
9/10スタートのドラマ『付き合ってあげてもいいかな』。人気漫画の実写化として放送前から話題を呼んでいた本作は、同性が好きという共通点からノリと勢いで付き合い始めた冴子とみわの揺れ動く関係性を描いた作品。W主演を務めている鞘師里保さんと小西桜子さんをお迎えし、作品やふたりの関係性についてたっぷり語っていただきました。
※「鞘」は、システム上の都合により正式な表記とは異なります。
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鞘師さんのまっすぐな姿勢に助けられました。(小西)

── 小西さんと鞘師さんは本作が初共演だそうですが、初めて会った時の印象をお聞かせください。
鞘師 お互いに人見知りそうだなと思いました(笑)。初めてお会いしたのは楽器練習を始めた日で、私が「ベースやったことありますか?」と話を持ちかけたのが初の会話だった気が。当初は“どんな方なんだろう?”と未知なイメージがあったけれど、撮影が進む中で、言葉選びが面白かったり、いろんなものに興味を持ってチャレンジしていたり、「こういう気分の時にはこの曲が合うかも」と提案してくれたりする一面が見えてきて。話題が尽きないし、掘れば掘るだけいろんなお話が聞けるんだろうなという引き出しの多さを感じます。
小西 最初の頃は鞘師さんに冴子のイメージを重ねていたんですが、お話をしていくうちに違う部分もあるなとも思ったんです。でも、いつも見ている顔と内面とのギャップみたいなものをふとした瞬間に感じることがあって、そこが冴子と重なる部分だなとも感じていました。これまでの経験が奥行きにも繋がっているんだろうなと感じましたし、ものすごくまっすぐな方という印象がありますね。
鞘師 恥ずかしいです(笑)。冴子の“元気でいよう!”というテンション感は自分と唯一遠いところだと思っていたんですが、時間が経てば経つほどに自分の中にもそういった部分がまた違う形で存在していることに気付く瞬間が出てきて。“自分とは違うから、頑張って役作りしなきゃ”と思っていたけれど、そうじゃないところで冴子と繋がっていく感覚が途中からありました。
── 冴子とみわは、気持ちのかけ違いがありながらも相手や自分に対する理解を深めようとします。それと同じように、おふたりの関係性の深まりが演じる役柄に反映された部分もあったのでしょうか?
鞘師 まさにそうだと思います。この作品って、冴子とみわが仲良くなっていく部分と、それでもずっと何かがかけ違っている部分が同時進行していくお話だと思うんです。それは自分と役柄との繋がりにも言えるし、私と小西さんもお互いに知っている部分とまだ知らない部分がある状態がいろんな段階で続いているのが、物語とかなりシンクロしているような感じはありました。
小西 そうですね。冴子とみわはすごく仲が良いですし、物理的な距離も近いけれど、すべてにおいて心が通じ合っているということではと思うんです。私と鞘師さんが初共演の間柄だからこそ、そういうリアルさみたいなものも出せるんじゃないかなと思いました。
── みわと冴子の関係性に対して、素敵だなと感じる部分はありますか?
鞘師 お互いに対して真摯に向き合って、相手から学ぼうとしているところ。うまくいかずにすれ違っちゃったりもするけれど、自分にない部分の良さや尊敬するところを見つけていこうとする姿勢はふたりの素敵なところなのかなと思います。
小西 私も本当にそう思います。相手と向き合うことで、自分とも向き合わざるを得ないのではないかなと。その時に、出会ったことの素晴らしさを感じられる関係性は素敵ですよね。
── 相手役がお互いでよかったと感じる点があればお聞かせください。
鞘師 私はどちらかというと、言葉にするよりも自分の感覚でとらえたものを行動で表すほうを選ぶことが多いんです。小西さんはその部分を言葉で咀嚼できるように誘導してくれた感覚があって。みわから見た冴子の姿を知ることで想像の幅が広がる場面も多かったので、すごくありがたいなと思いました。
小西 とんでもないです。鞘師さんはどのシーンもまっすぐに演じられていたので、私も感情を引き出していただきました。冴子とみわを演じる上で心の距離はすごく大事だと思うので、そのピュアさに本当に助けていただきました。
言葉にできないコミュニケーションも、冴子とみわにとって重要な要素に。(鞘師)

── 先ほど鞘師さんが小西さんからおすすめされた曲があるとお話しされていましたが、どの曲だったのでしょうか?
