歪んだ愛を暴走させる禁断のラブサスペンス。
麻生:凍也は、少年みたいな愛くるしさとバイオレンスとの二面性を持っていて、存在だけで人を惹きつける“魅力の塊”みたいな男性だと思いました。あやめは、「この人にハマっては絶対にダメだ」と分かりながら、好きにならずにいられないんですよね。
塩野:そんな吸引力のある魅力的な人物を僕がどう表現すればいいのか、悩みます。冷酷さの中に時折見せる無邪気さは、計算ではなく、自然に醸し出せたらと思っています。
麻生:もうそのままやれば、役として成立すると思います(笑)。
塩野:(笑)。本当ですか? 凛としているあやめが凍也に出会ってどんどん変わっていく姿を、麻生さんが演じられるのは見応えありですよね。楽しみです。
――描かれるのは、禁断の恋。深い沼に陥る関係性を演じる二人は、今作が初共演ということで、照れまくり。
麻生:最初は塩野さんが凍也を演じるのかと思うと、照れちゃって顔を見られなくて。チラッと横顔を盗み見て、美しいなって思いました(笑)。
塩野:なかなか目が合わなかったですもんね。でも、お互いに好きなアニメの話で盛り上がった時にフィーリングが合うと思ったので、自然と距離は縮まるはずです。僕は子供っぽくなりすぎないように気を付けたいと思っています。
麻生:塩野さんが色っぽくなるのは、もう分かってるので、大丈夫。ただバイオレンスなシーンに挑むのは初めてなので、自分がどう感じるのか、すごく興味があるんですよね。
塩野:僕は現場で心が痛みそうで、ドキドキしています(笑)。
――殺人の容疑者と、真相を明らかにするため手を差し伸べる弁護士の物語で描かれるのは、歪んだ人間模様。過激かつ濃厚なシーンで、新境地を見せつける作品になりそうだ。
麻生:私はインティマシーシーンの表現というか、どういうふうに切り取られ、どう見えるのかが気になっているところ。未知な部分も多いので、塩野さんに手を差し伸べてほしいなって。
塩野:あやめと凍也が衝動的に歪んだ愛を求め合うだけではなく、何か心のやりとりがあるように演じられたら。ト書きだけでは追えない感情と向き合いたいです。
麻生:頼もしいです。あやめは男性優位の法曹界でたくましく意見を戦わせていますが、私自身は自分の意見はほとんど言わないタイプで…。
塩野:僕はなるべく自分の思ったことは、言葉で伝えたいタイプです。今作でも麻生さんにしっかりお伝えしながらあやめと凍也になれたら!
INFORMATION インフォメーション

『魔物(마물)』
弁護士・華陣あやめ(麻生久美子)が出会ったのは、妻・源夏音(北香那)へのDV疑惑、大学教授殺人事件の容疑がかかる源凍也(塩野瑛久)。凍也の無実を証明するために奔走するうち、禁断の恋に落ちていく。4月18日よりテレビ朝日系・毎週金曜23時15分~放送(一部地域を除く)。テレビ朝日・SLL
写真・中山京汰郎(SIGNO) スタイリスト・井阪 恵(dynamic/麻生さん) 能城 匠(塩野さん) ヘア&メイク・合谷純子(MARVEE/麻生さん) 時田ユースケ(ECLAT/塩野さん) インタビュー、文・福田恵子
anan2442号(2025年4月9日発売)より