
美容や健康のために"腸活"を意識するのはもはや常識。でも、それがどう体に作用しているか理解している人は少ないかも。最新研究で判明した老化スピードを遅らせるメカニズムについて、消化器病専門医・工藤あき先生に聞きました。
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近年、美容や健康のため特に注目される方法のひとつが「インナーケア」。なかでも腸内環境を整える"腸活"は、意識して取り組むのがもはや常識になっています。しかし、ひと口に"腸活"と言っても、実際におこなっていることがどう体に作用し、どんな良いことが起きるのかまできちんと理解している人は少ないかもしれません。
今回は、腸内の代表的な善玉菌である"ビフィズス菌"の老化スピード抑制という最新の研究結果について、一般内科医/消化器病専門医の工藤あき先生に伺います。
Q1. 同窓会に行くと、同じ年なのに若く見える人と老けて見える人が。見た目の老け方に違いが出るのはなぜですか?
A. 見た目が若い人は、体の中身も若いということがわかってきました!
工藤先生
しかし近年の細胞レベルでの研究では、見た目が若い人は体の中身も若いということがわかってきました。
つまり、生まれてから同じ年月を過ごしてきても、体の中の「老化度」には個人差があるということ。これは遺伝的な要素もありますが、多くの場合、食事や生活習慣といった後天的な環境によるものとされています。
「シミやシワが気になる」「物忘れがひどくなった気がする」「疲れやすくなった」といった悩みも、同じ年齢であっても生物学的な年齢によって差が出てきます。
ただ、最新の研究では、老化のスピードを抑制できる可能性も見えてきているのです。

Q2. 老化スピードを抑制できる可能性が? 詳しく教えてください!
A. ビフィズス菌配合ヨーグルトの摂取と食事・運動習慣の見直しが重要です!
工藤先生
さらに、ヒトについても研究が進み、海外では約25%のカロリー制限を2年ほどおこなった調査で、老化スピードが2〜3%低下したという結果が出ています(出典:Nat Aging. 2023 3:248–57.)。
このこと自体も驚くべき結果ですが、今年の7月には日本で画期的な研究成果が発表され、話題になっています。
それは、12週間(約3か月)で老化スピードが約2.3%低下したというものです。ビフィズス菌BB536配合のプレーンヨーグルト1日100gを毎日摂取し、1日30分以上のウォーキングなどを週3回以上実施、さらに、食べすぎや偏りのある食事、間食習慣の見直しを続けた結果、このような変化が確認されました。
この老化スピードの減速は、体重やBMIの変化や運動回数の変化量との明確な関連性は認められていないんですね。つまり、単なる減量や運動量等ではなく、ビフィズス菌配合ヨーグルトの摂取と食事・運動習慣の見直しの「複合的作用」が関与している可能性が考えられているのです。
日本で食品を使って老化スピード抑制の結果が出た研究は初めてなんですよ。2年もの長い期間のカロリー制限による結果とほぼ同等の結果を、日常的にスーパーなどで購入できるビフィズス菌入りヨーグルトの摂取や運動習慣および食べすぎない生活を3か月続けただけで得ることができたというのは、誰にでもトライしやすいですし、私も個人的に嬉しいニュースだなと感じています。

Nishimura et al. Aging. 2026.をもとに作図
Q3. ビフィズス菌が老化スピードを抑制するのはどういうメカニズム?
A. ビフィズス菌が体内の炎症を抑えることがわかっています!
工藤先生
ビフィズス菌がこの炎症の持続を抑えることがわかっており、それが老化スピードの抑制に働いたのではないかと考えられています。
また、順天堂大学の研究では、ビフィズス菌を12週間摂取することで、シミや毛穴スコアの改善が見られたという研究結果も確認されています。このような研究からも、体内の老化スピードだけでなく、見た目の印象にも関わってくることがわかってきています。
腸内環境が与える影響は、お腹の調子だけでなく全身に及ぶことが知られるようになってきましたが、実はお肌とも結びついています。便秘になると肌荒れしやすいと感じる方もいると思いますが、それらの根拠を示す研究も、近年盛んにおこなわれるようになってきたのです。

12週間、ヒトの腸にすむタイプのビフィズス菌を飲んだ女性の画像。シミの数が減少している(画像:順天堂大学研究グループ提供)
Q4. これから"ビフィズス菌"を積極的にとりたいと思いますが、オススメの摂取法はありますか?
A. 無理なく続けることが大切です!
工藤先生
ただ、ここで注目していただきたいのが、ヨーグルトならばどれでもビフィズス菌が入っているわけではないということ。市販のヨーグルトでビフィズス菌が配合されているものは2割程度しかないそうなんです。
ヨーグルトを選ぶときは、パッケージにビフィズス菌入りと記載されているかを確認して購入し、毎日継続して食べてみてくださいね。

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全身の健康の要である大腸。今、現代日本人の健康を脅かしている「大腸劣化」の認知を広げ、対策意識を高めていくための情報発信を続けているのが、「大腸劣化」対策委員会。ウェブサイトには、医師をはじめとする専門家の知見がたくさん集まっています。
お話を伺ったのは…
Profile

工藤あき先生
1988年生まれ。一般内科医/消化器病専門医。日本内科学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医の資格を有し、現在は東京都内の複数のクリニックで兼務しながら、講演会やメディア登場など幅広い活動を展開。腸内細菌・腸内フローラに精通し、腸活×菌活を活かした美肌やエイジングケア治療が人気を集めている。































