと心の真ん中にあるのが大事かなって。アルバムの真ん中に置いたのもそういう意識があるからかもしれない。人生にはいいことも悪いこともあるもの。洗濯物を干したら雨が降ってきちゃうことだって全然ある。でも、今幸せなら洗濯物が濡れちゃっても、まあいいじゃんって。そういう日常の実感も共感してもらえたらうれしいです」

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12月14日リリースの11thアルバム『MAGNETIC』。tvk開局50周年ソング「Color Me feat.マヒトゥ・ザ・ピーポー」ほか全10曲収録。【初回限定盤(CD+Blu‐ray+ハグレティックマグネット)】¥5,390 【通常盤(CD)】¥3,300(ビクターエンタテインメント)

きむら・かえら 2004年、シングル『Level 42』でメジャーデビュー。以降、ポップアイコンとして多くの注目を集める。’22年は、有観客でのライブ活動も本格復帰。自身初となるビルボード・ライブ・ツアーを行ったほか、大阪・名古屋・横浜の3都市を回るZeppワンマンツアーも9月に成功させたばかり。

ジャケット¥59,400 スカート¥37,400(共にヴィヴィアン・ウエストウッド/ヴィヴィアン・ウエストウッド インフォメーション contact@viviennewestwood-tokyo.net) ブーツ¥62,700(ファビオ ルスコーニ/ファビオ ルスコーニ ルミネ有楽町店 TEL:03・6268・0538) その他はスタイリスト私物

※『anan』2022年12月14日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) スタイリスト・伊藤信子 ヘア&メイク・フジワラミホコ(LUCK HAIR) 取材、文・梅原加奈

(by anan編集部)

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