Photo_Miho Kakuta, Mariko Tosa Stylist_Setsuko Todoroki Hair&Makeup_Eri Akamatsu Text_Asami Kumasaka, Dai Igarashi PR・NETFLIX
ままならない日々も愛おしくなる13の物語。
CMディレクターの小林雅仁監督のもと、映画『かもめ食堂』で知られる荻上直子さんが脚本を手がけ、カオルさんとのんきなリラックマたちが過ごす12か月を丁寧に描き出す。優しく、ちょっぴりビターな物語は、現代を生きる私たちの心にそっと寄り添ってくれる。制作を担当したのは、NHKのキャラクター「どーもくん」を生み出したドワーフスタジオ。卓越した技術で作り上げた情緒豊かな映像世界も見逃せない。さらに、女優の多部未華子さんがカオルさんの声を担当し、音楽はくるりの岸田繁さんが手がけることも話題に。リラックマのオリジナリティと新たな世界観が融合した珠玉の本作、Netflixでぜひ堪能して。
NETFLIXオリジナルシリーズ
リラックマとカオルさん
リラックマ初のシリーズ&ストップモーションアニメーション。1話11分×全13話が世界190か国で独占配信中。小林雅仁監督をはじめ、イギリスのパペットクリエイターやイタリアのキャラクターデザイナーなど、国内外の一流スタッフが集結して制作した。
Character [ 愉快な登場人物たち ]
左から…
豪華メンバーが集結。作品を支える面々に制作の裏側を取材。
豪華制作陣が参加していることでも話題の『リラックマとカオルさん』。脚本家、役者、監督、アーティスト、それぞれの想いに迫ります。
脚本家・荻上直子さんインタビュー
リアルで、ファンタジーな世界。初のアニメ脚本に込めた想いとは。
自分にとって、大切な
場所があれば大丈夫。
おぎがみ・なおこ 1972年、千葉県生まれ。『バーバー吉野』で映画監督・脚本家として劇場デビュー。代表作は『かもめ食堂』『めがね』『彼らが本気で編むときは、』など。
「アニメーション作品の脚本を担当するのは初めてでしたし、誰もが知っているリラックマが題材ということで非常に悩んだんです。ファンの方たちのなかにある“リラックマ像”を壊してしまったらどうしよう…って」
リラックマたちは一切喋らない。これは世界観を壊さないために最初に決めたことだった。そんな言葉を発さない彼らに代わって、セリフで物語を動かしていくのがOLのカオルさんだ。
「でも、カオルさんはカオルさんで悩ましいキャラクターで。原作で姿が描かれていない分、やはりみんなのなかにイメージができあがっているだろうな、と。じゃあ、みんなが想像するカオルさんってどんな人なんだろうと考えた時に、どこにでもいるOLさんで、日常の些細なことに悩んだり落ち込んだりするような子の姿が浮かんできたんです」
カオルさんが直面するのは、誰もが共感できる等身大の悩み。それは荻上さん自身の体験から導き出されたことだった。
「私は28歳まで学生をしていたので、当時、周囲の子たちから取り残されてしまうような不安を感じていたんです。気づけば、みんな働いているし、結婚もしてるし。なので、過去に経験した気持ちを織り交ぜていけば、自然とみんなが共感できるような物語になるんじゃないかと思いました」
「物語を作る前にプロデューサーと何度も話をして。そこで、『変化のない生活のなかでも、確実に変わっていくものはあるよね』という結論が出たんです。そして、それを作品のメッセージにしよう、と。生きているとあっという間に時間が過ぎていきます。そのなかでできるようになったこともあれば、逆にできなくなってしまうものもある。誰だって確実に変化しているはず。だから、周りと自分を比較して『変わっていない』と悩んでしまう子たちも、きっと成長していると思うし、カオルさんの姿を通してそれに気づいてもらえれば嬉しいですね」
好きなものをストレートに好きと表現するリラックマたち。彼らは実に素直に生きている。そんな様子を見て、カオルさんは本当に大切なものを見つけていく。その描写に、優しく背中を押される人たちは多いだろう。
「カオルさんには嫌な上司がいたり、ままならない毎日を送ったりもしていますけど、家に帰ればリラックマたちが待っていてくれる。それってすごく素敵なことですよね。そんなふうに自分にとっての“大切な居場所”があれば、たとえ外で嫌なことがあったとしても大丈夫なんだと思います。だから、この作品を観た方たちには、カオルさんにとってのリラックマのような存在を見つけてもらいたい。そして、とにかくかわいいリラックマを見て、『あぁ、かわいい!』って癒されてもらいたいです」
カオルさん役・多部未華子さんインタビュー
笑って、泣いて、恋をして…。リラックマとカオルさんの優しい関係。
リラックマたちとの
