“美乳スープ”でバストケア! 美乳食材は「黒い食べ物」「にら」「山芋」…ほかには?

2021.9.25
「中医美容」分野があり、「乳房的健康法」としてバストケアも研究されているのが、漢方の世界。その知恵が詰まったスープを、薬膳の専門家が分かりやすく伝授!

栄養あるあったかスープで、女性ホルモンを活性化。

漢方に基づく食事法、薬膳。聞けば、バストケアに役立つ食べ物もたくさんあるという。教えてくれたのは、中医美容にも詳しい薬膳料理家のちづかみゆきさん。

「漢方では体の働きを“脾(ひ)”や“肝(かん)”などの概念で捉えますが、このうちバストケアに重要なのは“腎(じん)”。腎は、中医学では成長や生殖を司っていて女性ホルモンの分泌に関わり、いわゆるアンチエイジングにも関係するとされます。この腎に良い食材を意識して摂ることが“美乳薬膳”のカギです」

薬膳は普段の食事とはなじみがないものと思われがちだけれど、

「実は一般の栄養学と重なる部分も多い。例えばバストケアで言えば、イソフラボン豊富な大豆も、良質な動物性タンパク源である鶏肉や豚肉も、すべて腎に良い食材です。これらのタンパク質で土台を作り、漢方的な食材で補強すると考えると分かりやすいのでは」

その漢方的美乳食材としてちづかさんがおすすめするのは、

「黒豆などの黒い食べ物や、にらや山芋、うなぎや牡蠣など元気が出るとされる食材。いずれも腎を養う“補腎”食材です。栗やくるみなどのナッツ類も良いですよ」

さらに、食べた栄養をきちんと吸収できるよう、脾=消化器に負担のかからない調理法を選ぶことと、栄養を体に巡らせる働きのある“血(けつ)”や“気(き)”を補う食材をプラスすることも大切だそう。

「脾をいたわるならスープが一番。血を補って巡らせる、野菜やきのこを加えやすいのも利点です」

今回は身近な食材で作れる美乳スープを教えてもらった。

「気は肉や魚のほか、ご飯やパンなどから多く作られるので、スープにはぜひ主食を添えて。麺を加えるのもおすすめですよ」

長芋入り鶏だんごとクレソンのザーサイスープ

Beauty

材料(2人分)

鶏ひき肉……150g
A[塩……ふたつまみ、酒……大さじ1/2]
B[長芋(粗みじん切り)……50g、しょうが(みじん切り)……小さじ1、片栗粉……小さじ1]
C[ザーサイ……30g、鶏ガラスープの素(顆粒)……小さじ1/2、塩……ひとつまみ、こしょう……少々]
クレソン……80g
雑穀ご飯……適量

作り方

1.ボウルに鶏ひき肉を入れ、Aを加えて練る。Bを加えてさらに混ぜ合わせ、8等分して丸める。手に油少々(分量外)をつけると丸めやすい。
2.クレソンは食べやすい長さに切る。
3.鍋にCと水2カップを入れて中火にかけ、沸騰したら1の鶏だんごを加えて煮る。再度沸騰したらアクを取り除き、火を弱めて蓋をして、鶏だんごに火が通るまで5分ほど煮る。
4.2のクレソンを加え、さっと煮て火から下ろす。器に盛り、雑穀ご飯を添える。

腎を養う。

薬膳でのバストケアの要は、女性ホルモンの分泌を司る腎に良い食べ物を摂ること。大豆製品などに加えて、意識して摂りたいのがここに挙げる4つのジャンル。

「漢方では、黒豆や黒ごまなど黒い食べ物に腎を助ける働きがあるとされています。また、にらや長芋、うなぎなどの滋養強壮作用のある食材にも、補腎の効果が。小さい実の中に生命力が詰まっているナッツ類もおすすめです」

腎を元気にする食べ物は、ほかにもいろいろ。

「キャベツやブロッコリーは、腎を養うとともに胃腸の働きも助けます。魚介類ではタイやホタテも補腎効果があるとされています」

【黒い食べ物】身近な食材を気軽に取り入れて。

黒豆は市販のドライパックが便利。「同じく黒い食材のブルーベリーとヨーグルトにのせて。黒ごまは、すりごまを豆乳と混ぜて美乳ドリンクに。黒きくらげはスープのほか、卵と炒め物にしても」

【スタミナ野菜】精がつく野菜で、腎の力を底上げ。

「腎に蓄えられる力を“腎精”といい、『精がつく』という時の精はこの腎精を指します。にらや長芋、山芋は腎精を増やす食べ物。特に長芋は漢方薬にもなるほど強力です。積極的に食べましょう」

【ナッツ類】手軽な補腎食材。おやつにぜひ。

生命力に満ちたナッツ類も、腎の強化に役立つ。「くるみやカシューナッツは補腎の代表的な食材。栗は脾のケアにも良く、血行促進効果も。最近はコンビニで手に入るので、おやつにどうぞ」

【魚介類】うなぎや牡蠣など元気の出る魚介を。

うなぎや牡蠣など、滋養強壮効果のある魚介も補腎にぴったり。「えびは消化の負担が少なく、体を温める働きもあります。殻にも栄養成分が多いので、殻ごと煮てスープにするのがおすすめです」

血を補って、巡らせる。

栄養や潤いを体じゅうに運び、とどまらせる働きを担うのが血。

「血液とほぼ同じと考えてよい存在です。血を増やす“補血”と巡らせる“活血”が、美しいバストを作るためには欠かせません」

そこで摂りたいのがまず、補血作用がある食べ物。

「ほうれん草やにんじんなどの色が濃い野菜のほか、しめじやぶどうにも同じ働きがあります。活血作用があるのは玉ねぎや青梗菜など。また、今回はレシピに使っていませんが、シナモンは体を温めて血の巡りを助けるうえ、腎を元気にする優秀食材です。ココアやカフェラテにひと振りするなど、活用してみてください」

【補血&活血野菜】葉物野菜や根菜、きのこを。

血行を良くする活血食材はほかに、パセリやクレソン、ししとうなど。補血には前述の野菜と、「黒い食材にも入っている黒きくらげもおすすめ。あとは牛肉や羊肉など赤い食材も役立ちます」

ちづかみゆきさん 薬膳料理家。国際中医薬膳師の資格を取得し、中国や米国で活動後、美容薬膳を中心にレシピを発信中。著書に『暮らしの図鑑 薬膳』(翔泳社)。

※『anan』2021年9月29日号より。写真・小川朋央 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・新田草子 撮影協力・UTUWA

(by anan編集部)