「最初に原作を読んだ時は、なかなかすごい話だなと思いました(笑)。でも、思春期って誰もが通る道。一見、すごいことを描いているんだけれど、多感な時期に仲村さんみたいな人と出会えば、強く影響されてしまう気持ちもわかるんですよね。そこは観ていただければ、きっと共感してもらえるんじゃないか、と」
監督の井口昇さんが原作を読み、自ら実写化に奔走し8年越しに実現させた作品。そこに春日役として白羽の矢を立てられただけに、「嬉しかったしありがたかった」一方で、「中学生の役だし、自分とはかけ離れたキャラクターだけに、俺が? っていう戸惑いも」。現場での監督の要求も高レベルだったようで…。
「春日がブルマーの匂いを嗅ぐシーンで、分子まで吸い取るように演じてくれと言われたり…。秘密基地にパンツを飾るシーンの監督は、とくにイキイキしていました。監督含め、スタッフさんみんなが作品をリスペクトしていて、チーム全体で作り上げている感じが楽しかったです」
なかには、仲村からブルマーをはかされ恍惚とする場面も。
「ちょっと抵抗はありましたが、経験のないことなので面白いなとも思ってやっていました。仲村さんに殴られて悶えたりしているシーンとか、すごく春日っぽいなと」
作品に引っ張られて、自身の変態性が引き出されたかどうか尋ねると。
「ありました、ありました。撮影中の1か月間は、ちょっとそういうモードになっていました。ほぼ毎日、仲村さんに怒鳴られていたから、ない日が逆にもの足りない気がしたり、怒号を浴びせられながら、もっとないかなって思ったり。そういうM的な部分は、クランクアップしてすぐに引っ込みましたけど。ただ、役者ってみんなどこかM的な部分を持っている気がするんです。悩みたくないのに悩みたがったり、追い込まれたくないのに追い込んだり。でも、それがなくなったら、自分は役者として終了だとも思うんです」
そして「春日のような自分と似ていない役を演じるのは燃える」とも。「自分とは全然違う役ほど興味が湧くんです。ただ、自分が経験してこなかったこと、見てこなかったものを想像だけで演じるのって限界がある。だから、とりあえず何でもかんでもかき集めています。嫌なことがあったり、ふざけんなって思うことも、いつかこの感情が使えるかもって持っておく。それでたまにキャパオーバーになるんですけど」
今回の作品は、「男女や世代の違いで、いろいろな感じ方、捉え方ができる映画だと思う」と話す。
「いち映画ファンとして思うのは、映画の見方に正解はないということ。自由に観て、自分なりの何かを感じてもらえたらいいなと思います」
ちなみに、伊藤さんは女子から迫られるの、お好きですか?
「好き好き。大好きですよ(笑)」
このカラッとした素直さが、伊藤さん自身の魅力だ。
「単にバカなんだと思います。ただ、自分から出てくる好奇心とか直感みたいなものは大事にしてるかな」
『惡の華』 憧れの女子・佐伯(秋田)の体操着を衝動的に持ち帰ったことをクラスの問題児・仲村(玉城)に目撃された春日(伊藤)。仲村に脅迫され、変態行為を強要されるうちに…。監督/井口昇 脚本/岡田麿里 原作/押見修造 出演/伊藤健太郎、玉城ティナ、飯豊まりえ、秋田汐梨ほか 9月27日全国ロードショー。©押見修造/講談社 ©2019映画『惡の華』製作委員会
いとう・けんたろう 1997年6月30日生まれ。東京都出身。ドラマ『今日から俺は!!』や映画『コーヒーが冷めないうちに』などで注目される。無類の映画好きで、『ムビふぁぼ』(TBS系)や『ZIP!』(日テレ系)で映画のコーナーを担当。
カーディガン¥48,000(Y.O.N./STUDIO FABWORK TEL:03・6438・9575) トップス¥14,000(Kazuyuki Kumagai/アタッチメント代官山店 TEL:03・3770・5090) パンツ¥28,000(OURET/the par_k store TEL:03・6416・1056) ブーツ¥37,000(ASICS Walking/アシックスジャパン お客様相談室 TEL:0120・068・8069)
※『anan』2019年10月2日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・高橋 毅(Decoration) ヘア&メイク・山田今日子 インタビュー、文・望月リサ
(by anan編集部)
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