距離感を大切にしました。
たべ・みかこ 1989年1月25日生まれ、東京都出身。2002年にテレビドラマデビューし、以降、数多くの作品で主演を務める。2019年秋には映画『アイネクライネナハトムジーク』も公開予定。
「もちろん、リラックマの存在自体は知っていましたが、その世界観についてはあまり知らなかったです。今回オファーを受けて、改めて調べてみると、とてもシュールで面白いなと思いました。それがアニメになったらどうなるんだろうとワクワクしました」
原作では、「リラックマと一緒に暮らしているOL」という設定があるだけで、カオルさんの姿ははっきりと描かれていない。こうして我々の前に現れるのは、本作が初めてだ。そこでプレッシャーを感じることはあったのだろうか。
「カオルさんを演じることに対するプレッシャーは感じませんでした。むしろ、脚本がとても面白いものだったので、とても楽しみながら挑戦ができました。ただ、女優のお仕事とは違って、声だけのお仕事というものに苦手意識があるんです。ブースに入ってひとりで収録をするという行為に慣れていなくて、うまくできるかな…という不安はありましたね」
けれど完成した作品を観るとそんな不安など微塵も感じさせない演技。カオルさんとリラックマたちのやり取りが自然で、観ているとその世界に引き込まれてしまう。
「そんなふうに感じていただけると、ホッとします。収録の時は、リラックマたちとの距離感を大切にしました。狭いアパートのなか、目の前にリラックマがいるということを想像して、声のボリュームやトーンに気をつけました。演じるというよりも、普通に話すことを心がけたんです」
「印象に残っているのは、第1話。大人になって一緒に遊べる友達が減っていくなかで、まるで自分自身が取り残されてしまうかのような感覚に襲われるカオルさんの気持ちには、すごく共感できました。私の周りでも結婚をしている人たちがいるのですが、そうなるとやはり気軽には誘えなくなってしまいますよね。旦那さんもいるから無理に誘ったら悪いかな、なんて遠慮をしたりして。そういう感覚をリアルに描いている作品なので、特にカオルさんと同世代の方たちには響くと思います」
まるで現代を写し取っているかのような本作。そこに込められたメッセージが胸に迫るのは、「ストップモーションという手法で撮影されているから」と多部さんも太鼓判を押す。
「いわゆる普通のアニメではないですし、実写でもない。人形を使って撮影をする手法を採用しているからこそ、ファンタジーなんだけれどリアリティもあって、感情移入ができるんだと思います。だから、描かれているひとつひとつのエピソードが際立つんじゃないかな、と。でも、決して押し付けがましくないんですよね。温かいメッセージが込められているんだけれど、お説教じみていないので、『うんうん、わかる』と思いながら観て、『さ、寝よっと』って思える感じ(笑)」
多部さんの言うように、本作は寝る前ののんびりした時間にゆるゆると観たい作品だ。
「お仕事で疲れて帰ってきた日の夜、ベッドに入る前に1話ずつリラックスしながら観てもらえたら、きっと疲れも取れるのではないかなと思います」
小林雅仁監督インタビュー
制作現場に特別潜入! ストップモーション技術の妙。
説明しすぎないことを
心がけて撮影したんです。
こばやし・まさひと 1972年、栃木県生まれ。大手企業のCM演出を多数手がけ、2017年、「どーもくん」のコマ撮りアニメ『DOMO!WORLD』の演出を担当したことで話題に。
「事前に原作者であるコンドウアキさんやサンエックスチームの方々と、カオルさんの性格付けやリラックマたちの動きについて何度もすり合わせをしました。映像に落とし込んだ際、違和感が生じないよう注意して進めたんです」
リラックマたちは言葉を発しないものの、目の動きや仕草から、いま何を考えているのか、カオルさんに何を訴えかけているのかがはっきり伝わってくる。
「そこは非常に苦労した部分だったんです。彼らにはセリフがないので、『目線で会話させること』を意識的に盛り込んでいきました。目線が合っているのか、あるいはそらしているのか。つぶらな瞳の微妙な動きを計算しながら、喋らずとも喋っているような感じを出したかったんです」
「CGなどに比べて、キャラクターが動きすぎないので隙がある感じがするんですよね。だからこそ、観ている人が想像力を働かせながら楽しむことができるんです。リラックマたちが言葉を発しないことにも通じますが、本作では『あまり説明しすぎない』ように心がけていて、そういう意味では、ストップモーションはうってつけの表現方法だったと思います」
説明されていない部分を想像しながら、能動的に楽しむ。本作は繰り返し観ることで、そのたびに新しい発見があるだろう。
