岡田将生「30代の今こそ“そっちの世界に”」『物語なき、この世界。』で新境地に

2021.7.12
3年ぶりの新作舞台『物語なき、この世界。』の公演を発表した、劇作家の三浦大輔さん。三浦さんの手がける中でもとくに舞台は、過激でスキャンダラスな題材や人間の生々しい生き様を描いた作品が知られるが、今回の主人公に岡田将生さんを抜擢したことで、双方の新境地を期待する人も多いのではないだろうか。
stage

「三浦さんとは、映画『何者』でご一緒させていただいた時に、口数が少なくてもお互いになんとなく分かり合える部分を感じましたし、芝居をしっかり見てもらえたという思いもあって、もっと三浦さんの演出を受けたいと思っていました。そういう感覚は結構大切にしていて、三浦さんの作品ならどんなジャンルであろうとやりたいと思っていたので、このお話をいただいた時は、すぐにやらせていただきたいとお返事しました。脚本がないままお受けするのは初めてだったのでドキドキしていますし、新たなチャレンジになるという恐怖もあります」

岡田さんと共に挑むのは、個性派やベテランの役者たち。

「峯田(和伸)さんの音楽が元々好きなこともあり、今までにないセッションが期待できますし、大先輩の(寺島)しのぶさんは舞台上に一緒に立つだけで頼れる存在で。10代から知っている柄本時生とは舞台で初共演が叶って『やっとだね』なんて話してて。みなさんとこの作品を濃密に作り上げるのが楽しみです」

ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』では、理屈っぽくてひねくれた“元夫”を演じ、そのどこか憎めないキャラクターが目を引いた。

「自らクセのある役を選んでいるところもあって。僕にとっては欠点がある人の方が魅力的だし、それを理解しながら生きている人に愛着が湧くんです。とくに最近はそういう役柄が続いていて、楽しんで演じさせていただいています。一時期は責任感に囚われすぎていたこともあったけど、今は力を抜いてお芝居を満喫したいと思うようにも。その転機となったのが2016年のドラマ『ゆとりですがなにか』。同年代の役者と呼吸をするように会話をした現場が強く印象に残っていて、あの呼吸を思い出すために必死にお芝居をしている部分もあります」

一方、舞台では歴史的名作を含めいろんな役柄に果敢に挑戦できたり、セリフで遊べる部分にやりがいも感じているという岡田さん。

「生の芝居で自分のダメさを実感したかと思えば、翌日には最大限の力を発揮できたりするのも、舞台の面白さ。自分自身を見つめ直せて、どこかリセットできるような魅力があります。毎回刺激的な三浦さんの作品も、30代の今こそ“そっちの世界に”っていうのも変だけど(笑)、飛び込めることに覚悟しつつ、呼んでいただき感謝しています」

「僕自身はクセはない、つまらない人間ですよ」と笑う。

「同世代でイケメンの決め決めの役をやってくれと言われたら、僕よりも似合う役者がいる。そこは手は出せないから、自分の役割は見つけていかなくちゃとは考えていますが、どんな役でもハマれる人にはなりたい。その時どきで、柔軟に対応できる役者でありたいです」

おかだ・まさき 1989年8月15日生まれ、東京都出身。出演映画『Arc アーク』が公開中。また映画『ドライブ・マイ・カー』は8月20日、『CUBE』は10月22日公開予定。12月には舞台『ガラスの動物園』が上演予定。

ジャケット¥31,900 Tシャツ¥20,900 パンツ¥22,000(以上NEEDLES/NEPENTHES TEL:03・3400・7227)

『物語なき、この世界。』 売れない役者・菅原裕一と売れないミュージシャンの今井伸二が10年ぶりに新宿歌舞伎町で出会い、二人のドラマは幕を開けたかのように見えたが、そもそもこの世界に物語など存在するのだろうか…。7/11(日)~8/3(火)Bunkamuraシアターコクーン 8/7(土)~11(水)京都劇場 https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/21_monogatarinaki/

※『anan』2021年7月14日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・TAKURO ヘア&メイク・小林麗子(do:t) インタビュー、文・若山あや

(by anan編集部)

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