
中央公論新社/¥2,200
関係者への取材を重ねながら、女性用風俗を利用した体験と逡巡する想いを綴ったルポエッセイが話題の藤谷千明さん。いま性風俗や性愛について思うことを尋ねました。
教えてくれた方
Profile
藤谷千明
フリーライター。著書に『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』(幻冬舎)など、共著に『バンギャルちゃんの老後 オタクのための(こわくない!)老後計画を考えてみた』(ホーム社)など。
マジョリティの性と自分の欲望に目を向けて
漫画のテーマとして描かれることも多く、近年、注目を集めている女性用風俗、通称“女風”。実際に利用したフリーライターの藤谷千明さんは、“すごくよかった”という興奮と“これは性的搾取ではないか”という想いが同時に湧き上がり、自分が何にお金を払ったのかや、男女の性欲に違いはあるのかについて考え始めたという。
「性風俗を利用する女性は理由を求められたり、自分がしたことに対する逡巡など内面の話が取りざたされることが多いですよね。その点、男性は当たり前に“セックスがしたいもの”だと思われていて、風俗に行く理由も問われず、ブラックボックスになっています。
一方で、男性の性欲は女性と比べて蔑まれているのではないかと考えることも。
『人恋しくて女性用風俗に行ったあとで考えたお金とケアと欲望のこと』を書こうと思った一因は、私が出会った女風セラピスト、ルカの《『女風は男性用風俗と違う』と思いたがる人は、男性の性欲を『自分たちと違う』ってバカにしてるんだよ。(中略)そこで働く女の子のことも見下しているよね》という言葉でした。女風を利用した時、自分の欲望の後ろめたさばかりを考えていた中で、1段階、視点を外に向けて考えてみようと思うきっかけに。
私たちは、当たり前だといわれていること、『マイノリティの性に理解を』とはよく言われますが、そもそも自分たちの、マジョリティの性すらわかっていないのでは? と思うようになりました」
自身の性愛や欲望について知る大切さも感じるように。
「自分の感覚が“普通”だと思っている人は多いですが、自分とパートナーが考えるセックスの範囲や欲するものが違う可能性は十分にあります。また、SNSなどの主語の大きな意見に引っ張られて、自分の欲望を見失っている人もいるはず。正しいセックスや欲望というものは存在しないので、模索や対話を続けることで納得できる関係を得たり、満たされる近道になるのかなと」
25〜39歳の一般女性200人にアンケート!


女性用風俗の利用経験者は全体の11%と少数派ながら、利用回数を見てみると2~3回が5.5%、4回以上が3%とリピート率は高め。また、興味を持っている人の割合は全体の4分の1という結果に。その中の11%が「実際に利用してみたい」と回答した。利用者は今後増えそうな予感。





























