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自宅にいながらメトロポリタン美術館へ アートの世界で加速するシェア文化

2019.7.3
テクノロジーの進化や社会の変化によって、人もモノも、当たり前に国境を飛び越えて、交じり合う世の中に。アートの世界ではどのような変化が起こっているのでしょうか。ウェブ版「美術手帖」副編集長の橋爪勇介さんに教えて頂きました。

ゴッホも! フェルメールも!
家にいながら、世界中のアートにアクセスできる時代が到来。

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アートの世界では今、シェアの文化が加速中だと橋爪さん。

「メトロポリタン美術館など世界中の名だたる美術館が著作権保護期間の終了した“パブリックドメイン”の名作をデジタルアーカイブ化。自由にダウンロード可能な環境を開放しています。しかも、作品によっては使用目的を問わないため、名画をTシャツにしても、額装して部屋に飾ってもいい。歴史的名作は世界中すべての人で分け合うべき共有の財産。SNS時代だからこそ当然となったシェアの文化が、これからの人とアートとの距離を変えていくはず」

世界中の美術館を合わせると500万点以上が利用可能。そんな膨大なアーカイブを利用した新たなサービスも続々、登場している。

「例えばGoogle Arts & Cultureではストリートビュー機能を利用し実際に美術館を歩くようにアクセスできる。地球の裏側のコレクションも自宅で気軽に鑑賞できるんですよ」

世界中のアートに出合えるアプリ Google Arts & Cultureグーグルが提供する驚きのサービス。世界70か国、1200以上の美術館、博物館、ギャラリーが参加し、オンラインで世界的な絵画や美術品、写真や動画を公開。バーチャルツアーで世界中の美術館や世界遺産をお散歩したり、ある芸術家の作品を時系列に検索することも。アートへの関心と知識を多角的に深めてくれる!

美術の世界も“インスタ映え”がキーワード!?
思わず撮りたくなる巨大作品が増加中。

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現代アーティストたちにとってもSNSはブランディングに欠かせないツールになってきている。

「多くのハリウッドスターやセレブリティと同じように芸術家も自分自身で発信する力が問われる時代。日本の芸術家で思いつくのは、村上隆さん。制作風景をインスタにあげるなどSNSを有効利用しています。また、作品自体を広めるためにシェアを意識して制作をするアーティストも増えている傾向にあると思います。例えば、巨大なオブジェは“インスタ映え”し、みんなが拡散するから話題が広まりやすい。国際的に成功しているアーティストほどいち早くそこに目をつけていると思います」

カウズは今年、全長37mの巨大バルーンを香港のビクトリアハーバーに浮かべ、展示室を飛び出すサイズ感で話題をさらった。

「写真を撮ることが展示に足を運ぶモチベーションになる時代。著作権の問題はありますが、撮影禁止と縛るより自由にシェアできることこそが、これからのアートに必要なことのように思います」

KAWS 「KAWS:HOLIDAY」香港・ビクトリアハーバー アメリカ出身のストリートアーティスト・KAWS(カウズ)。今年3月、「香港アートマンス」で発表したのはぷかぷかと海に浮かぶカウズのキャラクター「COMPANION」。全長37mは自身の過去作品の中でも最大だとか。

ウェブ版「美術手帖」副編集長 橋爪勇介さん 2017年にスタートしたウェブ版「美術手帖」に立ち上げより参加。日本のみならず海外も含めたアート・カルチャーのニュースを発信。

※『anan』2019年7月10日号より。取材、文・梅原加奈

(by anan編集部)

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