二人の長所を組み合わせ、最適解を一緒に考える。
上司のネクタイを冷凍したり、部下のマスクを臭くしたりと、お互い全力でドッキリに励むけーさんとたろー。その仲良しの謎を探りに、収録現場のオフィスへ。
――お二人が知り合ったのは?
けーさん:地元が一緒で同い年で、大学時代に下町ネットワークで繋がったんです。大勢で飲むと大体いる。遊ぶことはなかったけど。
たろー:いわゆる“成人式にいる人”(笑)。けーさんは成人式、二日酔いで来なかったですけど。
けーさん:人生イチの後悔。僕は新卒でYouTuberやインフルエンサーのプロダクションに。
たろー:僕は防犯カメラの営業してました。「防犯カメラから最も遠い男」と呼ばれて(笑)。
けーさん:そのあと二人で同じ会社に転職して同期になって。さらに僕が今の会社に移り、1年後にたろーが入社して、上司と部下に。
たろー:そこで敬語になりました。
――友達から上司になると、態度を変えるのも難しかったのでは?
たろー:でも、僕らの仕事は人材派遣なので、アルバイトさんが事務所に来ることがあるんです。そこで部下が上司にタメ口で話してたら「友達同士で働いてるの?」って不審がられるじゃないですか。そこはしっかりしようと思って。
――なぜYouTubeを?
けーさん:拘束時間が長くて、合間にいたずらのやり合いしてたんで、動画にしてみようかって。
たろー:もともと二人とも地元の友達と「へそ納豆」ってグループでYouTubeチャンネルをやってたんです。今とは方向性が違って過激でしたけど。
けーさん:へそ納豆かコムドットかって言われてたよね。
たろー:それはないです。
――(笑)。経験があったんですね。
けーさん:で、TikTokがすこしバズって、会社にバレて。社長に「お客さんに見られちゃうんじゃない?」と詰められて、「見ると思います」って答えました。
たろー:普通の回答(笑)。
けーさん:でも続けたんだよね。撮るのは業務時間外だし、仕事は仕事でちゃんとやってるからって。
たろー:今では撮影場所も貸してくれて。会社には感謝しています。
――元友達とはいえ、ここまでツーカーな間柄って珍しいですよね。
けーさん:たろーが入社した頃は一日中話しまくったんですよね。サッカー見た、見てない、あの選手が好き、嫌い……全部話してきたから、こういうときこう思うだろうなってすぐわかる。お互い知らないことがないんですよ。
たろー:今も何でも話しちゃう。だから生配信とかできなくて(笑)。
けーさん:喋りすぎて、去年の忘年会も全然盛り上がらなかったし。
たろー:ほんと(笑)。ただ「頑張っていきましょう!」って叫んだ。
――(笑)。仕事面でコミュニケーションを円滑にするルールは?
けーさん:お互い負けん気が強いので、意見が割れることもあります。でも、揉めたり怒鳴ったりはないです。何かあったらいったんストックして、冷静に話すタイミングを待ちます。
たろー:距離が近いぶん、つい自分の意見を言いすぎてしまうこともあるんです。でも「一回やってみたら」と機会をくれるし、ダメでも時間を作って説明してくれる。嫌々仕事をすることはないですね。
けーさん:たろーは最終的に上司を立ててくれる感じがあるよ。
たろー:経験値は上司のほうがありますから。信頼してます。
――上司と部下の関係で悩む人に、伝授できるコツはありますか?
たろー:うーん、「適度に生意気になる」ですかね。最初は取り繕いつつ上司を観察して、趣味を聞き出しながら、ちょけたりふざけたり。リアクションが来たら、もう関係性はうまくいってます。
けーさん:僕は「まず相手のデータを取る」。先入観で相手を決めつけず、分析材料を集める。すると、言われたら嫌だろうな、というポイントを避けられる。部下がいないと仕事にならないですから。
――お互いのいいところってズバリどこだと思いますか?
たろー:僕にとっての優しい上司は、“見てくれる人”。けーさんは僕らをちゃんと見てる。だから頑張ろうって思えるんです。
けーさん:(嬉しそうに)そう? たろーは、もうパワーが圧倒的。
たろー:そこ!?(笑)
けーさん:詰んでるエンジンがズバ抜けてて、能力値のペンタゴングラフでいうとパワーだけぶっ飛んでる。だから他のことは許せるし、人としてすごいなと思います。
たろー:じゃサンシャイン池崎さんでもよかったってことですか?
けーさん:そうかも(笑)。
けーさん(写真右)、たろー(写真左) 共に1995年、東京都生まれ。人材派遣会社「LINE CAST SUPPORT」に勤務しながら、2020年3月にYouTubeチャンネル「けーさんとたろー」を立ち上げる。登録者数は約53万人(2月17日現在)。https://www.youtube.com/@kesantotaro
※『anan』2023年3月8日号より。写真・Sakai De Jun インタビュー、文・飯田ネオ
(by anan編集部)