穂志もえか「“駆け込み寺”みたいな人」 共演した若葉竜也の魅力を語る

エンタメ
2021.04.13
今泉力哉監督の新作『街の上で』が公開となる。下北沢に住む青年・青と彼をとりまく人々や出来事を描いた群像劇。そこで青の元恋人・雪を演じるのが穂志もえかさんだ。

実は日常って幸せにあふれてる。それをこの作品で感じてもらえたら。

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「撮影は一昨年の夏。当時は役柄を考えすぎて力んでいました」

と苦笑しながら振り返る。

「私と雪に共通点がないんです(笑)。浮気がバレて青を振る奔放な雪ですが、私にはそんな発想が全くなくって。でも青にとって雪は忘れられない女性。どうしたら魅力的に説得力を持って演じられるかと…」

そんな迷える穂志さんの支えになったのが、青役の若葉竜也さん。

「若葉さんは“駆け込み寺”みたいな人。普段はアイス片手にサンダル履きのガキ大将だけど(笑)、若葉さんのアドバイスはすごく心に響くんです。お芝居の技術がある方なので、共演してて安心感もあるし。…あれ、なんか“若葉竜也を語る会”になってる(笑)。でもそんな彼の魅力が詰まった一本になったと思います」

作品は全編下北沢ロケ。この街特有のモラトリアムな空気感や個性的な人物も物語の味わいを深めている。

「私にとって下北沢は、若い人が一度は夢中になる街という印象です。道が複雑で、一人だと目的地にたどり着けなくなるんですけど(笑)」

そう笑う穂志さんのかわいい不器用さは、雪の魅力とも重なる。

「上り坂の途中で自転車に乗る、という場面では自転車に乗れず、そのまま押して走り去りました(笑)。私が演じたことで雪も不器用な人になったけど、結果的にはそれがよかったのかな、なんか人間っぽくて」

街の上で人と人が出会い、喜んだり落ち込んだり。作品にあるのは、ありふれた“日常”。でもコロナ禍という非日常を経たいま、その情景は一層まぶしく私たちの目に映る。

「生産性のない会話とか沈黙とか、ムダと切り捨てられがちなことに人の幸せや愛おしさがある。今泉さんが撮りたかったのは、そういうことだと思うんです。だからこの作品を観て『ああ、日常って幸せにあふれてるんだ』って思い出してもらえたらうれしいですね」

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『街の上で』 今泉力哉監督の長編最新作。変わりゆく下北沢の街を舞台に紡がれる古着屋の青年・青と4人の女の子、そして街の人たちのゆるやかな日常。若葉竜也さんの映画初主演作としても注目。4月9日より全国公開予定。

ほし・もえか 1995年生まれ、千葉県出身。語学堪能な才女にして注目の若手女優。「ミスiD2016」グランプリを経てデビュー後、映画やドラマで活躍中。趣味は相撲観戦で、憧れは昭和の大女優、山田五十鈴さん。

ドレス¥62,500(シーバイクロエ/クロエ カスタマーリレーションズ TEL:03・4335・1750)

※『anan』2021年4月14日号より。写真・山口 明 スタイリスト・中根美和子 ヘア&メイク・北原 果 インタビュー、文・大澤千穂

(by anan編集部)

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