小西 こぶしファクトリーさんの『開き直っちゃえ!』だと思います。
鞘師 ハロプロの後輩の曲だったのに、私はその曲のことは知らなかったんです。小西さんが、「失礼ながら、これは鞘師ちゃんにめっちゃ合うと思う!」と言って教えてくれて…。
小西 勝手ながら、「あなたのその責任感 見てる人は見てます」とか「必死に頑張って来たんだし 自分で自分を褒めちゃえ!」っていう歌詞の全てが本当にピッタリだと思ったんです!
鞘師 あまりにまっすぐな曲だったから、心をこじ開けられたというか…(笑)。言葉にできないコミュニケーションの部分も冴子とみわの関係においては重要な要素だと思うのですが、小西さんが言ってくれた「型で演じるのではなく、本当にピュアに向き合うことができた」というのは、そういった心のやりとりの時間を持てたことも大きい気がします。
── 作品内では音楽も重要な要素のひとつですが、気持ちを高めるために聴いた曲はありますか?
小西 実は、以前から作品をイメージしたプレイリストを自分で作ったりもしていたんです。今回はラブストーリーということもあって、恋愛系の曲を聴くことが多かったですね。あとは、劇中に出てくる曲もよく聴いていました。とある曲を演奏するシーンがあるのですが、今回改めて聴いたら、歌詞の内容がみわと冴子の関係に重なって泣けてきてしまって…。これまでも聴いていた曲なのに新しい発見もあって、音楽の存在にすごく助けられました。
鞘師 私も! その曲を演奏しているライブシーンは、冴子が歌詞にふたりの関係性を重ねて感情をぶつける場面でもあるんです。それもあって、歌詞と繋がる自分の感情を考えながらすごく聴いてましたね。
小西 みわとしての気持ちを高めるためという意味では、あのちゃんの曲を聴いてました。不器用だけどむき出しのピュアさがある感じがしていて、私が思うみわ像とどこか重なる部分がある気がします。
── お芝居以外のことで、おふたりでやってみたいことはありますか?
小西 一緒に山登りとかしてみたいですね。3つの山を登って3つの神社にお参りする1泊2日のコースに挑戦したことがあるんです。その時は友達と参加したのですが、大変な行程を一緒に乗り越えたことで絆が深まった感じがして。鞘師さんとも一緒にできたら楽しそうだなって。
鞘師 山登り!? ドラマの中で冴子とみわは海に遊びに行くんですが、たしかに私たちは海より山派かも。山の中で滝行とかしたいですね。あとは、ふたりともこの作品のためにギターとベースを始めたから、作品に出てこない曲も1曲くらいセッションしてみたいです。
小西 それも楽しそう! あとこれは完全に夢ですけど、鞘師さんは海外にも慣れているから一緒に旅行とかできたらいいな。
── 実現することを祈っています! 最後に、ドラマの見どころをお聞かせください。
鞘師 誰かと親密な関係を築こうとする時の幸せな瞬間とか、幸せなだけではない現実的な心の揺れ動き。そういったものが色濃く鮮やかに描かれている作品になったと思うので、ぜひ心に染み込ませながら見ていただきたいなと思います。漫画としてすごく愛されている作品ですが、映像で表現できる部分や原作と変わっている部分も楽しんでもらいながら、冴子とみわの関係性を追いかけてもらえたら嬉しいです。
