老廃物除去と保湿習慣で、爪のエイジングは防げる。
「まず知ってほしいのが、肌や髪と同じように、爪も日々代謝しているということ。毎日顔を洗っても古い角質が溜まるように、爪の表面や周りにも少しずつ老廃物が溜まっていきます。それを取り除かないと、ツヤを失い、色はくすみ、輪郭が曖昧になり、与えた保湿成分もはじいてしまう。だから月に1度は爪まわりの断捨離を」。
そして、爪の栄養不足や乾燥を自覚していない人も多いそう。「爪が割れやすい、色が悪い、縦じわや凹凸がある。その原因は、ほぼ栄養不良と潤い不足なのですが、リムーバーやマニキュアを犯人と思いがち。爪は体の末端で血液が届きにくく体内の栄養状態が直結するので、こまめなマッサージで血流を促して。さらに一日に何度も手を洗う今、爪の乾燥もマックスに。水に濡れるたびに、親和性の高いオイルを染み込ませてください。それだけで爪の色ツヤが変わり割れにくくなるから。指先が明るくピカピカ輝いていると、手の表情も美しく見えます」。保湿が完璧なら、伸びた爪にも透明感が生まれる。天然のフレンチネイルを目指して本気のケアを。
【BEAUTY POINT】
(1)偏食は二枚爪に直結。バランスよく栄養を。
20代にも多い薄い爪や二枚爪。その原因は偏食による栄養不良。強い爪には鉄分、タンパク質、ミネラルは必須。貧血にも注意。
(2)1シーズンに1回はサロンで土台作りを。
取り去るセルフケアは攻めすぎて失敗することも。定期的にサロンでリセットして正解を学んで。ケアだけなら4000円前後。
(3)ハンドクリームで温パックの裏技あり。
シンクで食器を洗う時に、ハンドクリームをたっぷり塗ってゴム手袋を。お湯で温められスチーム効果でもっちりふかふか。
【DAILY CARE】ひっぱる、反らす、ねじるのオイルマッサージ
毎日朝晩やりたい、指先に血液を巡らせ栄養を届けるマッサージ。ネイルオイルを爪から指、手の甲まで線状になじませてから、一本ずつ指の根元を掴んで指先に向けてひっぱり、爪の生え際部分を押さえ指先が赤くなったら抜く。指を根元から数回反らす。根元からねじりながら引き上げる。痛気持ちいい強さで。
【MONTHLY CARE】月に1回、爪まわりを大掃除するスペシャルケア。
(1)お湯に浸けてふやかし爪を柔らかくする。
ケアの前に、約40度のお湯に指先を浸けて爪と甘皮をふやかし柔らかくしておく。お風呂上がりでもOK。爪の長さや形を整える時も同様に。爪が硬い状態だと些細な刺激でも割れやすい。
(2)不要な甘皮を取り、爪の輪郭を整える。
甘皮とルースキューティクル(爪の生え際の薄い角質)を除去。キューティクルプッシャーを生え際に滑らせ輪郭を押し上げるように。濡らした綿棒やオレンジウッドスティックでも可。
(3)表面の老廃物を取り、ガーゼでふき取る。
爪表面に溜まった薄皮や皮脂などの老廃物を、キューティクルプッシャーを滑らせて除去。仕上げに、水に濡らしたガーゼを人差し指に巻き、くるくる円を描きながら丁寧にふき取って。
(4)ささくれや角質はニッパーでカット。
ささくれは爪まわりの乾燥が原因。無理にちぎったりすると、健康な部分まで傷つけ炎症にも。オイルで保湿し柔らかくしてから、めくれ上がった部分だけニッパーや爪切りでカット。
(5)ブロックバッファーで表面を磨きあげる。
バッファーで爪表面をなめらかに整える。一番粗い面を使って、軽いタッチで凹凸を薄く削ってフラットにしていく。爪表面が、削られたもので白っぽくなったらそこでOK。
(6)爪を強化するセラムで栄養イン。
老廃物を取り除いてリセットした爪は洗顔後の肌と同じ。栄養を効率よく吸収する状態なので、まずはセラムで水分と栄養をイン。弱い爪を土台から強化し、次のオイルを引き込む効果も。
(7)ネイルオイルを塗り、血行促進マッサージ。
爪と爪の周りにたっぷりオイルをオン。潤いを与えて乾燥を防ぎながら、外的刺激から保護する効果も。反対の手の親指で爪の周りをくるくると円を描くようにマッサージして血流を促す。
(8)バッファーで磨いて栄養成分を押し込む。
セラムとオイルを与えた最後の裏技が、バッファー仕上げ。ピカピカのツヤに磨き上げるだけでなく、与えた美容成分を爪の内側まで押し込む効果が。目の細かい面で軽くササッと磨いて。
わたなべ・きほ トップネイリスト、トータルビューティカンパニー「uka」代表。サロンワークのほか、雑誌や広告の撮影、セミナー、商品開発など多岐にわたって活躍。表参道路面店のほか、京都、横浜、渋谷にウカストアをオープン。
※『anan』2020年11月4日号より。イラスト・別府麻衣 取材、文・片岡えり
(by anan編集部)