え、結婚祝いに刃物もOK? “いまどきギフト”の心得とは

2020.5.30
心の距離がぐっと縮まる。想いを運ぶ、贈りものレッスン。贈り方のスタイルからマナーまで、柔軟になってきた昨今、選択肢も広がり、何にするかかえって迷ってしまうという声も。スペシャリストのお二人に、お話を伺いました。

今どきギフトは軽やか&パーソナルがキーワード。

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「ここ数年、贈りものの在り方はよりパーソナルに変わってきています。形式的な贈答品より、個人同士のささやかなやり取りが主流に」とは、ギフトコンシェルジュの真野知子さん。雑貨コーディネーターのオモムロニ。さんも、

「SNSなどで誰とでも簡単につながれる時代だからこそ、より親密な気持ちをモノに託したい、と思う人が増えているのでは」

と分析。そんな時代のギフト選びのコツを教えてもらった。

「今はたくさんのモノが世間に溢れています。有名なものより、その人の好みや生活に合ったオリジナルなものが喜ばれる傾向に。普段の会話などからヒントを探してみましょう」(真野さん)

「相手にお返しの気遣いをさせないものを選ぶことも基本。プチプライスで上手に探したり、私はあえて包装を簡易にして渡すこともあります」(オモムロニ。さん)

また、マナーにとらわれすぎずに選ぶこともポイント。

「以前はタブーだったことも、今は解釈が変わってきています。たとえば結婚祝いに刃物は縁起が悪いとされていましたが、最近は“縁を切り拓く”という意味を添えて贈る方もいます」(真野さん)

格式張って無難なものになりがちな目上の人への贈りものも、

「相手から見ると新鮮味がないことも。むしろ年上の方々のアンテナに届かないものを選んで差し上げたほうが、喜ばれることもあります」(オモムロニ。さん)

相手のことを思いつつ、自由な発想もプラス。それが、今どきギフトのセオリーといえそうだ。

「気持ちを伝えること、モノとの出合いを楽しんでもらうこと。ギフトコミュニケーションにはさまざまな醍醐味があります。ぜひ気軽に贈り・贈られることを楽しんでほしいと思います」(真野さん)

今どきギフトの心得

よりパーソナルに選ぶ。

流行を追うより「自分のことを考えてくれている」という特別感のほうが心には響くもの。相手の好みをより掘り下げて選ぶのが正解。

“贈り・贈られる”を気軽に楽しむ。

ギフトは“贈答品”からコミュニケーションツールへ。ちょっとした気持ちを伝え合う手段のひとつとして、やり取りを気軽に楽しもう。

マナーへの考え方にも変化が。

ひと頃はタブーとされたことも、今は徐々に見直されてきている。しきたりやルールだけにとらわれず、本当に喜んでもらえるものを選ぶべし。

真野知子さん ギフトコンシェルジュとしてさまざまなシーンでの贈りものを選定。本誌連載「Food news」を月1回担当するほか、TV、ラジオなどで情報を発信。

オモムロニ。さん 雑貨コーディネーター。雑誌などで雑貨やギフトのセレクトを手がけ、連載も多数。著書に『DAILY GIFT BOOK 気持ちが伝わる贈りものアイデア』(文藝春秋)。

※『anan』2020年6月3日号より。イラスト・itabamoe 取材、文・新田草子

(by anan編集部)