松重豊が「自分は子供だな」と思う瞬間 海外に行ったときに…!

エンタメ
2021.03.28
20代後半、芝居の稽古中に松重豊さんはある演出家から「色気のカケラもない」とダメ出しされた経験があるという。それ以降、「色気なんてなくてもいいやと思ってやってきました」と話す。

「日常の中で自分自身に有機肥料を与えて育てていかなきゃ」

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「色気のことはよくわからないけれど、努力して身に付くものじゃないと思うんです。ただ、年齢を重ねるとともに、身につけるものとか関わる人、仕事に関しても、どんなものが自分に合うのかというのがわかってきますよね。肌に合わない人だなとか、作品だなと思ったら近づかないようになるし。そうして自分が常に居心地のいい空間にいることができるようになると、自然と気持ちに余裕が生まれる。もしかしたらそれが、はたからは大人の安心感みたいなものに感じられるのかもしれませんね」

だからこそ日頃から意識しているのは「体が求めるものに正直にいたい」ということ。

「寝たい時には寝る、お腹がすいたら自分の体が欲しているものを食べる。ただ、もう暴飲暴食する歳じゃないんで、この季節だから菜の花が食べたいなと思ったら、どこでどういう形で口にするのが一番幸せかを考えます。そうやって、日常の中で自分自身に有機肥料を与えて育てていかなきゃいけないと思うんです。とくに、スクリーンや舞台という場は、役者をはじめとして届けている人自身が作品にモロに出てくるものなので、やっぱり素材は磨いておかないとと思うんですよね」

そう言いながら、「いまだに、お店で出されたものに、なんでもソースをかけたくなっちゃうんです。海外に行ってもソースやマヨネーズの味を欲してしまう自分は子供だなと思います」なんて告白も。理知的でありながら、どこかユーモアを感じさせる。俳優として人として譲れないものを伺うと、「逆に、どんな場面でもこれは譲れないということは作らないようにしている」との返答が。

「ただ、できるものはできるし、できないものはできない。そこはもう正直にいます。無理はしないようにしているんです(笑)」

まつしげ・ゆたか 1963年生まれ、福岡県出身。4月開始のドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK)に出演。今春、久米繊維とのコラボTシャツ〈mattige〉も発表。

ジャケット¥44,000 パンツ¥33,000(共にENGINEERD GARMENTS TEL:03・6419・1798) シャツ¥33,000(suzuki takayuki TEL:03・5846・9114) メガネ 参考商品(武田メガネ/武田メガネ 天神中央店 TEL:092・715・1188) サンダルはスタイリスト私物

※『anan』2021年3月31日号より。写真・笠井爾示(KATT) スタイリスト・増井芳江 ヘア&メイク・林 裕子 取材、文・望月リサ 撮影協力・AWABEES

(by anan編集部)

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