映画や展覧会、CM、舞台芸術にファッションと、あらゆるジャンルとコラボレーションするとともに、個人の作品も発表している蓮沼執太さん。多岐にわたるプロジェクトの中で、最も人数が多い「蓮沼執太フィル」としての新作をリリースする。
蓮沼執太

「主にひとりで音楽を作ってきたんですが、最初は5人編成のバンドから、さらにもっと楽器の種類を増やしたアンサンブルにしたくて、欲しい楽器の演奏家にオファーして、フィルがスタートしました」

当初はライブのためだけに集まる蓮沼フィルだったが、当時15人のメンバーと共に、2014年に1stアルバム『時が奏でる』を発表。その後、蓮沼さんはNYに活動拠点を移し、ソロ活動などに没頭。その間、蓮沼フィルの活動は休止に。

「2年前に久々に集まって演奏してみたら、音が全然変わっていて、昔の曲もすごく新鮮に聞こえたんですよ。ひとりで音楽を作っている時とはまた違う感動がありました。またメンバーみんなと一緒に演奏したい、と強く思いました」

その成果が4年半ぶりに完成した最新アルバム『アントロポセン』だ。フィルのメンバーも16人の大所帯となり、サウンドも進化。

「16人がそれぞれクラシックやジャズ、バンドなど異なるフィールドで独立し、活躍している方々ばかりです。一緒にツアーを続けて、どんどん演奏が良くなる、ということはあるけど、この2年間ほとんど会ってないんです。だけど感動するほど音が変化したのは、時とともにひとりひとりの人間性が変化しているのではないでしょうか。そんなふうに解釈しています」

蓮沼執太

出自が異なる10数人の楽器演奏者と女性ボーカリストにラッパー。コンダクターの蓮沼さんは歌も担当する。メンバー全員が思い思いに解釈して演奏するアンサンブルは、クラシックやポップス、ジャズとも違う新しい世界を感じさせる。ふわりとした浮遊感に包まれ、いい香りがするような、有機的なサウンドだ。失礼ながら、何度もリピートして聴いていると眠くなります、と言うと…。

「眠気を誘うほど気持ちいい音楽は、いい音楽だと思っています。僕は耳触りの良さや音の質感を大事にして音楽を作っているので、このアルバムもマイナスイオン的なものが出ているのかもしれないですね(笑)」

はすぬましゅうた・ふぃる 2010年に結成された現代版フィルハーモニック・ポップ・オーケストラ。8/18東京・すみだトリフォニーホール、9/16名古屋・ナディアパークデザインホール、9/17大阪・千日前ユニバースでコンサート予定。

2nd Album『ANTHROPOCENE(アントロポセン)』¥3,300*税込み クラシックからワールドミュージックまで、さまざまな楽器の音色が美しいハーモニーを紡ぎ出すアルバム。7月18日発売。(COLUMBIA)

※『anan』2018年7月18日号より。写真・神藤 剛 文・北條尚子

(by anan編集部)


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