佐々木:いま神木君って、いくつ?
神木:23です。
佐々木:俺が大学で芝居を始めたのがその年齢くらいだよ。で、この仕事はいくつからやってるの?
神木:2歳です。初めてドラマをやらせていただいたのが5歳でした。
佐々木:歌舞伎役者と同じやな(笑)。芸歴20年って、キャリアで言ったら俺より長いんちゃう?
神木:えっ!?
佐々木:だって俺、テレビとかに出始めたんは30歳になって、東京に出てきてからやから…19年? 20年経ってないもん。先輩やん。
神木:いやいや…。でも、舞台はその前からされていましたよね?
佐々木:やってたっていっても、大学のサークルの延長みたいなもんで、卒業してもまだ終わらせられなかったっていうだけだから。まあ、いまもそれが続いているようなもんなんだけど。神木君は、最初はもちろん親御さんの希望で始めたことだったと思うけれど、自分で芝居を続けていこうって思ったのは何でなん?
神木:ただただ楽しいっていう思いだけでやってきたんです。
佐々木:楽しいって気持ちで続けてこられたんか!? それはすごいな。
神木:…はい。それこそ物心ついた時から現場にいたのですが、話すことが好きで、最初はたくさんの人と話せるのが楽しかったんです。そのうちに、違う人間になるのが楽しくなったんです。で、高校生の頃にハッカーの役をいただいて、そこから役作りがすごく楽しくなったんですよ。それまでは、どこかしら自分との共通項を見つけて演じていたのですが、ハッカーはどうしたって自分と共通点が見つからないんです。それで、初めてキャラクターを作るということを考え始めて。例えば、落ち着かない雰囲気を表現するにはどうしたらいいんだろうって思って、机をカチカチ指で叩いてみたり、途中から貧乏ゆすりしてみたり。セリフを言いながら、どういう動きをしたらどう見えるのか考え始めたら、それがすごく楽しくなったんです。でも一番は、やっぱり違う人間になれるのが面白いんですね。僕自身では味わえない状況や感情を味わって、一体どこまで自分が表現できて、どんな表情をすることができるんだろうって思うんです。もしかしたら、自分の予期せぬ表情とかに出合えるかもしれなくて、それが毎回楽しみで仕方ないんです。
佐々木:はぁ~、すごいなぁ!
神木:でもそれは、自分自身がつまらないからなのですが…。なので、役を与えてもらって、自分にもこんな表情やこんなことができるんだって発見できるのがうれしくて。
佐々木:若くして、そんな境地にまで達していらっしゃるんですか。
神木:何をおっしゃいますか!
佐々木:いまその年でそこまで考えていらして、一体この先、どこへ行かれようとしているんですか?
神木:やめてください(笑)。
佐々木:俺なんか、全然楽しくないよ。ほんのたまに…奇跡みたいな瞬間はあるけれど、どんなに考えてやってもなかなか思い通りにいくものでもないし、思い通りにいけば楽しいかといったら、それも違うだろうし。ただ、自分でも予期せぬことが起こって、思わぬ発見があった時は楽しいかもしれないなぁ。
神木:では、蔵之介さんが芝居を辞めずに今まで続けてきた理由は何ですか?
佐々木:何だろうなぁ…。映画のなかで島田が、「(天才棋士の宗谷が自分の遥か上を行くからって)オレが努力しなくていいってことにはならない」っていうセリフを言うでしょ。僕自身は、誰かを目指しているわけじゃないけれど、そういう気持ちはなくもないかな。毎作品毎作品、自分の考える到達点に辿り着けずに足りない足りないと思いながらやってきて、振り返ってみると、それはサークル時代からずっと変わってない気がする。たぶん、どこかで到達できたって思えていたら、もう役者やってなかったかもしれへんな。
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