舟山久美子さん

豊かな人生を送るには、お金とどのような関係を築くべき? スキンケアブランド『Herz skin』代表・舟山久美子さんにお話を伺いました。

Index

    人生においてお金をどう運用するか、これからも勉強を続けていきたい。

    渋谷でスカウトされ、17歳でモデルデビュー。“くみっきー”の愛称で、女子高校生を中心に圧倒的人気を得た舟山久美子さん。

    「10代の頃から、父親の事業がうまくいかなくなったことで家計が厳しくなって。バイトを3つ掛け持ちしながら、高校の学費は自分で払っていました。当時ギャルをしていたのは、自己肯定感を上げるため。服やメイク道具を買うためにもバイト代を使っていて、その頃、毎日楽しく生きるためにはお金が必要なんだ、という意識が芽生えたと思います。モデルを始めてからは、家計を支えるためにがむしゃらに働いていたので、たくさん稼いでいました。お金は仕事の対価と考えていたし、人間関係に悩んでいた時期は、信用できるのはお金だけ、お金は裏切らないから…と預金残高を見ることだけが楽しみになって。でも20代半ばに体調を壊して入院した時、体の不調とともに、心もボロボロになって、そんな自分を好きになれなくなってしまったんです。それからは、お金は自分の人生を健やかにするためにある、と考えるようになりました」

    30代は自分らしく、楽しく生きていたいと思った舟山さん。

    「10代の頃から女性を笑顔にする仕事がしたいと思っていたし、ライフプランを考える中で、女性は妊娠、出産、キャリアのすべてを叶えられる環境がないことに違和感を持ち始めて。そこで意を決し、31歳で会社を設立しました」

    毎日を忙しく過ごす女性たちが自分を整える時間を持てるようにと、スキンケアブランド『Herz skin』(ヘルツスキン)をローンチ。

    「それをきっかけに、資金設計や会社経営に必要なお金の運用について、しっかり向き合うように。お金は誰に何のために使い、どう回していくのか、そして人や社会にどう還元させていくのか。勉強をして知識をつけ、毎日お金や数字の動きを見ていたら、数字から、何が起こっているのかがわかるようにもなりました」

    結婚後に会社を設立し、現在、2人のお子さんのママでもある。

    「上の子には、3歳を過ぎた頃からお金の教育をスタート。おもちゃを買う時はいくら必要で、お小遣いをどう使うかを考えさせたり、お金は誰かのお手伝いをして『ありがとう』と言ってもらったことの対価なんだよ、と教えています。思いやりも同時に育んでほしいと思うから。個人的には“死に金”と“生き金”を意識。死に金とは、流行りもののプチプラアイテムや衝動的な買い物に使うお金のことで、本当に必要だったのかを見直す習慣をつけ、無駄は減らすように。生き金とは、自分の人生を豊かにしてくれるお金。日本化粧品検定1級などの資格取得に使ったり、今も経営学の学校に通っていて。旅行もそうですが、経験値や価値観を広げてくれるものには、これからも惜しみなく投資したい。夫とは日常的にお金について話し合うようにしているし、投資の勉強も始めています。会社や家族のことを含め、自分の人生においてお金をどう運用するか。今後も勉強を続けていきたい」

    お金の意識年表

    【13歳】若くして家計が逼迫。
    父親の事業がうまくいかなくなり、家計が苦しくなってしまう。

    【17歳】高校の学費を自分で工面する。
    バイトを3つ掛け持ちし、高校の学費を工面すべく奮闘。ギャルに目覚め、お金は毎日楽しく生きるために必要なものという意識が芽生える。

    【25歳】入院&お金への意識に変化が。
    体調を崩して入院。お金は人生を健やかにするためにある、と考え直す。“ダイエット健康協会認定 ダイエットインストラクター”や“日本化粧品検定1級”の資格を取得し、自分の人生の幅や選択肢を広げるために投資を始める。

    【28歳】クレジットカードを初めて作る。
    結婚し、クレジットカードを初めて持つ。投資や会社経営について勉強。

    【31歳】会社を設立。
    会社を設立し代表取締役に就任。スキンケアブランド『Herz skin』をローンチする。

    お金のマイルール

    1、 できるだけ、現金主義。
    「結婚するまでクレジットカードを作らなかった理由は、毎月の収入に対して上限を決めて、目に見える現金でやりくりしたほうがお金の流れや価値がはっきりするから。現金でお金の感覚を養ってきました」

    2、流行りものではなく、心が満たされるものに使う。
    「お金は、その価値に対しての対価という感覚を持っておきたい。たまには流行りものも買っちゃうけど、自分や家族を豊かにすること、心が満たされることを優先」

    3、お金は「ありがとう」の対価として、子どもに教育。
    「誰かのお手伝いをして、10回『ありがとう』と言われたら10円あげるね、というルールもあります。喜んでお手伝いをしてくれるようになりました」

    Profile

    舟山久美子さん

    ふなやま・くみこ 1991年4月29日生まれ、東京都出身。ファッションモデルとして『Popteen』などのギャル誌の表紙を何度も飾る。現在はタレントや経営者として活躍中。

    写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・Midori 取材、文・若山あや

    anan 2449号(2025年6月4日発売)より
    Check!

    No.2449掲載

    マネーとマナーの新常識 2025

    2025年06月04日発売

    今号は今こそ知っておきたい、“マネー”と“マナー”について考える一冊です。物価高だけれど給料は上がらない、と不安だらけの人がまず知っておきたい節約、貯蓄、投資の知識を一から学びます。一方、マナー特集では、ユニバーサルなマナーや街中でのエチケットなど、人や社会に優しいマナーについて考えます。CLOSE UPにはなにわ男子の大西流星さん、JO1豆原一成さん&INI池﨑理人さんが登場します。そして待望のAぇ! groupの新連載「Aぇ! 男たち」もスタート。初回は小島健さんが担当です。

    Share

    • twitter
    • threads
    • facebook
    • line

    Today's Koyomi

    今日の暦
    2025.6.
    9
    MON
    • 六曜

      赤口

    • 選日

      天恩日

    「郷に入っては郷に従え」というように、その土地や環境に特有の文化・慣習・カレンダーに沿うことの意義を説く日です。もしそれをせず、どこであろうと自分ルールを持ち込んだら、そこに元々いる人たちと調和的にやっていくことは難しくなります。逆に言えば、環境に自分を合わせることができれば良き知識も得られるのです。

    Movie

    ムービー

    Regulars

    連載