
投資を始めようと思ったら、トランプ関税で相場が大暴落! 先行きも不透明で、本当に始めてもいいもの?
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生活防衛資金ができたら、NISAを始めよう。
「大丈夫。10年以上続ける長期投資であれば、資産は増えていく可能性が高いので、短期の“下げ”を気にする必要はありません。実際、私もリーマンショックやチャイナショックなど数々の暴落を経験してきましたが、資産はしっかり成長しています。時間を味方につけるためにも、NISAでお金を増やす場所を持ちましょう」(ファイナンシャルプランナー・黒田尚子さん)
ちなみに、今さらだけどNISAとは? どうやって始めればいい?
「よく商品と誤解されますが、制度の名称。少額投資非課税制度といって、通常は投資の利益にかかる約20%の税金がNISAならゼロ。とてもお得な“ハコ”です。特に『つみたて投資枠』は、金融庁がチェックした資産形成に適した投資信託しかなく、ビギナーに親切な環境が整っています。NISA口座は金融機関を通じて申し込みますが、扱う商品はまちまち。始めるなら、商品が豊富に揃って手数料も安い、ネット証券がイチオシです」
【SIMULATION】私の1万円、投資したら将来どうなるの?
毎月1万円ずつ、平均利回り5%で積み立て投資した場合、20年後はいくらに増える?

毎月1万円をコツコツ積み立て投資し、平均利回り5%で運用した場合、元金総額240万円に対し、運用収益は171万円に。「今回の暴落のように相場は短期的には上下しますが、長期的には右肩上がり。ほとんど増えない預金と比べると、その差は歴然です」
※金融庁NISA 特別ウェブサイトの「つみたてシミュレーター」にて試算。
【POINT】よく聞く「長期・積み立て・分散」ってなに?
リスクを軽減しながら資産を成長させる秘訣がコレ! 投資の基本として理解しておこう。

【長期】長く続けるほど成長し複利でも大きくなる。
20歳で開始すると480万円が→約930万円に!
40歳で開始すると240万円が→約330万円に!
過去のデータを見ても、10年、20年と時間をかければ株式は成長。「その間に出た利益を使わず、元本に組み入れて再投資すると、利益が利益を生むように。これを複利といいます。上のグラフで、後半になるほど運用益の伸びが大きくなっているのは、まさにこの複利の効果。早く始めるほど時間を味方につけられるのです」
※毎月1万円ずつ積み立て、年利3%で運用した場合。(金融庁「NISA早わかりガイドブック」より)

【積み立て】コツコツ買うとリスクを減らせる。
相場は上がったり、下がったりを繰り返していくもの。「これをうまく利用するのが積み立てです。毎月1万円ずつ積み立てで買うと、相場が高いときには少なく、下がっているときは多く買えます。すると平均購入単価が抑えられ、結果的に相場変動のリスクを軽減することにつながり、利益を出しやすい資産を作れます」

【分散】カゴを分けておくのが損しない鉄則。
投資の世界には“卵はひとつのカゴに盛るな”という格言がある。「カゴがひとつだと、それが落ちたら終わり。複数に分けておくことで、どれかは下がっても、どれかが上がれば資産全体を守れます。たとえば同じ株式でも、地域や業種はいろいろ。できるだけ分散させることで、リスクを減らしながら資産を増やせるのです」
Profile
黒田尚子さん
ファイナンシャルプランナー(CFP(R))。城西国際大学、千葉商科大学非常勤講師。『マンガでわかる お金に人生を振り回されたくないから 超ビギナーが今すぐやること教えてください』(主婦の友社)ほか、著書多数。
anan2449号(2025年6月4日発売)より