その手で私のアソコを触るの? 直前で未遂に終わった「27歳処女のエッチな体験談」

陽菜（27歳）、彼が清潔さレス。「それやめて」って言っていいの？

【レスなひとびと】vol. 207

コロナ前から、帰ってきたら手洗いうがいは当たり前。みんなそうだと思ってた。それって今の常識じゃん。

陽菜は歯科衛生士をしている27歳。職業柄、清潔さには人一倍気を配っている。

ひとつ、陽菜にはコンプレックスがある。それは、エッチ未経験なこと。誘われた経験はそれなりにあるが、どれも直前になって、拒否ってしまう。

そんな陽菜にも、彼氏ができた。映像制作系の会社に勤める、同い年の航だ。付き合って３か月。デートのたびに「そろそろいいよね？」というオーラをムンムン感じる。

「このあとどうする？　うち、ここから歩いて15分くらいだけど」

新宿３丁目のワンコインバーで飲んだあと、ついに家に誘われた。これってそういうことだよね。迷ったけど、航ならいいかと思って、ついていくことに。

「いや、今日陽菜が来るかと思ってさ、掃除したんだよ」

ドアの鍵を開けながら、照れ笑いする航にキュン。女性の扱いに慣れていそうなのに、こうやって照れる姿を見せられると、陽菜を心から好きでいてくれてると実感できる。

シックな色でまとめられた広めの１LDK。真鍮とガラスでできた間接照明がおしゃれで、ドラマの撮影にそのまま使えちゃいそうな雰囲気だ。でもよく見ると、部屋のすみっこに、ホコリがたまってる。
掃除機かけるの下手なんだな。

「洗面所ってこっち？　手、洗いたいんだ」

「こっちだよ、タオルはこれ。新しいの使って」

「ありがとっ」

陽菜は水を出して、Aesopのおしゃれなハンドソープをプッシュする。すると、先のほうがちょっと固まったソープが出てきた。むっ、もしや普段、使ってない？

リビングに行くと、航が水出しの紅茶とクリームチーズの乗ったクラッカーを用意してくれていた。テーブルに運んで、ソファでおしゃべりしながらつまむ。ソファには青いシーツがかかってるが、さっき、めくってみたら、油染みの本体が見えた。

「それでさ、陽菜ちゃんの秘密あるって言ってたっしょ。俺だけに教えてよ」

「や、たいしたことじゃないんだけど」

「待って、当てるから。うーん、ホントは結婚してるとか」

「そんなわけないじゃん〜」

「だってこんな可愛いんだよ。ありえるっしょ」

航、おそらく本当は気づいてる。陽菜の秘密が「処女だ」って。でも、あえて指摘せず、つっこめる回答をするところがやさしい。ほぐれた場の空気に乗って、陽菜は勢いで言った。

「まだ、そういう経験がないっていうか」

「なんだ、そんなこと」

気にしないよ、と航は告げて、腕を肩にまわしてくる。航はやさしい、きっとはじめてのエッチしても大丈夫。でも…

酔っ払って汗ばんでかゆいのか、航はさっきから頭皮をポリポリ掻いてばかり。鼻水も指でぬぐってる。ん？？
（この手が私の中に入ってくることだよね…！？　息はミントの匂いだけど…やっぱり無理！）

「うん、でもまだ怖いから、今日は帰るね」

「えっ、何もしなくてもいいから泊まってきなよ」

「でもほら、メイク落としとか持ってきてないし」

あ！　玄関に並んでるスニーカー全部、ドロついてて異臭してんじゃん。玄関脇にファブリーズが転がってるけど。

逃げるように、航の家をあとにした。

【三松さんからのコメント】

いつもはしない掃除して、息をミントの香りにして。航さんもきっと、最大限気を遣っていたのでしょう。
ただ、やっぱり無意識のうちにしている癖や、普段の生活っぷりは、見えちゃうものです。航さんはきっと、陽菜さんのテンポに合わせて十分エッチを待ったし、「なんも嫌がることしていないのになんで？」とポカンとしてるはず。
今まで指摘されてこなかったので気づかない。あっ、そんなんぜーんぜん気にしない女性だっていますもん。

一方、陽菜さんは清潔好き。普段の手洗い習慣や、頭皮ポリポリから航さんのベッドの清潔さとエッチのことを想像してしまった。
一気にイヤになってしまってもしょうがない。

「やめてー」と言って、ポリポリをやめさせるのも手。それを言える関係性ではないのなら、無理してエッチに進まなくてOK。女性のフェムゾーンは男性のソレよりも、中に入っているぶんデリケートですから。最中も事後も、「汚い汚い」と心配な気持ちが続くようでは、幸せなエッチとは言えません。

この事例を見てドキッとしたメンズのみなさんがいたら、要注意！
「うちの彼女も俺のこときたねえって思ってんのかよ」と察してね。

「手洗いもアルコール消毒もしない清潔さレス男。ワイルドで好みだわあと思える女性ならそれでよし。ただ、エッチ時に感染症にならないよう衛生概念は教えてあげましょう」

https://feminish.jp

『妻で母ですが、女性風俗にハマりました　咲子の場合 』
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三松　真由美　
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター４万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』（kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。

『相互アリバイ妻　ママ友同士で浮気のアリバイ作ってます』（KADOKAWA)
原作：三松真由美　漫画：カナメキヌコ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322206000767/

©dragana991/Gettyimages