ウエンツ瑛士、藤原史織にアドバイス「留学は帰りたいと思ったら帰ってくればいい」

2020.6.3
お帰りなさい! いってらっしゃい! イギリス留学から帰ってきたウエンツ瑛士さんと、イタリア留学を志すブルゾンちえみ改め藤原史織さん。新しいチャレンジに向かって、大きな決意を胸にネクストシーズンへと踏み出した二人が赤裸々トーク。人生の節目に心得ておきたいヒントがたくさん!

ウエンツ瑛士×藤原史織の挑戦に学ぶ、ネクストシーズンへの踏み出し方。

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――二人が留学を決めた理由、その決断に隠れた本音とは?

藤原さん(以下、史織):私、ウエンツさんが帰国後に出演された番組やインタビューはけっこうチェックしているんですよ。その中でも、「留学前は自分のやっていることに胸を張ることができなかった」という言葉が印象的で。「ウエンツさんでもそんなこと思うんだ」って、すごく意外でした。

ウエンツさん(以下、瑛士):子どもの頃から長く芸能界にいることもあって、常に“他人の物差し”で生きている感覚が強かったんだと思う。だから自分に自信が持てなかったし、どんなに頑張っても満足感を得ることができなかったのかもしれない。それで30歳になる少し前に、留学を考え始めたら「行きたい!」という気持ちを止められなくなってしまって。

史織:私もわりと直観タイプの人間なので、自分が「いいな」と思ったことに対して方向転換していくのには賛成ですよ。

瑛士:でもブルゾンさん…じゃない(笑)、藤原さんが事務所を辞めたのはかなりの決断だったと思う。これは少し失礼な言い方かもしれないけど、自分の中で「逃げてる」という感覚はなかったの?

史織:私の中では「芸能界でまだやり残したことがある」というよりも、「満足!」という気持ちのほうが強いんです。もちろん、全部を完璧にできたから卒業というわけではないし、「まだまだこれからなのに」と言ってくださる方もいました。でも私の中では芸人としての自分にすごく納得ができたので、「それならまだ経験していない新しいことに挑戦してみよう」って、素直に思えたんです。

瑛士:たぶん「自分はやり切っていないんじゃないか」という思いがあると、なんとなく逃げてるような気持ちになって、なかなか「やめる」という選択肢がとれないんだろうね。でも僕は「逃げることの何が悪いの?」とも思う。理由なんて何だっていいし、チャレンジしたくなったら挑戦して、失敗したら「間違えた!」って戻ってくればいいだけの話で。

史織:そういう意味でいうと私、イタリアで「これをしたい」という確固たる目標があるわけではないんです。事務所まで辞めたのに(笑)。はじめてローマを訪れた時に「ここに住みたい!」と直観的に選んだけれど、実際にどうなるかは住んでみないとわからないじゃないですか。だから今回のイタリア留学は、私にとっては上京するのに近い感覚というか。「とりあえず東京に住んで、普通に生活してみたい」というのと同じです。

瑛士:それ、すごくわかるなぁ。

史織:ウエンツさんはロンドンに1年半留学して、何がいちばん変わったと思いますか?

瑛士:やっぱり、「自分を褒められるようになったこと」かな。向こうにいると、とにかくみんなが褒めてくれるんですよ。どんな小さなことでも「よくできたね!」って。それが毎日続くと、本当に「自分は頑張ってるんだ」っていう気持ちになって、どんどん自信につながっていくから。

史織:わかります。私も今イタリア語を勉強していて、めちゃくちゃ楽しいです。1から10まで言えただけで、「ブラ~ボ~!!」って先生に褒めてもらえるし(笑)。

瑛士:日本人って褒められるとつい「いや、自分なんてまだまだです…」なんて謙遜してしまうけど、素直に「ありがとう、うれしいです」と言えるだけで、お互いポジティブな気持ちになれるよね。だから僕も今はなるべく自分を褒めるようにしているし、周りの人のことも褒めてあげたい。

史織:最強の自己肯定法ですね。

瑛士:もちろん、変わってない部分もたくさんあると思う。でも自分で決断して行動した結果「変わらなかった」のと、何もせずに「変わらない」というのでは全然意味が違うから。

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史織:私、「10年日記」というのをつけているんです。毎日1ページに2行だけ日記を書いて、次の年の同じ日にまた2行書き足していく、という。去年の今頃はちょうど「事務所辞めたい」とか書いてて(笑)。「10年後、このいちばん下の行を書く時、私はどうなっているんだろう」って、ちょっとドキドキします。

瑛士:「あー事務所戻りたい!」って書いてたりして(笑)。でも、その可能性もあるから面白いということだよね。結局、自分でした決断はそれが失敗であろうが成功であろうが、ものすごく満足できるものだと思う。

史織:試行錯誤したことも私にとってはプラスの経験なので、自分が「こうしたい」と思ったことを実行して、その時の感情をこれからも大事にしていきたいです。

瑛士:最終的には、楽しく死ねりゃいいんですよ(笑)。

史織:確かに! 死ぬ時に「あ~、あれしとけばよかったな…」って思うことは極力少なくしたいかも。

瑛士:だからさっきも言ったけど、「帰りたい」と思ったら帰ってくればいい。それくらいラフに楽しんできてくれたらなと思います。

史織:今は新型コロナの影響で出発が延期になっていますが、私が無事にイタリアに住むことができたら、ぜひ遊びに来てください!

うえんつ・えいじ 1985年10月8日生まれ。東京都出身。『火曜サプライズ』(日本テレビ系)にレギュラー出演。2018年10月から舞台演劇の勉強をするためロンドンに留学。

ロングシャツ¥30,000 半袖ニット¥22,000 パンツ¥26,500(以上CULLNI/Sian PR TEL:03・6662・5525) グラスフォルダー¥14,000(JOHN MASON SMITH/HEMT PR TEL:03・6721・0882) スニーカー¥15,000(FECV/HEMT PR) 靴下はスタイリスト私物

ふじわら・しおり 1990年8月3日生まれ。岡山県出身。お笑い芸人「ブルゾンちえみ」として2017年に大ブレイク。2020年4月からは本名の「藤原史織」名義で活動中。

ドレス¥160,000(sakayori./エム TEL:03・3498・6633) タイツ¥1,690(CALZEDONIA/H3O ファッションビュロー TEL:03・6712・6180) ベルト¥28,000 左腕のバングル¥18,000 ピアス¥24,000(以上KLOSET/H3O ファッションビュロー) 右手のセットリング¥43,600(SWAROVSKI/エム) その他はスタイリスト私物

※『anan』2020年6月10日号より。写真・五十嵐瑛仁(SIGNO) スタイリスト・丸本達彦(UNFORM/ウエンツさん) 奥田ひろ子(ルプル/藤原さん) ヘア&メイク・輝・ナディア(Three PEACE/ウエンツさん) 取材、文・瀬尾麻美

(by anan編集部)