斎藤工が「色気」を感じる俳優は? 原田芳雄、ソン・ガンホ、ライアン・ゴズリング…

エンタメ
2021.03.26
斎藤工さんが心惹かれた俳優とその出演作品を紹介。解説を参考にしながら、色っぽさを堪能してみて。

強烈に色気を感じる俳優陣

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原田芳雄

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意思と役柄が結びついた無作為の色気。
出演映画本数が100本を超える、邦画界に愛された個性派俳優。

「芳雄さんは無作為の演技を追求した人。本人の意思と役柄が同調し、セリフを言わされていると感じる瞬間がほぼない。状況や共演者などすべてにリアクションし、役のアイデンティティを濃くする稀有な存在です。『出張』で見せた、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジョニー・デップを凌ぐキャラがカッコいい。芳雄さん的な色気を放つ人は今後もいないと思うし、それがまた魅力です」

©Kodansha/アフロ

ソン・ガンホ

Talent

日常と地続きの“おじさん”を体現。
『パラサイト 半地下の家族』や『殺人の追憶』などで知られる、今や世界のスターとなったソン・ガンホ。街にいる中年男性を演じたら、彼の右に出る者はいない。

「実際の彼はものすごくスマートですが、映画で見ると、においが伝わってきそうなほどにリアルです。そんなふうに、画面越しににおいを放てることも、色気と結実しています。彼の出演作品を見ていると胸に迫るものがあるのは、すぐそばにいそうなおじさんを見事に演じているからです」

©Charles Sykes/Invision/AP/アフロ

ハンフリー・ボガート『カサブランカ』(1942)

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残像を残す見事な立ち居振る舞い。
「君の瞳に乾杯」のセリフが有名な恋愛映画の金字塔。ボガートは昔の恋人と邂逅するリック役。

「舞台は第二次世界大戦中のモロッコ。常にコミュニケーションがとれる現代とは違い、相手がいない時に感じるその人の存在というものに、今以上に意識が向いた時代だと思うんです。ボガート演じるリックは、自分の残像や余韻が相手の中で続くような、言葉選びや立ち居振る舞いが本当に見事で、そこに色気が宿っている。彼の美学を感じずにいられません」

©Moviestore Collection/AFLO

ノーマン・リーダス『処刑人』(1999)

Talent

ポジショニングの巧さが色っぽい。
法で裁けない悪人を処罰する、スタイリッシュな兄弟の片割れを演じるノーマン・リーダス(左)。

「バディものなど誰かと対になる役を演じる時には、自分の色を出すのではなく、一枚の絵として完成させるために立ち位置を考えることが重要です。ノーマン・リーダスはそのバランス感覚が素晴らしく、色っぽさを感じました。ポジショニングの巧さは『ウォーキング・デッド』にも生きていて、群衆の中にいても色気が際立ち、誰もが彼に恋してしまいます」

©Shutterstock/アフロ

マッツ・ミケルセン『プッシャー』(1996)、『プッシャー2』(2004)

Talent

若い頃から“発酵菌”を持っていた人。
『007 カジノ・ロワイヤル』で主敵を演じ、その実力から“北欧の至宝”とも呼ばれるマッツ・ミケルセン(左)のデビュー作。

「今の彼は渋さの塊ですが、ある日突然、そうなったわけではないんですよね。この『プッシャー』に出演した時は30歳くらいですが、当初からめちゃくちゃセクシー。色気は、人が年輪を刻んだり発酵していくことで生まれるものですが、彼はもともと発酵菌みたいなものをちゃんと持っていて、成熟していったんだと思います」

©Everett Collection/アフロ

ヴィゴ・モーテンセン『イースタン・プロミス』(2007)

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人への言葉に醸し出される余裕の色気。
人身売買を描く『イースタン・プロミス』で、マフィアの運転手を演じたヴィゴ・モーテンセン。

「今作は、映画史に残る全裸でのファイトシーンなど彼の魅力があふれています。演技はもちろん、僕は、彼が断った『X-MEN』のウルヴァリンを演じることになったヒュー・ジャックマンへの言葉に色気を感じました。辞退の理由を述べながらも彼の演技を称賛。自分の言葉の届き方を理解し、配慮しながら伝える姿勢に大人の余裕があり、グッときました」

©Everett Collection/アフロ

ライアン・ゴズリング『ドライヴ』(2011)

Talent

情報を絞ることが魅力につながる。
『ラ・ラ・ランド』などの話題作に出演、今をときめく俳優の一人であるライアン・ゴズリング。

「『ドライヴ』では、純朴で多くを語らないドライバーを演じていますが、情報が少ない分、人間性が浮き立っている。そこに、寡黙で多くを説明しない高倉健さん同様の美学を見ました。話しすぎる人より、何を考えているかわからない人に色気を感じるように、演技においても情報を絞ることで魅力的に映ったり、印象に残るという現象は大いにあると思います」

©Everett Collection/アフロ

『ゾッキ』 愛と面白みにあふれた人間模様に注目。漫画家・大橋裕之の初期作品を、竹中直人×山田孝之×斎藤工が監督を務め実写映画化した話題作。松田龍平や鈴木福など豪華キャストが集結! ありふれた日常に巻き起こる、不思議な笑いに包まれるヒューマンコメディ。3/26~愛知県先行公開、4/2~全国公開。

さいとう・たくみ 1981年8月22日生まれ。東京都出身。俳優、映画監督、白黒写真家として活躍。主演映画『シン・ウルトラマン』をはじめ、公開作品が目白押し。移動映画館「Cinema bird」の主宰や「Mini Theater Park」の活動も。

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※『anan』2021年3月31日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・Yohei“Yoppy” Yoshida(juice) ヘア&メイク・くどうあき 取材、文・重信 綾

(by anan編集部)

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