バンドは弱火でじっくりやれば長く続けられるんです。
「今年メンバーが揃って33才になるんです。『23才の~』には33才になっちまうさ、という歌詞があったんですが、この10年は早かったですね。人間て成長しながらも劣化していく、ということが確実にあると思うけど、そんなことも普通に歌詞に出ています。でもネガティブさだけでもない。このアルバムは両面があると思う」(の子)
「以前のの子の歌詞は、子供の頃のこととか、昔のことしか歌ってなかったんですよ。でもこのアルバムは、この先のことも歌詞にしているので、ずいぶん変わったなと思いました」(ちばぎん)
「ネタ切れということもある(笑)。今になって分かることもあるし、今ぶち当たっていることや葛藤を歌詞にしているからね」(の子)
「10周年のタイミングで、こんないい曲が出てくるなんて、の子さんの才能は枯れてないなーって。実は5年前からあたためていたかもしれないけど(笑)、それぐらいいい曲、素敵なメロディです」(みさこ)
結成以来、常に「解散するのでは」という危機感を抱えていたバンドだと言う。しかしアルバムを発表する度に、新しいサウンドを提示し、尽きることのない衝動を見せ続けている。彼らのロックンロールは、まだまだ鳴りやまないのだ。
「本当に10年間、いろんなことがあって、人間的にも成長していると思う。の子がいちばん変わったのかな。昔は唯我独尊というか周りは何も関係ない感じだったけど、今は多少僕らを見てくれるようになったので、心地いいんですよね」(ちばぎん)
「昔は歌詞もサウンドも一切触れてくれるな、というオーラが出てたから、メンバーはの子がやりたいことを形にしていたけど、今は4人でいいものを作ろうという気持ちが高まっていると思う」(mono)
「の子さんから渡されたデモテープを基に、バンドでやってみようとなって録音すると、あれこんなにいい曲だったのかと、再認識することがすごく多くなってきた気がします。10年一緒にやってると、単純に演奏がうまくなっただけでなく、バンドサウンドに謎のグルーヴが生まれている感覚がすごいある」(みさこ)
「まぁ、歌詞はパーソナルなものなので、そこを突っ込まれてもうるせーよ、ということですよ。逆にメンバーのパーソナルなことは僕も分からない。酒飲んで心から語り合おうというバンドじゃないし、そういうことすると解散するとマジで思っている。バンドは弱火でじっくりやるのが、いちばんいいし、長く続くってことでしょう」(の子)
昨年、大ヒットアニメ『進撃の巨人Season2』のエンディング曲を担当したことに続き、今年は映画『恋は雨上がりのように』の主題歌に、彼らの代表曲「フロントメモリー」のカバーバージョンが使用された。の子さんは「恋愛映画にかまってちゃんだとイメージが悪いので、カバーになったのではないか」と自虐気味に話すが、もともと原作に彼らの楽曲が登場し、原作者のたっての希望で採用。の子&monoさんはこの映画の劇伴にも曲を提供している。
「10年間の時を経て、かまってちゃんファンが権力を持ち始めたんだね(笑)」(ちばぎん)
「そうそう、監督さんや原作者の方が、関係者の事情をかき分けて、主題歌はかまってちゃんがいいと説得してくれたんだろうね。才能のある方々に愛されるバンドということは、うれしいことですよ」(の子)
9th Album『ツン×デレ』¥2,900 先行配信リリースされた「秋空サイダーfeat.たかはしほのか」や「33才の夏休み」など10曲を収録。(unBORDE/WARNER MUSIC JAPAN)
しんせいかまってちゃん みさこ(D)、mono(Key)、の子(V&G)、ちばぎん(B)。2010年『友だちを殺してまで。』でCDデビュー。8/18から「33才の夏休みツアー」後半がスタート。
※『anan』2018年7月11日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) 文・北條尚子
(by anan編集部)
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