意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「温暖化対策」です。

一刻を争う状況。積極的な取り組み必須の時代へ。

society

日本でも近年、災害を及ぼすほどの大量の雨が降るなど、以前とは気候が確実に変わってきたことを実感します。9月にNYで開かれた国連気候行動サミットは、スウェーデンの16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんの演説でも非常に注目を集めました。

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日本の温暖化対策は、民主党鳩山政権時に、「2020年までにCO2の排出量を1990年比で25%削減」と発表。そんな高い数値は実現不可能と、財界から強い反発を受けました。鳩山政権はそのために原発政策を進めようとしていたのですが、東日本大震災が起こり、立ち消えに。しかし、あれから世界は大きく変化しました。一番大きかったのは、2015年に国連がSDGs(持続可能な開発目標)を掲げたことです。かつては、短時間に効率よく利益を上げて、株主に還元することが企業価値とみなされていました。しかし、いまは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮する企業に優先的に投資をするESG投資も進み、人権や環境への意識の高いクリーンな企業でなければ、人もお金も集まらない時代になったのです。

業界をリードするトヨタ自動車では、2050年までに製造工程に関わるCO2の排出ゼロを目標に、さまざまな改革を行っています。環境対応車の開発、車のリサイクル、製造には風力発電や「からくり」を動力の一つとして使うなどの工夫を凝らしています。

私たちにできることは、まずプラスチックゴミを減らすことでしょう。マイタンブラーやエコバッグを持ち歩く習慣が広がるといいと思います。また、消費者と生産者の距離を縮めれば、流通にかかるCO2を抑えられます。都会でとれた野菜を購入する、都市型農業を始める動きも加速しています。

これまでは消費も生産も過剰でした。大量のゴミを出し、作るのにも捨てるのにも無駄なエネルギーを使い、CO2を大量に排出していました。消費者の意識が変わらなければ企業は変わりません。スマート化により、自分のCO2排出量を知るのもいい方法かもしれません。環境問題は、待ったなしの状況。できることから始めましょう。

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堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げる。9月、3つ目の新会社「わたしをことばにする研究所」を設立。

※『anan』2019年11月27日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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