
松本若菜さん
等身大の姿が、世代を問わず女性たちの共感を集める松本若菜さん。出演中の日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』についてお話を伺いました。
放送中のTBS系日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』では、妻夫木聡さん演じる主人公・栗須栄治の元恋人・野崎加奈子を演じている松本さん。
「社会派からヒューマンドラマまで、大人がのめり込めるどっしりとした作品を作り続けている日曜劇場。ずっと憧れていた“ブランド枠”に、レギュラーとして出演させていただけるという連絡をもらった時はとても嬉しかったし、その日のことはよく覚えています」
毎回、ベテラン俳優から実力の伴った若手まで、そうそうたるキャストが参加する日曜劇場。今作も話題をさらっている。
「妻夫木さんは、兄貴肌の一面を持ちながらお茶目な部分もあって、朗らかでとても素敵な方。佐藤浩市さんは『おい松本!』なんて呼んでくださるのがすごく嬉しくて(笑)。主要キャストが集まっての大人数の撮影時は、先陣を切っていろいろ意見してくださったり、周囲を和ませてくださったり。そしてそこにツッコむ妻夫木さん、みたいな。緊張感がありながらも、和気藹々とした楽しい現場です。
加奈子の息子・翔平を演じている(三浦)綺羅くんは、いまはなんでも吸収できる世代。すごく大人びた意見を言ってきたかと思えばゲームの話に夢中になったりもするんですが、その柔軟性は勉強になります」

演出は「
」にもご登場いただいた、塚原あゆ子さん。「生きた芝居をとても大切にされ、違和感があるのを嫌う方。例えば、加奈子は競走馬の生産牧場の娘で、早朝から家事とお馬さんの世話に追われる忙しい毎日を送っている中で、服が汚れていないのはおかしいからと草や泥で汚したり、電話するシーンでも、ただ電話だけする人ではないはずだと。
相手と話しながら、息子のごはんを作ってお弁当箱を出してとか、牧場に来たお客さんとも、手を休めることなく作業をしながら話さないと時間がもったいないよねって。慣れていない牧場仕事と同時にセリフを言うのは結構大変なんですが、“その場に生きている等身大の女性”であることを大事にしながら演じています。
競走馬の血統や継承を軸に、人間と競走馬の20年間を描いた物語。ラストスパートに向けて新しいキャラクターも登場しますし、人々の絆や想いも変化していくので、最後まで見届けていただけたら嬉しいです」
俳優デビューをして18年。20周年を視野に入れて、いま目標に掲げるものとは。
「昔も今も、将来の理想像みたいなものはあまりなくて。目標を掲げた時点で、そのことばかり考えてしまうんです。それよりも、目の前にあることに集中力を持って真剣に向き合っていくほうが私には合っていると思う。一日一日をしっかり生きていきたいです。そして一日の終わりには、ベッドに愛猫とドンッと横たわる。そこで今日もやり切った、明日も頑張ろう! と思えることが一番心地いいんですよね。私らしい姿でいられる瞬間でもあります」
Profile
松本若菜
まつもと・わかな 1984年2月25日生まれ、鳥取県出身。2007年に俳優デビュー。ドラマ『西園寺さんは家事をしない』『わたしの宝物』『Dr.アシュラ』ほか主演作を多数持つ。現在放送中のTBS系日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』に出演中。
写真・酒井貴生(aosora) スタイリスト・青木千加子 ヘア&メイク・George 取材、文・若山あや
anan 2472号(2025年11月19日発売)より




























