古舘佑太郎の役作りを救った“女神”は? 銀杏BOYZの楽曲が映画に

エンタメ
2019.07.12
主人公のコウタは、中学時代に親友とともに“天の川の女神=あーちゃん”として崇めていた女の子・千日(ちか)に偶然再会し恋をする。奇しくもその日は親友の命日。舞い上がるも、不器用な彼は彼女の連絡先を聞けぬまま、年に1度同じ日に同じ場所で会うことを約束する。銀杏BOYZの楽曲をモチーフにした映画『いちごの唄』は、青春時代のきらめきと喜び、痛々しさと切なさとがギュッと詰まった作品だ。コウタを演じた古舘佑太郎さんは、「撮影中は、とにかくコウタにならなきゃってことに必死でした」と語る。
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「撮影前の監督とのリハでは、何度繰り返しても役が掴めなくて、コウタと絶交しかけたくらい。でも、あーちゃん役の石橋(静河)さんと本読みをした時、パッと抜ける瞬間があったんです。それまでは、コウタとして、どういうトーンでしゃべるかを脳で考えていたのが、石橋さんと合わせた時、自然と石橋さんに対して言いたい言葉を投げかけていて。それが気づいたらコウタになっていたんです。僕自身、銀杏BOYZが好きだったのもあって、いろんなことを意識して考えすぎていたんですけれど、彼女に対して思ったこと、思った気持ち、言葉でやれば、それが正解なんだなって」

そんなふうに生まれた作品だからなのか、コウタの不器用で冴えないけれどひたむきでピュアな優しさ、あーちゃんの陰を感じさせながらも清廉な雰囲気が強く心に残る。

「僕と石橋さん、撮影の間に一回も打ち合わせをしてなくて、カメラが回っていないところでも役の関係性とほぼ一緒だったんです。だからこの間、街で目にしたポスターに石橋さんがいて、あーちゃん以外の石橋さんもいるんだよなって思って、不思議な感覚になりました」

あがり症で緊張しい、それがコウタと古舘さんの共通項。ミュージシャンとしても活躍しているが、「ライブの時は、緊張を払いのけようとしてテンションが上がるのを利用してやっているんです」と笑う。「お芝居では緊張しちゃうんでよくないんですが、今回に関してだけ言えば、そういう部分をうまく役に使えたのかもしれません(笑)」

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『いちごの唄』 中学時代に憧れた千日(石橋)に東京で再会したコウタ(古舘)。以降、ふたりは年に1度だけ会っていたが…。監督/菅原伸太郎 原作/岡田惠和、峯田和伸 脚本/岡田惠和 音楽/銀杏BOYZ 全国公開中。©2019「いちごの唄」製作委員会

ふるたち・ゆうたろう 1991年4月5日生まれ。東京都出身。ロックバンド「2」のメンバーとして活動する傍ら、俳優としても活躍。近作にドラマ『ひよっこ』や映画『ナラタージュ』がある。

※『anan』2019年7月17日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・古川順一 ヘア&メイク・川島享子(共にFACTORY1994) インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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