あの“NGワード”小説がドラマに! 夫婦の悩みの行く末は…

2019.3.23
『夫のちんぽが入らない』…!? このドラマの演出を手掛けているタナダユキさんも、「挑戦的」と表現するほどインパクトの強いタイトル。原作は主婦であるこだまさんによる私小説で、“夫のちんぽが入らない”ことで生じた20年にも及ぶ苦悩や紆余曲折が描かれている。

シリアスだけど、くすりと笑える。衝撃的タイトルの私小説がドラマ化。

ottono

「テーマはシリアス。でも、筆致にはユーモアがあるんです。人間、追い詰められたら、笑うしかないのかも。主人公は時に突拍子もない行動をとりますが、それが理解不能というより、むしろ共感さえ覚えてしまう。もしも主人公が悲劇のヒロインとして描かれていたら、私はこの仕事を受けていなかったと思います」

まさに究極的な状況でも忘れないユーモアこそが、この作品の魅力であり、そこはドラマでも大切にしたかった、とタナダさんは言う。劇中で主人公夫婦を演じるのは、石橋菜津美さんと、中村蒼さん。

「性的な内容が多い作品なので、俳優さんが肉体をもって表現しなければいけない場面も、もちろんあります。そのあたり、とくに石橋さんはオーディションだったので、覚悟を持って来てくれていました。私は肉体を作品として捉える時に、美しく撮ることがすべてだとは思っていないんです。むしろ、油断している体にこそリアリティがある。そちらをいかに捉えるかを、意識しました」

夫のちんぽが入らないという、人にはあまり言えない悩みを抱えた夫婦の、一筋縄ではいかない物語。

「この作品には、夫婦とは、セックスとはなんぞやということに対する答えはありません。自分だったらどうするか。自問自答しつつ、楽しんで見ていただけたらと思います」

ottono

タナダユキ 1975年8月12日生まれ、福岡県出身。映画監督。『百万円と苦虫女』で日本映画監督協会新人賞受賞。今秋『ロマンスドール』が公開予定。

『夫のちんぽが入らない』 大学で出会い、交際を始める久美子と研一。初めての夜…。彼の性器が入らない! 状況は改善しないものの、愛し合う二人は結婚。これでいい、いやいつか。そんな葛藤を抱える二人の行く末は。FODとNetflixで配信中。

※『anan』2019年3月27日号より。写真・水野昭子 取材、文・保手濱奈美

(by anan編集部)

大野いとさんも走り始めています! 美しいランナーになるために心がけたいこと。