松坂桃李×清野菜名、『耳をすませば』の10年後を描いた実写映画に「ドキドキでした」

2022.10.22
青春漫画の金字塔として知られる『耳をすませば』。10年後を描いた初の実写映画で主演を務める清野菜名さんと松坂桃李さんにとっての“感動ポイント”とは?
matsuzaka

――お二人は様々な映画やドラマに携わってきたかと思いますが、作品づくりの中で一番感動する瞬間はいつですか?

清野菜名:エンドロールで自分の名前が出てくる瞬間ですね。あと、舞台のカーテンコールでたくさんの拍手をいただけた時は「頑張ってよかった!」っていう達成感があります。

松坂桃李:僕はオールアップの時ですね。何か月もの時間を一緒に過ごしたこのメンバーはもう揃わないのかと思うと寂しい気持ちもあるんですが、やっぱり達成感がすごくある。特にスタッフの充実した顔を見ると「やってよかったな」って思います。

――感動を届けるために意識していることはありますか?

清野:「想いが伝わるといいな」という気持ちで常に100%の力を出すようにしています。少しでも手を抜くと、作品の空気感に出てしまって届かないものがあるんじゃないかって思うんですよね。

松坂:僕らの仕事は何をもって感動を伝えられるかが明確にあるわけではないので、台本を読んだ時に感じた感情をそのまま作品に投影して、観る人にも同じように感じてもらえるような全力の出し方を心がけています。そのシーンをパイプ代わりにするというか。

清野:すごい! 勉強になります。

松坂:(笑)。いやいやいや。

清野:桃李さんの目を見ていると、その時どきの心情がいつもまっすぐに伝わってくるんです。『耳をすませば』では、それによって引き出してもらえたところがすごくありました。雫と聖司が一緒に音楽を奏でるシーンや告白のシーンは特にそうでしたね。今思い出しても感動します。

松坂:ありがとう。現場に入る前に監督に大人の雫ちゃん(清野)と中学生の雫ちゃん(安原琉那)が向き合って歌を歌ってる動画を見せてもらって、「うわ、雫だ!」って思って感動して、「早く会いたい」と思ったんです。実際清野さんが目の前に現れた時も同じような感動がありました。

――長く愛されている作品の実写を演じられることに対するプレッシャーはありましたか?

松坂:ありますよね(笑)。頻繁に放送されていますし。

清野:年代問わず多くの人が通った作品。その実写を演じるというのはドキドキでした(笑)。今までで一番原作とアニメを研究して、撮影に臨んだかもしれないです。

松坂:散々観てきたはずなのにね。

清野:なんか心配になっちゃって。

松坂:それはあったね。しかも原作から10年後という設定のオリジナル版だから、自分が観てきたものと新しい要素のすり合わせもちゃんとやらなきゃいけない。委ねられている部分が大きくていろいろと緊張しました。

――『耳をすませば』というタイトルには「耳をすませば自分の心の声が聞こえる」という意味合いがあるということが劇中で描かれていました。普段、大切なものをキャッチするために意識していることはありますか?

清野:流行りとかには全然ついていけてなくて…。私は自然が好きなので自然の音は聞くようにしています。気温によって結晶の形が変わるんですよ。それを眺めたりしています。

松坂:僕も時代には多分ついていけてないと思うんですけど(笑)、『マツコの知らない世界』が大好きで、心置きなく楽しむために見る前に家のことやいろんなことを全部終わらせたり、ゲストの方が話すマニアックなトピックをその都度検索しながら見て、思いっきり楽しんでますね。

まつざか・とおり 1988年10月17日生まれ、神奈川県出身。2009年、俳優デビュー。’20年、『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。待機作に映画『ラーゲリより愛を込めて』(12月9日公開)など。
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せいの・なな 1994年10月14日生まれ、愛知県出身。2007年デビュー。’15年、『東京無国籍少女』で映画初主演。代表作に『今日から俺は!!』『キングダム2 遥かなる大地へ』などがある。
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『耳をすませば』 読書好きの中学生・月島雫は夢に向かって生きる天沢聖司に想いを寄せる。聖司がイタリアに渡ってから10年後の物語も描く。監督・脚本/平川雄一朗 出演/清野菜名、松坂桃李、山田裕貴、内田理央ほか 全国公開中。

※『anan』2022年10月26日号より。写真・森山将人(TRIVAL) スタイリスト・下山さつき(清野さん) 丸山 晃(松坂さん) ヘア&メイク・光野ひとみ(清野さん) Emiy(松坂さん) インタビュー、文・小松香里

(by anan編集部)