意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「増える大規模デモ」です。
デモは社会の縮図。自由にデモできるありがたさを実感
憲法改正や戦争反対を掲げる街頭デモが全国に広がっています。2月の衆院選で自民党が圧勝。その後イラン戦争が起き、高市首相がトランプ大統領を支持する姿勢を示したこと、日本で武器の輸出が解禁になったこと、賛否両論ある議案なのに十分な議論がなされないまま法案が次々通っていることに危機感を抱いた人たちが集まり、2月以降たびたび大規模なデモが起きています。7月10日には「めちゃくちゃなな政治に抗議します」と国会前に約2万7000人(「WE WANT OUR FUTURE」発表)が集まりました。
デモは社会の縮図です。政治団体の方から一般生活者まで、あらゆる人たちが参加します。最近では、ペンライトを掲げたり、音楽に合わせてコールするなど、女性や初心者が参加しやすいスタイルも増えています。
どんな主張であれ、街中で自由にデモができる日本は、民主主義国家として言論が守られており恵まれています。香港やミャンマーでは政府に対して抗議デモを行えば、警察や治安部隊により弾圧されます。近年はガザの状況を受けて、米国や欧州各地でジェノサイドに抗議する反イスラエルデモが起きています。ところが、ロンドンでは反ユダヤ主義的な事件が相次いだため、過激なスローガンを掲げれば取り締まると英国首相は述べました。民主主義国家でも主張によっては自由にデモを行えないケースが起きているんですね。
デモ活動自体は平和的に行われていれば何の問題もありません。最近の日本のデモがメディアに取り上げられないという声も聞きますが、それは片側だけの主張を伝えることになってしまうからです。デモがニュースになるのは、暴動が起きたり弾圧されるなど、問題が起きているケースです。
だからといって、デモが無意味ということでは全くありません。政治家はその状況を見ていますし、選挙活動にも影響します。1万、2万の人が集まれば大きな力になります。デモは発信者たちの集まり、メディアの一つなんです。「デモって怖い」「過激な思想を持った人の集まり」と思うのは誤解です。デモに参加しないと政治的な話をしづらいという状況自体が不健全です。
五月女ケイ子解読員から一言

本当はみんなそれぞれ、社会への思いを持っていて、デモをする人だけが特別じゃないと思うんです。一人ひとりの声が集まれば、大きな力になるはず。アプリで参加できるアプリデモで、政府に届いて政治を変えられる仕組みができたりしたらいいですよね。
解説員
Profile
堀 潤
ほり・じゅん ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『堀潤 Live Junction』(TOKYO MX月~金曜20:00~21:00)が放送中。著書『災害とデマ』(集英社)が発売中。
解読員
Profile
五月女ケイ子
そおとめ・けいこ イラストレーター。楽しいグッズが買える、五月女百貨店が好評。細川徹との共著、ゆるくておバカな昔ばなし『桃太郎、エステへ行く』(東京ニュース通信社)が発売中。
anan 2507号(2026年8月5日発売)より






























