TEAM NACS・森崎博之が“解散時期”を明言! でもメンバーの同意なし?

2021.5.18
今年、結成から25周年を迎えたTEAM NACS。学生時代に創設された北海道の演劇ユニットが全国的な人気を獲得し、今や個々での活躍も目覚ましい。その輝かしくも愉快な5人の軌跡を、ここに振り返る。
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――結成から25年、ここまでで印象的な出来事というと?

大泉洋:初めて東京で公演をやった『LOOSER』(’04年)ですかね。終わってからも拍手が全然鳴りやまなくて。北海道にはWカーテンコールなんてなかったから、どうしていいかわからなかったんですよね。

森崎博之:「出て」と言われるけど、出て何をすればいいんだろうって。

大泉:初々しい感じでしたね。

戸次重幸:プレッシャーがないわけないみたいな状況ですよね。

大泉:だってシゲ、観客の熱烈な声援に、出てすぐセリフが真っ白になったんでしょ?

戸次:忘れてた。そうだったかも。なにせ劇場(サンシャイン劇場)のデカさに度肝を抜かれました。2階席がある劇場自体初めてでしたし。

安田顕:それは私もです。公演前の取材で「平常心でやります」って言ってたのに、幕が上がって万雷の拍手を聞いた瞬間、全部が飛びました。

戸次:あのウェルカムっぷりは、間違いなく『水曜どうでしょう』と大泉さんの知名度のおかげじゃない? だから「ありがとうございます!」って気持ちになったのは覚えてる。

音尾琢真:想像もしてませんでしたしね。

森崎:次の大阪公演では、笑いが止まらないっていう経験もしまして…。

大泉:でも大阪の人は、どこより熱烈に盛り上がってたのにアンケートが辛辣なの。「やっぱり笑いは大阪やな」って(笑)。

――5人の結束が高まった瞬間は?

戸次:出来事とか公演とかより、それぞれが結婚したことが大きい気がします。守るべき存在ができて、今ある場所を大事にしようって改めて思いましたから。

安田:それを言ったら僕は『WARRIOR』(’12年)の宴会で森崎さんがお尻に割り箸を挟んで折る姿に、久々にいいものを見たな、と思いました。

大泉:あ~。それはねぇ…

森崎:(間髪入れず)いや、その話膨らませなくていい!

大泉:(構わず)その時共演していた若手の挨拶があまりに面白くて、僕らはこれ以上に面白いことはできないねってムードを出してたのに、酔っ払った戸次くんが「これは僕らも負けてらんねーな」って言い出して。やることないからお尻で割り箸を折るってなったんですけど全然成功しなくて、リーダーがやり遂げて「すげー!」ってなった。

音尾:やり始めたのは大泉?

大泉:そうそう。俺俺。

音尾:ひとりひとり順番に挨拶してやるんだけど折れなくて…。

森崎:つまり、みんなのお尻を経由して最後に僕のところに来た…バトンみたいなものですね。

大泉:でもその割り箸で、リーダー、お尻ケガしましたからね。

森崎:刺さっちゃって…。

安田:(落ち着いた声で)また、そういうバトンをみんなで回せる時代になればいいですよね。

森崎:なんかきれいにまとめたな(笑)。僕はさ、『再演DOOR』(’98年)で、初めてチケットの売り上げで打ち上げ代がまかなえます、ってなった時が忘れられない。

大泉:唐揚げ代だけ劇団が持ちます、っていう時代もあったね。

安田:唐揚げと舟盛りね。あの時たしか、戸次さんが天井の梁に飛びついてぶら下がって…。

戸次:飛びましたねぇ(笑)。そういう話なら、自分たちでバラシ(セットの解体)をしなくて済んだ時が嬉しかった。たしか『ESCAPER』(’99年)だったと思うんだけど。

森崎:あの公演で初めてセットを組んだんだよ。それまでは舞台装置は全部パネルだったから。

――それでも劇団を続けてこられた原動力は何だと思います?

音尾:北海道で培ったバラエティ力じゃないですか。じつは劇団公演以外、お芝居あんまりやってませんでしたからね。基本、深夜番組に出てるローカルタレント集団でしたから。

戸次:すごいよね。いま台本なしでバラエティの現場に放り込まれても、何とかなっちゃうもん。それは仕事をさせていただくなかで、メンバーの奇跡的な働きを見るにつけ刺激され叩き上げられてきたもので。

大泉:だから、いまドラマの番宣番組なんかに出ると、この人たちが何でもできるんで現場は驚くらしいからね(笑)。

――変化したことはありますか?

戸次:(過去のアーティスト写真を見ながら)音尾さんでしょ。

大泉:変遷とかじゃなく、ある時いきなり変わったからね。

音尾:生き別れの双子の兄を見つけて入れ替わりました。

安田:(写真を見ながらボソッと)これ…面白いね。

戸次:若い時が音尾さんなら、今は音尾さんのお父さんです。

大泉:ナックスはもう少しポップであってほしいんですけど(笑)。

森崎:でも基本的にはみんな変わらないよね。変わったのは周りで、幸せなことにどんどん高いステージに僕らを連れていってくれている。その究極が『紅白歌合戦』の司会じゃない? 大晦日、まるで親戚のオジさんみたいな気持ちで見てたもん。

安田:けん玉リレーの一番手で、彼が決めた瞬間、家族で立ち上がって拍手でしたよ。でも話し始めた瞬間、何を言い出すか心配で、バラエティはいらねーぞってハラハラしました。

大泉:(大爆笑)。嬉しかったですよ。普段はメンバー同士での仕事の話とかしないのに、年明けに「見たよ」って言われて。でも、音尾さんだけ「何の心配もなかったんで、安心してチャンネル変えました」と(笑)。

音尾:『絶対に笑ってはいけない』が気になって…。

大泉:最後まで見なさいよ!

――今後の目標を伺えますか?

森崎:じつはナックスは2056年…結成60年で音尾さんが80歳になった時に解散する予定がありまして…。

大泉:これ、リーダーが勝手に決めた予定ですからね。僕らが話し合って決めたわけじゃなく。

森崎:(気にせず)なので、解散まであと35年あるんです。そのじっくり長い階段をじっくり5人で歩いていくことが、最大の目標かなと。

大泉:僕はナックスでなんか賞を取りたいんだよね。何でもいいから。どっかくんないかな。

チームナックス 北海学園大学時代に結成された演劇ユニット。3年ぶりとなる本公演『マスターピース~傑作を君に~』は全国11会場を回る。大千穐楽では全国の映画館でのライブ・ビューイングのほか特典映像付きのストリーミング配信も実施。WOWOWオリジナル『がんばれ!TEAM NACS』6/20(日)本放送・配信スタート。

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※『anan』2021年5月19日号より。写真・SASU TEI(W) スタイリスト・九(Yolken) ヘア&メイク・西岡達也 岩下倫之(共にLeinwand) 横山雷志郎 諸橋みゆき(共にYolken) 菊地弥生(ひつじ) 取材、文・保手濱奈美 若山あや 重信 綾 望月リサ

(by anan編集部)