「胸の谷間は皮脂腺が多く、皮脂の分泌が活発な場所」(皮膚科医・堀内祐紀先生)という胸の谷間トラブルの解決方法を堀内先生に聞きました。
質問1 赤いブツブツができるのはなぜ?
【回答】皮脂腺の多さやムレでトラブルを起こしがち。
「胸の谷間は顔のTゾーンのように皮脂腺が多く、汗がこもってムレやすい場所でもあるので、肌トラブルを起こしやすいんです。赤いブツブツもその一つ。それがニキビの場合もあれば、湿疹やマラセチア毛包炎の可能性も。一般の人が見た目で判断するのは難しく、それぞれ対処法が違うので、医師に相談して治すことが大切です」
【対処法】「ニキビの場合は、よく泡立てた洗浄剤で谷間を洗うこと。また、殺菌成分が配合された薬で改善を図ります。湿疹は外からの刺激でできることが多いので、天然素材を選ぶなど下着の見直しを。治療にはステロイド外用薬を用います。マラセチア毛包炎は、皮膚の常在菌が悪さをしてできるものなので、抗真菌薬が有効です」
質問2 谷間だけ肌がザラザラしているのですが…。
【回答】皮脂が角栓となって、毛穴に詰まっているのかも。
「谷間は皮脂腺が多いため、皮脂の分泌も活発で、それが毛穴の中で固まり、角栓となって毛穴詰まりを起こしやすいんです。肌がザラついて感じられるのは、そのためだと考えられます」
【対処法】「肌のターンオーバーを促す塗るタイプのケミカルピーリングで、毛穴に詰まった角栓を取り除き、ザラつきをオフしましょう。一方、角栓をポロポロ取り除くゴマージュタイプのピーリングは、デリケートな谷間の皮膚には刺激が強いので、避けるようにしてください。また、ナイロンタオルでゴシゴシ洗うのも、刺激になるのでNG。手で優しく洗って」
質問3 あせもができてしまいます。
【回答】胸が大きい人は、汗が乾かずかゆくなりがち。
「あせもは赤ちゃんの腕や脚の関節によくできますが、それはそこにムチムチしたお肉が寄って、ムレやすいため。つまり、あせもができる人は、胸が大きいことが原因の一つに考えられます。谷間の汗が蒸発せずに溜まってしまい、かゆくなることがあるんです」
【対処法】「汗をかいたら、こまめにタオルで拭くこと。この時、乾いたタオルではなく、濡れたタオルで行うのがポイント。乾いたタオルだと、皮脂や塩分が肌に残って、それが刺激になるからです。また、谷間にガーゼのタオルを1枚挟んで、汗をかいたら取り換えるという方法もおすすめします」
皮膚科医 堀内祐紀先生 秋葉原スキンクリニック院長。皮膚科の保険診療と、美容皮膚科の自由診療を行う。体の中から皮膚トラブルを改善することを目指し、ピラティススタジオ「STUDIO &A」をプロデュース。
※『anan』2019年9月18日号より。イラスト・HONGAMA 構成、文・保手濱奈美
(by anan編集部)
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