
顔のたるみ、慢性的な肩コリ、理由のわからないイライラ…。その不調、実は“あごのズレ”が引き起こしているのかもしれません。あごを整えれば、体も心も変わります。
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教えてくれた方
Profile
薩摩宗治
柔道整復師、歯学学士。「さつま骨格矯正Group」総院長。症例数は42万件以上。セルフケアグッズも開発。近著に『疲れはあごが9割 24時間戦う脳と身体をリセットする技術』(東洋経済新報社)が。
全身不調ドミノの出発点。歪みやすいあごを日々調整
頭蓋骨にぶら下がるあご。この不安定な状態で咀嚼筋などと連動し、食べ物を食べるだけで1日1800回以上も動き続ける働き者だ。
「あごの骨はよく動くので、動かし方のクセで歪みやすいんです。さらに、長時間の猫背などがあごまわりの筋肉に負荷をかけ、歪みを悪化。女性は、男性より骨の質が柔らかいといわれ、歪みやすい傾向もあります。また35歳あたりから、成長因子の分泌が減っていくので、歪みを自然に修復する力も衰えます。歪みをそのままにしないため、大人女性こそセルフケアがマストです」(柔道整復師・薩摩宗治さん)
あごがズレればフェイスラインが崩れる。さらに、筋肉の緊張から首や肩のコリが生じ、脳への血流が低下。自律神経が乱れてメンタルへの悪影響までと、不調は全身に及ぶ。
「逆を言えば、あごは骨格と不調のリセットボタンのようなもの。歪ませる生活習慣を見直し、あごを正しい位置に戻すエクササイズを毎日の習慣にすれば、健康なあごが戻り、不調を改善できるのです」
骨で比べる。正しいあご、ズレたあご

横ズレ/あごの高さに左右差が生じ、正中線がズレると、口を大きく開きにくく顎関節症になりやすい。

前後ズレ/ストレートネックだとあごが下に落ち、中顔面(目から上唇まで)が長く伸びてしまう。
実はそれ、あごのせいかも…? 全身へのトラブル連鎖
✅ 顔のたるみ
あごのズレは、顎関節の周辺や胸鎖乳突筋など、首まわりの筋肉を慢性的に凝り固める。すると顔の余分な水分や老廃物の排出が滞り、むくみやたるみが起きやすくなる。猫背で首やあご下の血行が滞るのもたるみの原因に。
✅ 首・肩コリ
原因はスマホやパソコンを覗き込む姿勢。首がまっすぐ前に伸び、あごが下に落ちるので咬筋に負担がかかる。本来のバランスが崩れ、首の筋肉があごを支えようと硬くなるため、首・肩コリを生む。
✅ 慢性的なイライラ
あごのズレによる首の骨の歪みは、脳への血流を低下させ、脳から指令を出す自律神経の乱れの原因に。また、上あごの前歯の裏付近にある、リラックスに導く神経を正しく刺激できないので、常に緊張状態になりやすい。
DAILY|ズレたあごをリセット! 毎日の意識で変わるミニ習慣
普段何気なくしている食事中の噛み方、座り方や歩行など、日々の習慣が歪みを悪化させている可能性大。3週間続けると、やらないと落ち着かないという気持ちに変わる。そうなれば確実にあごも体調も変わります。
1. 噛む時は利き腕の逆側を多めに使う

物を噛む時、無意識のうちに利き腕側を使いがち。噛みグセを放っておくと、噛んでいる側の咀嚼筋ばかり発達し、歪みへとつながる。利き腕の反対側を多めに使うようにしよう。
2. 食事の時以外は上下の歯を離す

唇を閉じた時、上下の歯の間には2~3mmの隙間ができるのが自然。歯が触れ合っていると、終始筋肉が緊張状態になる。食事以外の時に歯を噛み締めていないか確認を。
3. バッグは“下がっているほうの肩”にかける

バッグをいつも同じ側の肩にかけると体が歪み、あごがズレる。そんな人はあえて下がっている側の肩にバッグをかけてみて。落ちないように肩を上げるため、左右差の解消に。
4. 靴底が減りやすいほうの足を高く上げて歩く

靴の裏を見て、片足だけ減りが早いならあごも歪んでいる証拠。すり減っているほうの足をちゃんと使うよう、いつもより足を高く上げ、足裏をしっかり地面から離すよう歩いて。
5. 椅子には深く腰かける

脚を組んで座るのは厳禁。対策としておすすめなのは、椅子に深く腰かけること。これで脚を組みにくくなる。我慢できない場合は、組みたいほうとは反対の脚を組むといい。
6. ショート動画は控えめに

集中するとあごが後ろに下がり、上下の歯が接する食いしばりの状態になりがち。筋肉にも脳にもストレスがかかるので、つい没頭してしまうショート動画は視聴時間を限ること。
EXERCISE|1日3回、5秒から! 2週間で変わるあご整えメソッド
緊張状態を緩めながら、重いあごを支える舌周辺の筋肉も鍛えるエクササイズ。1〜7でワンセット、1日3回行うのが目安です。難しければ夜に1回だけでも実践を。各ステップ5秒から始めて、だんだん時間を延ばしていけばさらに効果アップ。2週間で変化を実感できます。
1. 舌を上向きに突き出し、肩を外側に回す

正面を向いたまま、できるだけ舌を天井に向けて上げ、肩を外側にゆっくり回す。全身の筋膜とあごが一気に整い、呼吸も深く入る。
2. 耳下腺(耳の下)をプッシュしてほぐす

唾液を作る最大の唾液腺・耳下腺。耳の前から下、あごの上のあたりにある耳下腺を、イタ気持ちいい程度にほぐす。頬のコリも解消。
3. 耳全体を掴んでゆっくり回す

耳周辺には、あごを支えている筋肉の付着部が集中。両方の耳を親指と人差し指で掴み、前や後ろに回し、筋肉の緊張をリリース。
4. 首の後ろをつまみながら、少しずつ位置をずらしてほぐす

前かがみの姿勢で、大きな負担がかかる、首の後ろの筋肉をほぐす。首の後ろ側を上から下に向け、何か所かつまむようにほぐす。
5. 舌を軽く噛みながら、首を時計回り・反時計回りに回す

首と一緒に口の中も緩められるステップ。両手を胸の前でクロスし、舌を軽く噛んだまま首を時計回り、反時計回りに回す。
6. 舌を軽く噛んだまま視線を左右に動かし、最後に1周させる

5と同様に、舌を軽く噛んだまま、視線だけ左右に数回動かし、最後に1周。これで、舌や口まわりの筋肉がよりリラックスできる。
7. 仕上げに肩をもう一度外側に回す

舌を元に戻し、ゆっくり肩を外側に回す。猫背で縮こまりがちな胸を大きく開いて、筋肉をリセットしよう。
anan 2517号(2026年10月28日発売)より

































