先取り貯蓄を安定させて、ムダな出費を見直したら、さらにチャレンジ。手元のお金を今より増やすための常識をご紹介。とはいえ、いきなり収入を増やすのは難しいので、まずはふるさと納税で返礼品を受け取り、生活費を浮かせることから始めてみたい。ファイナンシャルプランナー・黒田尚子さんにお聞きしました。
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ふるさと納税を上手に活用して応援＆返礼品ゲット。
お得な制度として知られている、ふるさと納税。具体的にはどんなもの？
「本来自分が住む自治体に納める住民税を、別の自治体に寄附して応援する制度で、2000円を超える部分の寄附額は、翌年度の住民税から控除されます。節税にはなりませんが、寄附した自治体から送られてくる食品や日用品などの返礼品で生活費を浮かせれば、ゆとりを増やすことができます」
お米やお肉がもらえたら助かるのは間違いない。注意点は？
「税金を控除できる金額には上限があります。住宅ローン控除や医療費控除を受ける人は、上限がより低くなるので、シミュレーターなどで確認を」
返礼品の配送時期もよくチェック。食品が冷凍庫に入り切らなかったり、賞味期限内に食べきれなかったりするのは避けたい。
「返礼品を受け取ったあとの手続きを忘れるミスも意外と多いです。基本は確定申告で、会社員はワンストップ特例制度も使えますが、期日までに必要書類の提出が必要。遅れると控除が受けられないので、気をつけて」
【SYSTEM】ふるさと納税ってどんな仕組み？
首都圏などで働く地方出身者の税金を、地方に還元することを目的に始まった制度。出身地以外にも納税（寄附）でき、返礼品を受け取れることで人気に。
1万円を好きな自治体に寄附した場合、2000円を超える部分の8000円が、翌年の住民税・所得税から控除される。寄附のお礼に返礼品（寄附額の30％以内）を送る自治体が多い。
【TRY】初めてのふるさと納税
ふるさと納税はポータルサイトからの申し込みが便利。返礼品が届くと嬉しいが、最後の手続きが終わるまで気を抜かずに！
1、税金を控除できる寄附金の上限額をシミュレーターで確認する。
ふるさと納税の控除限度額は、その年の所得や家族構成などにより異なる。多くのポータルサイトにあるシミュレーターで、毎年確認したほうがベター。
2、寄附したい自治体と返礼品を選ぶ。
ふるさと納税は、寄附先の自治体や返礼品だけでなく、寄附金の使い道も指定可能。子育てや農業、復興支援など自分が応援したいものを選ぶと有意義。
3、確定申告もしくはワンストップ特例制度で税金の控除を受ける。
会社員でワンストップ特例制度を使う場合は、翌年の1月10日までに各自治体に書類の提出を。確定申告の場合は「寄附金受領証明書」を必ず保管。
Q＆A
Q. 自分の住んでいる自治体は税収が下がっていると耳にします。それでもふるさと納税をしてもいいですか？
「税金がよそに流れることで、公共施設などへの影響が心配なら、“しない”のも手。ただ、地方を応援する気持ちがあるなら税金の納め方として有意義な制度。趣旨を理解していれば、後ろめたさを感じる必要はありません」
Q. たくさんあるふるさと納税のサイト。どうやって選ぶのがいいですか？
「提携する自治体が多く、寄附金の使い道を選択しやすいのは“ふるさとチョイス”。楽天市場と同じ感覚で使える“楽天ふるさと納税”や、操作がシンプルでガイドもわかりやすい“さとふる”は、初心者におすすめです」
Q. 自分の住んでいる自治体（地元）にふるさと納税はできますか？
「ふるさと納税は制度の趣旨上、自分の住んでいる自治体にはできません。返礼品は基本的に地場産品ですが、どうしても地元を応援したい場合は、地元企業が返礼品にかかわっている自治体がないか調べてみるとよいでしょう」
Profile
黒田尚子さん
ファイナンシャルプランナー（CFP（R））。城西国際大学、千葉商科大学非常勤講師。『マンガでわかる お金に人生を振り回されたくないから 超ビギナーが今すぐやること教えてください』（主婦の友社）ほか、著書多数。
anan2449号（2025年6月4日発売）より