小西 あとは、バンドのライブシーンも見どころのひとつだと思います。クランクイン前からバンドメンバーのみんなで練習をして、監督からは「本当にライブができるくらい演奏できているよ」とお褒めの言葉をいただきました。熱量が高いシーンになっていると思うので、そこもぜひ注目していただけたら嬉しいです。
鞘師里保さんソロインタビュー

「原作ではふたりの関係性や感情の機微がかなり繊細に描かれているので、それを8話で描くのはすごく大変だろうなと思っていました。でも実際に仕上がった脚本を読んだら、大切な部分を守りながらドラマとしていい形で届けることができるようにいろいろな方が尽力されたことが伝わってきて。だからこそ、“私の体にどう投影していけば、原作の冴子という人間を伝えることができるんだろう…”というハードルの高さも感じました。ただ、キャストが発表された時に原作ファンの皆さんが『冴子とみわのイメージにピッタリ!』と言ってくださって。それで少し安心しましたね。
原作は国内外で人気の作品なのでいろいろな反響があるのですが、なかでも印象的なのは外ロケの時に声をかけてくれた方のこと。『私、レズビアンなんです。彼女と一緒にドラマを見るのを楽しみにしてます』と言ってくれたことがすごく嬉しくて。私自身は初挑戦の部分も多かったのですが、その言葉を聞いて受け入れてもらえたような気持ちになれたんです。安心して挑もうと思えた、大きなきっかけのひとつだったなと思います。
実は脚本を最初に読んだ時の印象だと、私は冴子よりもみわに近い人間なのかなと感じたんですよね。ただ、何度も読み返していくうちに“私は冴子だ!”と確信が深まっていきました。冴子のように元気なタイプではないけれど、“この場に調和して生きていくにはどういう振る舞いをするのが正しいんだろう”と考えがちなところがまさに一緒。いいところだとは思うんですが、それが過剰になると自分の考えと行動が乖離していく瞬間があって。そういう危うさが冴子と重なるなと。冴子は悲しみとか苛立ちといった感情が湧いた時に、明るく振る舞ったりヘラヘラすることでどうにかその場をポジティブに収めようとする意識をすごく感じるんです。そういった場面は演じるのがちょっと辛かったですね」
冴子の感情に集中するために、本番前は気持ちを作る時間を大切にしていたそう。
「自分のコンサートでも、本番前に何もしない時間を設けるのは私にとってすごく重要なこと。焦ってステージに立つのが嫌なので、18時開演のライブでも朝8時に会場に入ったり…。最近はだいぶ減ったけれど、そのくらい本番前の時間を大事にするタイプなんです。
今回、ドラマのエンディングテーマを担当させていただいたんです。『幸福失格』というタイトルの楽曲で、“人と深い関係を築こうとする中で炙り出される自分の醜い部分が、せっかくの関係性を壊してしまう。なぜ幸せになれないんだろう”という気持ちを歌っています。私もそうなのですが、冴子は自分を責めて自らに刃を向けてしまうタイプ。その性格が歌詞にもすごく表れていると思います。歌う際は技術的なところも大事なのですが、その技術を一回手放すことを意識してみたんです。“冴子はどんな声で話しているんだろう”という部分をイメージしながら歌いました」
俳優としてもアーティストとしても、冴子という役柄に真摯に向き合った鞘師さん。撮影を終えた今、感じていることは?
