悩めるアラサーの本音! マンガ『地獄のガールフレンド』に共感

2017.6.8
鳥飼茜さんのマンガ『地獄のガールフレンド』は、アラサー女子の悩み、本音と共に、女同士の友情を描いた作品。
地獄のガールフレンド

「女の敵は女」だなんて誰が言い出したのか知らないけれども、そんなことをはなから望んでいる女性などいないはず。女3人のシェアハウス模様を描いた鳥飼茜さんの『地獄のガールフレンド』は、一軒家で繰り広げられる他愛もないおしゃべりに大いに共感しながら、女の友情に夢と希望を与えられる作品だ。

「自分はこんなに頑張っているのにこの人はそうじゃない、みたいなことでイライラする人はたくさんいますが、そう思っている人と思われている人が、折り合いをつけられたらいいなという気持ちがありました。会社の同僚だったら仲良くなれないようなタイプでも、一緒に暮らして手の内を知ったらわかり合えることがきっとたくさんあると思って」

同居メンバーは、バツイチシングルマザーで、“お母さん”という役割を世間から強いられることに違和感を覚える加南(31)。長らく彼氏がいなく、会社でも損な役回りのマジメOL・悠里(28)。恋愛体質で人に甘えるのが上手な家主の奈央(36)。年齢も境遇も価値観も異なる、もともと他人同士の3人が、慎重に距離を測りながら、それぞれのペースで心を開いていく過程が痛快だ。

「女性が同性に求めることは男性に求めることとそもそも違うから、こちらが心を開いたら相手も簡単に鎧を捨てるような気風のよさがあると思うんです。実際はこんなにうまくいかないだろうけど理想を描きたかったというのはあります」

加南が批判されることを承知で「お母さんやめたい…」と吐露したり、悠里が「母とか嫁とかいう女たちが嫌いだ」と心のなかで毒づいてみたり、世間的にはタブーとされているような本音が漏れる場面も。

「独身女性だから、母だから、こうあるべきっていうことが多すぎて、そこから脱落している人に手厳しい世の中で、張り詰めて生きることに疲れてしまっている人が多いと思うんです。『できなくてごめんなさい』と素直に言えたらもっと楽だし、ダメだからこそ助け合える関係がもっとあってもいいはず」

タイトルに“地獄”と冠したのは、女性が直面している世知辛さを表現したかったのと同時に、アメリカ初の女性国務長官になったマデレーン・オルブライト氏の「女同士で助け合わない女性には地獄が待っている」という趣旨のスピーチに感動したから。シェアハウスでの軽快なトークには「女の味方は女」という切実なメッセージが込められている。

『地獄のガールフレンド』 女3人が繰り広げる、オバサン問題、受け身の性欲、元カレ気持ち悪い問題、男女間の戦争など絶妙なトークは著者が身を削って描いたからこそのリアリティ! 祥伝社 680円(C)鳥飼茜/祥伝社フィールコミックス

とりかい・あかね 現在、「先生の白い噓」「ロマンス暴風域」「前略、前進の君」連載中。さらに今月より『ダ・ヴィンチ』にて「マンダリンジプシーキャットの籠城」を連載開始。

※『anan』2017年6月13日号より。写真・水野昭子 インタビュー、文・兵藤育子 

(by anan編集部)

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