意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「米中首脳会談」です。
ビジネス主体で、台湾を巡り大きな転換を迎える外交
5月にトランプ大統領は9年ぶりに北京を訪問、習近平国家主席と米中首脳会談を行いました。今回、非常に注目されたのは台湾を巡る問題です。
アメリカは、1979年に中華人民共和国と国交を樹立。台湾とは国交断絶する代わりに、台湾の安全保障のため、防衛装備品の供給を続けることを約束しました。1982年レーガン政権時には「6つの保証」という外交政策の原則を台湾に伝えました。①台湾への武器供与の終了期日を定めない。②台湾への武器売却に関して中国と事前協議を行わない。③中国と台湾の仲介を行わない。④台湾関係法の改正に同意しない。⑤台湾の主権に関する立場を変えない。⑥中国との交渉を開始するよう台湾に圧力をかけない、として台湾を安心させたのです。
ところが今回の米中首脳会談ではこれらが破られ、トランプ氏と習近平氏は台湾への武器売却について詳細に話していました。これは米台外交が歴史的な転換を迎えたことになります。
中国に譲歩し、民主主義の台湾を切り捨てるような発言。首脳会談で何か密約が交わされたのではないかともいわれています。不透明な部分が多いんですね。トランプ政権に親和的だったアメリカのメディアも、「習近平に屈した」と厳しい論調で書いていました。
今回、中国へは、イーロン・マスク氏を筆頭にIT起業家や半導体メーカーなど、多くのビジネスマンを同行させました。アメリカは、半導体などの高度な技術は中国には売らない方針を決めていましたが、それも揺らぐ可能性があります。ただ、大統領が会談で何かを決めても、議会が反発してストップをかけることも予想されます。
トランプ大統領は「台湾問題について公に語りたくなかったのに、高市首相が昨年秋に台湾有事に触れて中国を刺激したために、アメリカも巻き込まれた。日本がなんとかしろ」というスタンスなんですね。日本は曖昧にしていた台湾との関係について、いよいよ決断を迫られることになるでしょう。
日本の武器輸出が可能になると、アメリカの依頼で台湾に武器を輸出することになるかもしれません。米台関係は、日本にも大きな影響を与えます。
五月女ケイ子解読員から一言

俺流を貫き通すトランプが譲歩していて驚きました。でもG2で世界を牛耳ろうとしているのだとしたら、そのくらいの妥協は、朝飯前なのかも。大変なのは、警戒しつつ上手いこと付き合ってきたのに「で、日本はどうするの?」と聞かれる日本かもしれません。
解説員
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堀 潤
ほり・じゅん ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『堀潤 Live Junction』(TOKYO MX月~金曜20:00~21:00)が放送中。著書『災害とデマ』(集英社)が発売中。
解読員
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五月女ケイ子
そおとめ・けいこ イラストレーター。楽しいグッズが買える、五月女百貨店が好評。細川徹との共著、ゆるくておバカな昔ばなし『桃太郎、エステへ行く』(東京ニュース通信社)が発売中。
anan 2500号(2026年6月17日発売)より





