「とはいえ、まずは何も考えずにのんびり観てもらいたいんです。仕事で疲れて帰ってきた日に、リラックマみたいにだんごでも食べながらダラダラと観て、日々のストレスも『ま、いっか』ってなるのが理想。リラックマの魅力ってそこだと思うんですよね。いつもダラダラしているリラックマを見ていると、モヤモヤを抱えていたり落ち込んだりしていても、『このままでいいのかな』って思える。リラックマたちは決して言葉にしないけれど、その仕草でぼくらを励ましてくれるんです」
音楽担当・岸田繁さんインタビュー
『リラックマとカオルさん』がさらに楽しく。物語を包み込む、サウンドの秘密。
下手くそに聞こえる
音楽を目指しました。
きしだ・しげる 1976年4月27日生まれ、京都府出身。バンド「くるり」のボーカリスト兼ギタリストとして、1998年メジャーデビュー。ソロ活動も精力的で、京都精華大学の特任教授も務める。
「オファーをいただけて光栄でした。スタッフさんたちも熱のこもった方々ばかりだったので、いい温度感を作品に持ち込んで、うまくハマればいいなと思いました」
岸田さんが話すように、作品の持つ魅力と音楽は見事にマッチしており、観る者の心を和ませてくれる。なかでも印象的なのが、主題歌「SAMPO」。〈じたばたしたってどうにもならないの〉〈3歩歩いて2歩下がる〉など、歌詞にはそっと背中を押してくれるようなフレーズが並ぶ。
「人を応援する時に、『頑張れ!』って押し付けるのはやめようっていうムードが社会全体に流れていますよね。スパルタ的なことをしなくても、わかっているというか。だから、押し付けがましいメッセージは入れないように意識したんです。主人公であるカオルさんもリラックマたちに何を言われるでもなく、自分自身でいろんなことに気づいていく。そんな彼女を応援してあげるようなつもりで作ったんです」
「SAMPO」には、〈ねぇ 教えてリラックマ〉という印象的なフレーズも。肩の力が程よく抜けたような岸田さんのボーカルと相まって、とても心地よく耳になじむ。
「曲の制作にあたって、特別なにか細かいオーダーがあったわけじゃないんです。でも、カオルさんの気持ちを想像してみたら、きっと〈ねぇ 教えてリラックマ〉って思うだろうな、と。彼らは喋らないんですけどね(笑)」
制作期間中は脚本や絵コンテに目を通し、その世界観にどっぷり浸かった。リラックマたちとカオルさんとのやりとりを想像しながら、主題歌をはじめとする作中の音楽を生み出していったという。
「音楽の作り方にもいろいろあるんですけど、映像に合わせていく作業はとにかく楽しかったですね。先に映像があるのは、すでに塗り絵の枠が用意されているようなイメージで、あとは色を落とし込んでいくだけ。何もない状態でいちから作り上げていくよりも、はるかに楽なんです」
とはいえ、盆踊りのシーンやリラックマたちがハワイへ飛ぶエピソードなど、本作ではさまざまな展開が見られるため、それらに合わせた音楽制作というのは、岸田さんにとってもチャレンジングだったそう。
「なかでも一番苦労したのは、リラックマたちがハワイアンダンスをするシーンの音楽ですね。ハワイアンミュージックを今までちゃんと聴いたことがなかったので引き出しもなくて、『これはやばいな』と。慌ててウクレレの音を流してみて、そこから探っていったんです。でも、そのおかげで、またひとつ音楽的な経験値が得られたとも思いますね」
また、作品に合わせた遊び心も忍ばせている。
「敢えて音をズラしたり下手くそに聞こえるようにしたりと、雑に作っている部分もあるんです。作品の世界観を考えると、きっちり作り込みすぎるのはなんか違う気がして。音楽が物語を不必要に変えてしまうこともあるので、そこは注意しました。今っていろんな音楽がありますけど、必要以上に完璧なものが多いと思うんです。特にデジタルで制作すると、どうしても音が揃いすぎてしまう。でも、リラックマやカオルさんをより魅力的に見せるためには、完璧じゃない音楽のほうがいいと思って。誰も気がつかないかもしれないですけど、無意識で『なんかこの音楽いいね』って感じてもらえたら嬉しいですね。ただ、基本的には、ぼんやり聴いてくれればそれでいいかなって(笑)」
このたび岸田さんが制作した劇中音楽は、『リラックマとカオルさん オリジナル・サウンドトラック』として配信リリースもされている。忙しい現代人を、きっとゆるく包み込んでくれるはずだ。
NETFLIXオリジナルシリーズ「リラックマとカオルさん」視聴はこちらから
http://www.netflix.com/rilakkumaandkaoru
リラックマとカオルさん特設サイト
http://www.san-x.co.jp/rilakkuma/rilakkuma_and_kaoru/
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