ゴミ屋敷状態の脳は休ませてスッキリ!
仕事中だけでなく隙間時間もニュースやSNSのチェックなどでフル回転する脳。そのままでは脳のパフォーマンスは下がる一方…。
「脳の大きな働きは、入ってきた情報を整理整頓して、必要に応じて取り出すことです。しかし、現代人は情報過多で、マルチタスクにも追われています。複雑な人間関係や将来への不安も加わり、整理整頓が追いつきません。いわばゴミ屋敷状態の脳をキレイにするには、脳に入ってくる情報を遮断し、休ませる必要があります」
と脳神経外科医の奥村歩さん。ゴチャゴチャで過労状態に陥った脳をスッキリさせ、本来持っている脳の力を最大限生かすには?
「何も考えず、ぼ~っとする時間が必須です。その“ぼんやりモード”と“集中モード”を切り替えるのがデフォルトモード・ネットワーク。これを上手に働かせられれば脳はニュートラルになり、ひらめきも生まれやすくなります」
まずはどれくらい脳に疲労がたまっているかリストでチェック!
あなたの脳の過労度CHECK LIST
- 旅行はガチガチに予定を組む。
- スケジュールを忘れることが多い。
- 誰かがお茶をこぼした時など、とっさの行動がとれない。
- 案内状を封筒にひたすら入れるといった単純作業が苦手だ。
- 書類を持って歩いているうちに、どこに置いたかわからなくなる。
- ちょっとした合間にネットサーフィンやSNSで情報収集する。
- 本の購入はネット書店が多い。
- 複数のSNSに登録している。
- 何から手をつけていいか迷う。
- スケジュール帳がびっしり埋まっていないと気持ち悪い。
- すべての仕事を同時にこなそうとする。
9個以上は…脳過労度80%
7~8個は…脳過労度60%
5~6個は…脳過労度40%
4個以下は…脳過労度20%
日常生活で脳過労を減らす対策をしていこう。
脳の整理整頓機能デフォルトモード・ネットワークを発動!
デフォルトモード・ネットワークとは、何もしていない時に活発になるニュートラルな脳活動のこと。「脳のぼんやり機能と考えるとわかりやすいでしょう。デフォルトモード・ネットワークが働くと、目先のことだけでなく、自分らしさという大きなテーマにも思いが巡るようになります。豊かな人生を生きるためにも欠かせない機能といえるのです」
奥村 歩さん 脳神経外科医、医学博士。理事長を務める岐阜県の「おくむらメモリークリニック」で「もの忘れ外来」を開設。著著に『脳を休める技術 デキる人は脳を鍛えずゆるめている』(カンゼン)や『スマホ脳の処方箋』(あさ出版)など。
※『anan』2022年9月28日号より。イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)