旧東ドイツ紙幣。盗んでからが大勝負。映画『ハルバーシュタットの埋蔵金』

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映画ライター杉谷伸子と謎の美女B子によるお気楽映画評論ユニット・お杉とB子が今注目の映画について語る連載「お杉とB子のMOVIE TALK」。今回のお題は、9月4日から全国公開の映画『ハルバーシュタットの埋蔵金』です。


統一後に国の欺瞞に気づいて愕然!

お杉

東西統一を目前に控えた旧東ドイツで実際に起きた紙幣盗難事件を基にしたヒューマン・コメディよ。政府はまもなく価値を失う膨大な東ドイツマルク紙幣を、ハルバーシュタットの地下坑道に廃棄したんですって。でも、そこから大量の札束が消えていたことが判明。その“真相”を大胆な想像力で描いてる(笑)。

B子

主人公はマーレンとローベルト夫妻。夫妻と友人フォルカーは、謎の輸送車に興味を持つ。輸送車が向かう地下坑道でローベルトの叔父マルコフスキが働いていたから、確認しに行っちゃうわけ。

お杉

見つけた大量の紙幣を放っておくわけないよね。危険を冒して盗み出すものの、現実には問題がいっぱい。東の紙幣を西ドイツマルクに交換するには期限があるの。さらに一般人が大量に交換すると、“犯行”がバレちゃう。それを彼らがどう解決していくか。どこか達観している感のあるマルコフスキのおかげで、道がひらけていくのがカッチョいい。

B子

電気製品を訪問販売する西側のセールスマンや政策転換で地位を失う外交官が鍵となる。マーレン夫婦がアパートの住民全員を巻き込む大作戦を敢行するくだりがほのぼのとしていて、クスッとなるよ。

お杉

普通、仲間が増えると犯罪ってバレるでしょ? ヒヤヒヤしちゃったけど、そうならないのは住民たちがみんな旧政府への不満を抱いているから。そして、彼らの行動は、結局、いろんな制度が特権階級の利益のために作られていることを明らかにするの。おおっ、意外と骨太!

B子

コメディは、政治批判に向いてるもん。ザンドラ・ヒュラーはじめ、出演者の大半が東ドイツ出身で、当時の苦い思い出があるのかも。

お杉

きっと、監督のこだわりよね。説得力が違う。それでいて、ラストは驚きに満ちている。お楽しみに♪

information

 『ハルバーシュタットの埋蔵金』

監督・脚本/ナーチャ・ブルンクホルスト 出演/ザンドラ・ヒュラー、マックス・リーメルト、ロナルト・ツェアフェルトほか 9月4日より新宿ピカデリーほか全国公開。

Profile

お杉とB子

著名な篆刻家の息子が、母の死の真相を探る『顔 -かお-』(8月28日公開)。女性の生きづらさも見つめた社会派サスペンスよ。(お杉)

人気小説を映像化した『ラスト・サバイバー』(8月28日公開)で、ジェイコブ・エロルディがアクションに挑戦。次は007役?(B子)

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イラスト・いいあい

anan 2509号(2026年8月26日発売)より
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No.2509掲載

シェアライフ 2026

2026年08月26日発売

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