「音楽を身に纏うことで、私は強くなれるんです」と語る、シンガーソングライターのeillさん。14歳の時に、人生を変えた音楽体験をしたという。
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「映画『ドリームガールズ』でビヨンセが『Listen』を歌うのを見て、英語もよくわからないまま号泣しました。ソウルフルな歌が心に響いて、私の心を救ってくれたんです。この人は何でこんなに強くてカッコいいんだろう、って。今こうしてeillとして活動をする中で『どうしたらeillちゃんみたいに強くなれますか?』なんてお手紙をもらうこともあるけど、私も強くなりたいからこそ、曲を作って歌ってる。ビヨンセだって強さだけではないと思うし、それは自分が歌う立場になって初めてわかったこと。でも私のことをそんなふうに見てくれる人がいるなら、まだまだだけど、理想とするアーティスト像に近づいているのかなと思います」

メジャーファーストアルバム『PALETTE』にはSOUL/R&B/K‐POPをルーツに感性の赴くまま自由に音楽を生み出す彼女のエネルギーが詰まっている。自身の年齢を刻んだ「23」はオルタナティヴなギターとゴスペル調のコーラスワークを融合させ、「ただのギャル」ではクールなトラップに批判を蹴散らすようなラップを披露した。

「『ただのギャル』は20歳くらいの時に書いたんですけど。その頃はクラブで歌っていて、髪の色も明るく見た目がギャルっぽかったんです。『あんなギャルみたいな見た目で本当に自分で曲作ってんの?』みたいに言われたことがあって、めっちゃムカついてこの曲を書きました(笑)。でも私は好きなことを貫いて生きるのがギャルだと思っているので、どんな洋服を着てどんなメイクをしていてもマインドはギャルです!」

人生を切り拓いていくようなメッセージソングのみならず、切なすぎる片想いを綴った珠玉のバラード「いけないbaby」など、バリエーション豊かな一枚に仕上がった。

「これまでもひとつのパレットにいろんな色をのせるようにして、どれも違う色の曲を作ってきたなと思い、『PALETTE』というタイトルにしました。以前は『もっとジャンルを絞った方がいい』なんて言われて悩んだこともあったけど、いやマジでこれが私だから、これが最強だから! って感じです(笑)」

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アルバム『PALETTE』。全13曲収録。心地よいビートと感性豊かな歌詞を鮮やかに歌う。【CD】¥3,300 【CD+BD】¥4,500(ポニーキャニオン)

エイル 東京都出身。ブラックミュージックを下地にした音楽性と、甘さ/切なさ/艶感/力強さが共存した歌声で魅了するシンガーソングライター。2021年4月にTVアニメ『東京リベンジャーズ』のED主題歌に起用された「ここで息をして」でメジャーデビュー。
ジャケット¥17,380 シャツ¥15,180 パンツ¥15,180(以上ゴスペル/ザ・ウォール ショールーム TEL:03・5774・4001) その他はスタイリスト私物

※『anan』2022年2月16日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) 取材、文・上野三樹

(by anan編集部)

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いくら説明しても分かってもらえないので、実際に体験してもらうほうが早いと考える傾向がある日です。同じ経験をすることでの絆や共感――といえば柔らかく温かな印象すらありますが、実際には強引さや強情さが出やすい日ですので、無理筋なことを言ったりしたりするのは避けましょう。何事も穏やかに、素直に接して吉です。

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