男性よりも女性のほうが冷えやすいのはなぜ?
「女性が男性に比べて冷えやすい理由の一つは、筋肉量の違いによるもの。もともと筋肉の多い男性は基礎代謝が高く、よりたくさんの熱エネルギーを体内で産生することが可能です。もう一つはホルモンの影響。女性の体温は1か月の中でもホルモンバランスによって0・3℃程度上下します。生理中にカラダが冷えやすいのも、このことが原因」
しかし成城松村クリニック院長・松村圭子先生によると、最近は男性の“隠れ冷え症”も増えているんだとか。
「原因は、運動不足です。現代はメール一本で仕事ができる時代。カラダを動かす機会がどんどん減っているのです。“便利な世の中が冷えを引き起こしている”というのは男女共通の問題なのかもしれません」
「冷え体質」は遺伝する?
冷え症の自覚がある人の中には、「実は家族も冷え症だから」と諦めてしまっている人もいるかもしれない。実際、冷え体質は親から子どもへ遺伝するもの?
「例えば、筋肉のつき方や脂肪の密度など、体質的な要素が遺伝するということは確かにあります。ただし、体質は生活習慣を変えていくことである程度改善可能なもの。逆に、遺伝的には冷え体質でなくても、運動不足やストレスが原因で冷えを引き起こしている人が多いのも事実。どちらにせよ対策は同じなので、いかに日々の生活の中で冷えと向き合っていけるかがカギとなります」(医学博士の福田千晶先生)
カラダが芯から冷えた時、はじめに温める部位は?
「例えば、『今日は寒いな』と思った時、両手をこすり合わせて暖をとることがあると思います。実は手のひらや足の裏には、毛細血管が網目状に張り巡らされているため、単位面積あたりの血管の数が多いという特徴があります。末端なので冷えやすいイメージもありますが、カラダが冷えきってしまった時には、まずここを温めることで効率よく全身に熱を送り出すことができます。おすすめは手湯や足湯。洗面器に熱めのお湯をたっぷり張り、5~10分ほど浸すだけで、カラダの芯からポカポカに温まりますよ」(福田先生)