「チーム一丸となって撮影に取り組んだ1か月でした。決して長い時間ではないけれど、役柄や関係性について掘り下げることに集中して過ごした時間だったんですよね。なので、やり切ったという気持ちはあるのと同時に、全て終わってしまったことがすごく寂しくて…。世界配信もされているので、できるだけたくさんの方にこの作品が届いてほしいなと思っています」
小西桜子さんソロインタビュー

「最初にこのお話を頂いた時は、たくさんのファンの方がいる作品なので、やはり緊張感がありました。でも、原作と脚本を読み進めると、恋愛模様だけではなく、生きていたら向き合わざるを得ない人間らしい感情がたくさん描かれていて、この作品を自分が演じさせていただけることが嬉しいなとも思いました。
みわは内面的にうぶでまっすぐすぎるがゆえに、ちょっとした出来事でもダメージを受けてしまっている印象がありました。私自身も似た部分があり、そういった部分をずっと直そうとしてきたんです。でも、その部分も含めて魅力だと思うので、自分のこともどこか肯定してもらえたような気持ちになれたんです。私はいろんなことがうまくこなせるほうではないですが、許容できなかった自分らしさも受け入れることができて、とてもいい出会いだったと思います」
みわというキャラクターを演じるにあたって、意識したことがあるという。
「人の気持ちをグッと持っていく吸引力のある子なので、不安もありました。原作を教科書のように毎日読み返しながら撮影に挑んでいたのですが、監督から『演じるのは小西さんだから、自信を持って演じてください』と言っていただいて。監督やプロデューサー、キャスト、スタッフのみなさんと、キャラクターについてたくさんお話しして感情の導線が段取りっぽくならないようにしていました。
冴子とみわの関係性に関しては、鞘師さんとの関係性とリンクしていると感じた部分もあります。初共演の私たちならではの“初めまして”の感じが逆にしっくりくる部分もあると感じました。その上で、バンド練習を一緒にしたり、合間に食事に行ったりと、ふたりの時間も過ごすことができたおかげで、関係性を作ることができたんじゃないかなと思います」
鞘師さんは当初みわと自分を重ね合わせたと語っていたが、逆に小西さんは冴子の中に自分との共通点を見出したのだそう。
「自分の本心が出せず、強く振る舞ってしまったりするような部分が、似ているなと思いました。そう考えると、もしかしたら、みんな両方の要素を持っているのかもしれませんね。きっと、“最初はこちらに共感したけど、だんだんふたりの気持ちに共感してきた”という方もいらっしゃるのではないかと思います。どちらかを“悪い”と否定しないところがすごくリアルですよね。
軽いノリで付き合って、その先にどんどん向き合わざるを得ないような壁があって…というように、綺麗なだけではない部分も描かれていて、お芝居をしているなかで、思いもしなかった感情が生まれたこともありました。ぜひたくさんの方に、見届けていただけたら嬉しいです」
Profile
鞘師里保
さやし・りほ 1998年5月28日生まれ、広島県出身。2010年に舞台デビューし、翌年モーニング娘。に加入。'15年のグループ卒業後はニューヨーク留学を経てダンサーとしても活躍。’20年よりソロ活動を本格始動し、俳優業も行う。
小西桜子
こにし・さくらこ 1998年3月29日生まれ、埼玉県出身。映画『初恋」のヒロインに抜擢され、カンヌ国際映画祭に参加。近年の出演作に、ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』など。出演映画『2126年、海の星をさがして』が11月13日公開。
Information
ドラマ特区『付き合ってあげてもいいかな』
モテ女子のみわ(小西桜子)と、オープンな性格の冴子(鞘師里保)。同性が恋愛の対象だったことから交際を開始したふたりの心の揺れを描く。
MBS 9/10より毎週木曜 24:59~放送開始 ※初回は25:04〜
テレビ神奈川 9/10より毎週木曜 23:30~放送開始
チバテレ 9/11より毎週金曜 23:00~放送開始
テレ玉 9/16より毎週水曜 24:30~放送開始
とちテレ 9/17より毎週木曜 23:30~放送開始
群馬テレビ 9/17より毎週木曜 24:00~放送開始
公式SNS X:@tsukikana_mbs/Instagram: @tsukikana_mbs
公式HP https://www.mbs.jp/tsukikana/
配信
TVer 見逃し配信
FOD 見放題独占配信
GagaOOLala 全世界配信決定(日本、韓国を除く)
friDay 台湾配信
Heavenly 韓国配信































