濡れタオル、空中に霧吹き…加湿器がなくてもなんとかなる!? 簡単“加湿メソッド”6つ

2023.12.6
現時点で家に加湿器がない、あるいは旅先のホテルの部屋がカラッカラ! でもなんとかして加湿したい…。大丈夫、そんなときでもなんとかなります。難しくない、そして高い道具も必要ない、すぐできる加湿メソッドを6つご紹介。やるとやらないとでは、翌朝起きたときの状態が大違い。レッツ実践~! 教えてくれたのは、医師の日比野佐和子先生と、大学で熱環境について研究をしている齊藤雅也さんです。

どうしよう、加湿器がない! こんなときの加湿メソッド。

【メソッド1】濡れタオルを干す

method1

乾いた部屋ではどんどん水分が蒸発するので、“蒸発するための水源”を置いておけば自動的に加湿できます。エアコンの吹き出し口に近いところなど、風が当たる場所に絞ったタオルを吊るしておくと、効率よく加湿が可能。「寝るときは自分の顔の近くに吊るしておくと、就寝中の肌の乾燥が多少は防げます」(日比野さん)

【メソッド2】空中に霧吹きをする

霧吹きなどを使ってミストを拡散させるのも、簡単で効果的。超音波式の加湿器も、超音波で水を振動させてミストを発生させているので、物理的には同じこと。空中に散布させてももちろんいいし、カーテンなどに吹きかけると、布地に染み込んだ水分が少しずつ蒸発するので、長い時間の加湿が可能に。

【メソッド3】フローリングを水拭きする

加湿したい部屋の床がフローリングなら、雑巾で水拭きするのもあり。先にホコリを取り除いた上で固く絞った雑巾で水拭きをすると、床に残った水分が徐々に蒸発し、加湿に一役買ってくれる。ただし水拭き不可の材質もあるので確認を。それが難しい場合、窓を水拭きするのもおすすめ。いずれも美化にもなり、オトクです。

【メソッド4】浴室のドアを開けておく

method2

部屋の中で最も湿気がある場所といえば、浴室。入浴後にドアを開けておけば湿気が拡散されるので、浴室は乾かせ、部屋は潤いが保たれて、一石二鳥。ホテルなどで、特に乾燥が強いと思う場合は、浴槽にお湯を張り、その上でドアを開け放っておくと、湯気が部屋に流れてくるのでより湿度がアップ。

【メソッド5】植物を置く

method3

蒸発する水を部屋の中にストックしておく、という意味では、“土”も有用。植物の鉢植えを置き水をやれば、土に水が蓄えられ、その水が蒸発することで空間の加湿に繋がる。「亜熱帯植物園などは、土壌に水をたっぷり含ませることで、高湿度をキープしています」(齊藤さん)。お部屋緑化計画、進めましょう!

【メソッド6】水やお湯を容器に入れ、部屋に置く

これまで紹介した5つのメソッドすらやる余裕がない…。そんなときには、コップに水を入れて置く、それだけでもOK。「濡れタオルより蒸発の効率は悪いですが、乾いた部屋であるほど意味はある。特に就寝時に、枕元に水を入れたコップを置いておくことをおすすめします」(日比野さん)

◎加湿しすぎで起きる問題と、結露のはなし。
加湿器をガンガンかけて、湿度をどんどんアップ! たっぷり潤った部屋って最高!…というのは、大間違い!

「押し入れの奥などに湿気が溜まると、そこがカビの温床になることも。それを防ぐためには、サーキュレーターなどを使い部屋の空気を動かすこと。必要以上に湿度が高い? と思ったら、クローゼットのドアを開けて換気をしましょう。また、湿度が上がりすぎると発生するのが結露。これ自体は悪いものではないですが、放置するとカビが生えたりすることもあるので、溜まった水滴を見たらすぐに拭き取る習慣を」(齊藤さん)

とはいえ、せっかく作った水蒸気が結露になってしまうと湿度が下がるので、もったいない。結露を発生させないために、部屋の中で最も結露が発生しやすい場所である窓とカーテンにひと工夫。

「窓とカーテンの間に湿気を含んだ暖気を入れない工夫が大事で、カーテンレール部分をバスタオルなどで覆うのが一つ。さらにカーテンの丈を床に届くギリギリくらいまで長くし、できれば左右も壁にぴたっとつける。これだけで結露の水量が減ると思います」(齊藤さん)

日比野佐和子さん 内科医、皮膚科医、眼科医、日本抗加齢医学会専門医。Y’sサイエンスクリニック広尾の統括院長。アンチエイジング医療の第一人者として、テレビや雑誌など、メディアへの登場も多数。著書に『医者が教えるすごい美肌循環』(アンノーンブックス)など。

齊藤雅也さん 札幌市立大学デザイン学部教授(建築環境学)。住まいの熱環境と快適性に関する研究をしており、快適な熱環境を創る「住みこなし」の啓発活動も。札幌市円山動物園、甲府市遊亀公園附属動物園で動物の熱環境を改善し、繁殖に繋げるプロジェクトにも関わっている。

※『anan』2023年12月6日号より。イラスト・タソカレー

(by anan編集部)